南極大陸訪問
前回投稿で北極大陸なんてアホみたいなミスをやらかして、周知のあまり牛丼爆食いしました。悔いはありません(現実逃避)。
ご指摘くださった方々に感謝を!
フェルとクレアが氷の大地を見てみたいって言ったから、私達は南極大陸へ転移してきた。
現地の土地勘の無い私達が行っても何も分からないから、転移する直前に前世で見た映画を思い出して目的地を指定することにした。有名な取り残されてしまった犬の物語だね。
で、南極大陸にある昭和基地の直ぐ傍へやって来た私達は、幸運にも調査中の人達と出会えた。
正確にはアリアが直ぐに探知してくれたんだけど、お仕事の邪魔をしちゃ悪いから一段落するのを見計らって声をかけたら、まさか美月さんの弟さんが居るとは思わなかった。
そう言えば、遠い場所でお仕事をしてる自慢の弟が居るって言ってたなぁ。
ちなみに今回アリアのボディは連れてきていない。銀河一美少女ティリスちゃん号の損傷は思ったよりも酷くて、フィーレを手伝うために残してる。
アリア自身はボディも一緒に連れていって欲しいとお願いしてきたけど、目的地は南極だ。自然の脅威はあっても、危険な人はいない筈。長居するつもりもないしね。
「基地の皆も驚くと思いますよ。まさか今話題の有名人に会えるなんて思わないでしょう。
お祭り騒ぎになるかもしれません。何せ、娯楽が少ない場所ですからね」
椎崎隊長達と一緒に私達は昭和基地へ向かうことにした。邪魔をしたくないから長居をするつもりはないけど、折角来たんだから挨拶くらいはしておきたいし。
フェルとクレアは珍しそうに周りを見渡してる。何もない、何処までも広がる氷の大地だ。それだけでも魅力はあるけど、生き物もユニークだ。
北極じゃないから、クマは居ない筈だけど南極を象徴する生き物が居る筈……居た!
「ティナ!あの生き物はなんですか!?」
「かっ、可愛い!」
「おー、ペンギンだ。あんなにたくさん!」
私達は偶然にもペンギンの群れを見付けることが出来た!
「皇帝ペンギンの群れですね。今は繁殖の時期だからあんまり近寄らない方が良いですが」
皇帝ペンギンかぁ。小さい頃に行った水族館で見た覚えがある。親達と違ってふかふかの毛に覆われてずんぐりむっくりしてる雛達のお世話をしてる。
あれは可愛いな、フェルとクレアはもうメロメロだ。可愛いものに種族の違いは無い。
まあ私の場合は何か親近感もある。アード人は鳥類から進化したみたいだし、同族みたいな感じなのかな?
隊長さんが警告してくれたんだけど、いつの間にかフェルとクレアが吸い寄せられるように近付いていった。
危ないと思ったけど、ペンギン達は特に警戒した様子もなくて、自然に二人を受け入れていた。
「ティナさん!この子達、ふわふわしてますよ!」
「最近はエサになる魚が少なくなっていて大変だと言っています。地球環境の改善にも力を貸してあげないといけませんね」
「フェル、言葉が分かるの?」
「何となくですが、小さい頃から動物や植物が伝えたいことを感じることが出来るんです」
雛の群れに埋もれて至福の顔になってるクレアはまだしも、フェルの隠された技能が垣間見れちゃった。
……動植物の言葉が分かるなんて、聞いたことがない。少なくとも一般的なリーフ人にそんな力はない筈。
……まあ、フェルはチートだから特別なんだろう。気にしないことにした。色々怖いし。
「確かに魚の数は減っていますね。ここ数十年で環境が変化していますから」
「私達なら環境改善のお手伝いが出来ると思いますよ」
「それは本当ですか!我々が招いた結果の尻拭いをさせてしまっているようで情けない限りですが」
隊長さん達は複雑な表情だね。
「気にしないでください。地球の皆さんが快適に暮らせて、そこに住まう動物達も安心できるような環境になれば、皆さんも他のことへ目を向けられると思うから」
個人的には、もっと宇宙へ関心を寄せてほしい。たくさんの危険はあるけど、それ以上の魅力で溢れているのが宇宙なんだ。
SF作品みたいに、宇宙へ進出してほしい。
宇宙で起きるだろう人間同士の戦いは……アードが関与すればある程度は抑えられる筈。少なくともSF映画でよくある人類滅亡の可能性は減らせると思うから。
ペンギン達とまだまだ触れ合いたいけど、皆さんを待たせちゃ悪いから直ぐに切り上げて私達は昭和基地へお邪魔した。
事前に連絡してくれていたみたいで、基地を挙げて歓迎会を開いてくれた。娯楽が少ない環境だろうし、少しでも気晴らしになれたかな?だとしたら嬉しいな。
「ティナ、折角ですから」
「おっと、そうだね。アリア、撮影お願い」
『畏まりました。これより配信を開始します』
折角だから動画配信することにした。さっきペンギン達と戯れていた様子も撮影してくれていたみたいで、そっちも一緒に配信する。
「地球の皆さんこんにちわ!ティナです!今日は、フェルとクレアを連れて南極大陸の昭和基地へお邪魔しました!」
「「「いえ~~~いっ!!」」」
うん、基地の皆さんもノリが良くて助かる!
同時接続が億を超えてて怖いけど、まあもう慣れた。コメント欄がすんごいことになってるけどさ。
『南極だぁ!?』
『まさか国以外の地域へ行くなんて!』
『まあ何処に行こうがティナちゃん達の自由だしなぁ』
『あの薄着で寒くないのかな?』
「服なら大丈夫ですよ、環境適応魔法が付与されているので快適なんです」
のんびりお喋りしながら昭和基地の皆さんと交流に励むことにした。近くに現れたアザラシの群れを見学したんだけど、圧巻だったよ。流石に危ないから遠くから見ただけと。
さて、夜までにはお暇しないとね。貴重な研究の時間を奪っちゃったら大変だし。
「姉から確認の電話が掛かってきましたよ、驚いていました」
「美月さんに言ってなかったからなぁ。あっ、配信を見てるんですか?」
「見てるみたいですよ」
椎崎隊長さんに美月さんから連絡があったことを知らされた。配信を見てるみたいだし、ついでに予定を伝えておこうかな。
予告にもなるし。
「えーっと、あんまり長居したら迷惑になっちゃうだろうから夜には月へ戻ります。
明日はドイツへお邪魔する予定ですから、よろしくお願いします!ちゃんとお土産も持っていきますから!」
確かに事前連絡をするようになった。これを好意的に成長したと捉えることも出来るが、世界中がいつものように大騒ぎとなったのは言うまでもない。何せ前日なのだから。
当事者であるドイツ政府首脳陣は達観した表情を浮かべて受け入れた。事前に合衆国から警告されていた通りの行動なのだ。もはや諦めたとも言える。
そして皆が胃痛を抱えながら、全土に厳戒態勢を指示するのだった。




