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異世界”半”転移譚  作者: 武ノ宮夏之介
第五章「全王会議」
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エピローグ「闘技会の後」

瞬介の寝室へと運ばれた中、メジェネアを筆頭に心配そうに回復術士の言葉を待っていた。


「ご心配には及びません……ただ、出血が激しかった中にあの攻撃でしたからな」


命に別条はないが、治療には時間がかかるとのことだった。

国王からはなんとしても治療し、自らこたびの働きに答えたいとのことで別の護衛達が割り当てられている。


「にしても、あの帝国護衛の光る攻撃は」


「それじゃ……。あんな魔力を感じぬ武器、我が文明においても見たことはないのじゃ」


「シュンスケ様は、何やら驚かれていたご様子。……もし目が覚めたら聞いた方がよろしいですわね」


「くぅ~ん」


コーディも心配そうに瞬介の顔を舐め続けている。

瞬介の容態は落ち着いているとのことで、仲間たちは交代で見張りを続けることにした。




それから数日後、瞬介は目を覚ます。

しかし――


「……空っぽの目覚めですわね」


「シュンスケまたあっちにいってるわね!」


「フィーナ殿、それはもう一つの世界ということかの?」


「そうよ! シュンスケだけずるいわ!」


「……わたくしも個人的に興味はありますが、いけませんものね」


それは瞬介があちらの世界へと向かっているという空の目覚めという起き方である。それはぽーっとしている状態で、目は覚めているがもう一つの世界へと行っている状態だ。この前は砂国で動き回ったり、傷を負ったりしていたが……今回はそうならずにいた。


ただただ、ぼーっとしているだけの状態で寝ているまま目を覚ましていた。


嬉しそうにコーディが舐める中、何やら外が騒がしくなっていたのに気づいたリンスはそっと扉の近くに寄った。そこへノックがされる。


「――王が直接お越しになりましたが」


「さすがに国王陛下にシュンスケ様の力がバレるのはまずいですわ。まだ絶対安静ということを理由にお引き取りを」


「かしこまりました」


そして王の面談も断り、そのまま瞬介の完全な寝起きを待っている間。

闘技会後の予定も全てつつがなく終わり、再び王が来たがまだ安静にということで代わりにラビィが対応し、そして今回の件の依頼達成を王自身が伝えた。

国王はそのまま、王城へと戻ることになり、依頼の件もアランの町を治める貴族経由で直接達成の旨を伝えるということになった。


そうして日にちは経っていったが、瞬介は目覚めることはなく……。

異世界のほうでは、アランの町にこのまま帰るということとなりそのまま国王の後に出発することとなった。




一方その頃の瞬介はといえば――


「はぁ~、飯うめぇ~……ごほっごほっ!」


病院の一室にいた。

突如として肺に穴が開くという気胸の診断によって。

外傷もあったのだが、悠人が手配してそこらへんは誤魔化して気胸ということになっていた。


それは突然のことだった。

瞬介の両親が寝ていると、瞬介が苦しみの声とともにものすごい咳き込みをし、血を吐いていたのだ。慌てた両親は向こうの世界で何かあったのかと救急車よりも、悠人の家に連絡をして悠人が指定する病院へと運ばれたのだ。


そして、明花や誠太たちが見守る中手術は無事に終えて命に別状もなかった。

おかげでこうして病院でご飯を食べてるのだが、まだ肺は塞がってないので時折咳が出てはむせてしまうのだった。


「……全く、君は暢気すぎるよ」


「本当ですよ!瞬介さん」


「はぁ~……まあ、これが瞬介だからね」


「いや、本当に迷惑をかけたごめん……ごほ」


と、咳がでるのも構わずに話ながらもご飯を食べ終えると、悠人に介助され横になった。


「……喋らないようにしないと。話したいことはこのパソコンに書くといいよ」


と言って高そうなノートパソコンをテーブルに置かれた。


"わかった。それよりもだ。向こうの世界でのことで話がある"


「話したい事?」


そして、瞬介は闘技会のことを順々に激遅のタイピングでもって打っていき、事の次第を伝えた。


「…アニメや漫画に登場するような銃」


「光線銃だっけ? 医師にも聞いたけど肺の破け方というか負傷の仕方が火傷だって話だった……ってことは」


「その、あちらの世界ではありえない技術があるってことですか?」


"俺も帝国のあの技術力はおかしいと思ったよ。なんせ最先端の技術が山国だって聞いたし……あんな武器を作る意味も分からない。まぁ何かに備えてっていうのは分かるけど……俺としてはそこらへん、国王に直接聞いてみたいところだけど、あの全力攻撃を使ってからあちらにはまた戻れないみたいなんだ"


という瞬介の説明に全員がうむーという感じで考え込むことになった。


「まぁ、とにかく今は傷を治すことに集中するんだ」


「先生には、瞬介の両親から伝えてあるっていうし……まぁクラスメイトにも適当にごまかしておくよ」


「瞬介さん、ご自愛ください」


"ありがとう"


ということで、瞬介は2学期すらもまた遅刻しての登校となることが決定したのだった。


幸いにも、クラスメイトが何人かで見舞いに来たり両親はおろか、天使扱いをしている優奈ちゃんもそれから誠太の母親までも見舞いに来た。

刑事である誠太の母親にはまだ何も伝えてない。

というか、伝えられないというのが正直なところだった。


そんな感じで時間が過ぎていき、9月も半ばになった頃――

瞬介は無事、退院するのだった。


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