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異世界”半”転移譚  作者: 武ノ宮夏之介
第五章「全王会議」
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9話「闘技会②」

一回戦を勝った俺は、引き続き自分の分になるまで瞑想をして過ごしていた。


別に興味がないわけじゃないが、なんとなく瞑想していると落ち着くからだ。

それにこうして循環させてると先ほどの身体能力強化分の魔力が回復していくし。


次の組み合わせは、皇国vs森国。


つまりは、ヨークシャ――サナダさんとエルフ族の人だった。


そこで勝った方が俺との二回戦目の相手となる。

個人的には日本の昔の侍っぽいサナダさんを応援してるし、戦ってみたい。

……俺ってこんなに好戦的だっただろうか?


聖国vs砂国と続き、海国vs獣国という感じの組み合わせなので、ラピスさんも順当に勝ち進んで俺が勝てば準決勝になる。シード権の組み合わせである魔国vs帝国も同じ日にやるようだ。


瞑想をしながら次の相手を待ち、そしていよいよ決着し俺の相手はサナダさんになったみたいだった。俺としては待ってましたという感じだ。

ということで今日は屋敷に戻った。


刀には刀、だ。


翌日――

昨日勝った皇国のサナダさんとの戦いになる。


ちなみに獣国も順当に勝って今日は、聖国の人との二回戦目らしい。

帝国はまた魔国に勝ち決勝の相手待ちだということも聞いたが、あの人そんなに強かったのかと意外だった。


魔国の魔族の人だったか、あっちのほうが明らかに強そうなのに。


まぁ勝負は勝負だ。


というわけで、俺の番がやってきた。


「さ、行ってくるか」


模造刀を持ち、俺は舞台へと向かっていった。




舞台では、先にサナダさんが待っていた。


「ふむ、なぜか知らぬがそこもとには刀が似合うでござるな」


そこもと……?

ああ、あなたとか相手を指す言葉かな?


「あ、ありがとうございます。お手柔らかに」


「ははは。……手を抜いては大樹(ミカドの呼び名)様に申し訳が経たぬ」


「ですよね」


剣道の真似事をしているために脇に持っているだけなんだけど、そんなにさまになってるかな?それはそれとして、さすがにTHE侍という感じのサナダさんはぴったりハマっている。昔の日本もこういう感じの人が多かったのかな?

いや、髪型が違うか。


と、いよいよ開始となる。


開始と言われ、それぞれ構えるかと思いきや――


「きぇい!」


猿叫とともに飛び込み面のような感じで斬りつけてきたサナダさんの刀を受ける。

くっ、腕が痺れるな……さすが本職の打ち込みだ。

悠人も強いが、こっちのがさらに上のような素早さと力だ。


「いてー、でも……」


身体強化を使い、俺は胴狙いで打ち込むが――なぜかヤバいと感じた俺は、制動した。


「カウンター狙いだったみたいですね」


「……ほう、よくわかったでござるな」


それほど剣道に詳しくはないが、向こうにいる時にどういう立ち回りをしたらどういう動きをするのかというのは一通り動画サイトでも勉強していたのが役に立った。


互いに打ち込みあい、時には攻め、時には引きと俺はサナダさんととことん打ち合った。そして……サナダさんがとうとう決める感じで動いた。なので――


「すいません」


そうつぶやくと、俺は刀を捨てると構えた。


「!?」


意外に映っただろうサナダさんが打ち込み途中で俺が刀を捨てたことが態度に出て、明らかに鈍った。そこに俺は半分の力を発動する。自分の体重を軽減させそして。


「はぁっ!」


背負い投げからの身体強化で押さえつけ、相手の刀をサナダさんの喉に突きつけた。


「はぁ、まいったでござる」


うおーーーー!という絶叫とともに歓声が聞こえ、こうして俺は第二回戦も勝ち進んだ。これで明日は聖国vs獣国との戦いで勝った相手との戦いになる。

俺は体を離して、手を伸ばすとサナダさんにナイスファイトでしたと伝えた。


「ふ、やられたでござる。無手の試合は、一回戦目で見ていたはずでござるのに」


「ま、それ以外にも色々と……ですよ」


そんな感じで互いの健闘を讃えていると拍手が割れんばかりに起こった。

手を上げそれに答える。試合で稼いでる人の気持ちがなんとなくわかった気がした。







「だらだら攻撃しすぎだわ!」


「……フィーナ様、それがシュンスケ様の狙いですわ」


「ふん!」


「ラビィ、婿殿は相手の体力切れを狙いなおかつ大技を狙ったということで相違ないのかのう?」


「……ええ、自分の疲労を半分化させた上で、ですね」


「さすがはわらわの婿殿じゃ」


「それに……なんだか先達に教えを乞うようなそんな戦い方をされておりましたわね」


「先達なら、わらわも資格があるというに……」


「うまく言えませんがそういう先達ではなく……いえ、なんでもありませんわ」


というわけで観戦していたラビィたちは瞬介の勝利を喜ぶのだった。


ところ代わり王たちの席では――


「シュンスケでしたね。あの子はとても器用な戦い方をするのですね」


「ええ、フィーナに持たせた珠で見ている分にはそういう傾向が強いようです」


竜女王と妖精女王のやり取りを聞いていた国王はそんなやり取りを鼻を高くして聞いていた。前回では見事に一回戦敗退だった王国だったが、今回は瞬介のおかげでいいところにいけそうだからだ。


「フッ……くだらぬ」


そこへ鼻で笑う存在がいた。


それは帝国の皇帝だった。

帝国の勝ちは譲らない……そんな余裕すら感じたような話し方だった。


「……」


その傍に控えるとある護衛は、無言でそのやり取りを見つめているのだった。


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