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異世界”半”転移譚  作者: 武ノ宮夏之介
第九章「瞬介の文化祭」
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1話「エルフ族との会合」

エルフ族の長、それからミーティアさんが部屋へやってきた。


「あ、すいません。こんな恰好での出迎えとなってしまい……」


「気にしなくていい。それよりもだ」


そうしていきなり礼をしてきたエルフ族の長に俺は戸惑ってしまった。


「い、いや……いきなりどうしたんです?」


エルフ族の長は、そのまま俺に礼をしたまま話をつづけた。


「今回の件、一番の功労者に向ける礼だ。どうか受け取ってほしい」


「シュンスケさん、これが最上級のお礼なのです。どうか受け取ってください」


「あ、はいって……」


ミーティアさんも同じように礼をしてきた。


「受け取ります、受け取りますんで!2人とも、頭をお上げください!」


ということで、お二人にも座ってもらい話をすることになった。


「こうして直に見て、なるほどたしかに以前見た全王会議前のあの時よりもさらに精霊力が増しているね」


「……精霊女王様のお力をも感じられるほどです」


という2人の言葉に、やっぱり俺の力が増大しているというのを実感した。

ただ――やっぱり体が怠いし、意識もなんかぼんやりしている。


「やっぱり、俺の力っていうか……精霊力のほうが強くなってるんですね」


「そのせいで、あなたの存在感が比べ物にならないほどに薄くなっている……制御ができていない証拠のようです」


「そうじゃな。魔力を見たところでも4分の1ほどになっておるのを感じるのじゃ」


4分の1ってことはやっぱりか。


あの時のことで、精霊たちが俺の元へとやってきて、どんどん俺の中に力として蓄えられていったのは感じていた。そのショックで意識を失ってしまったくらいだし。


「……シュンスケ殿、今回の件によりそなたに我がエルフ族の――」


「王にとかって話なら……それは勘弁してください」


と、エルフ族の長がいう言葉を遮ってお断りを入れた。


「しかしだな、今の君のその力は精霊女王陛下を思わせるほどなのだ。そのような者にこそ率いられたいと思うのは当然であろう?」


「エルフ族の長、例えそうだとしても俺は冒険者であり学生です。……ぶっちゃけ、どちらも初心者ですし、王って器でもないですし。なので、きっぱりと断らせてもらいます」


「そうか……」


「だから言ったじゃないですか。彼は、そういうことを了承はしないと」


「うむ……」


どういうことだろう? と、俺はミーティアさんに聞いてみた。


「はい。私ですらその全容が計り知れないほどの力を持ってしまったシュンスケさんに是非王になってほしいということをお聞きしました。しかし、私はあなたがそんなことに一切興味がないということを伝えたのですが……どうしてもとおっしゃるので」


なるほどな。


「もちろん、また帝国のことで何かしらあれば協力は惜しみません。俺らはそんな自由な立場でいたほうがいいと思うので」


エルフ姫と言われるミーティアさんですら測れないほどの力を持ってるとするなら、俺としてはどことも友好的にしたほうがいいだろう。どこか一つに縛られるくらいならば、だ。


「そうですね。私も個人的にそのほうがいいように思います。そのお力は、様々な方のお役に……喫緊では帝国との争いに、ですが……」


ミーティアさんはそう言い終わると悲しそうな顔をする。

本当に帝国のやることにはうんざりだった。


エルフ族の長は、そんなやり取りに俺に脈がないのが分かったのだろうため息を吐き、分かったと呟くと立ち上がった。


「まだ力が安定せぬのだろう。安定するまでいくらでもゆっくりしていってくれ。何か必要なものがあれば、我が配下になんでも申しつけてくれ」


「あ、はい。ありがとうございます」


そうしてエルフ族の長さんは立ち去っていった。

ミーティアさんは残るらしい。


「ミーティアさん、どうかしました?」


「ええ、先の戦いの要因となった反精霊、邪精霊に連なる件についてのご報告を」


そこで語られたことは、やはり西の帝国領から流されたという精霊という古からの信仰よりも、未来に向けた新しき精霊たちを崇め、そして実利を取り今よりもさらにエルフ族にとっての未来をという……まぁ、これも詭弁だがそういう道をということで、結局は古い考えの脱却というのが目的だったという。


しかし、実際は妖精の枷を使っての支配から、ゆくゆくは精霊族を崇める連中の切り取りからのあの血塗られし魔物――ルビーデーモンによる侵攻という具合だった。


「なぁ、それって……」


「過去の砂国においての"アレ"……、もしやその制御をしておるのかの?」


「実際にどうだったんだ?」


「帝国なぞ、過去には存在せなんだのじゃ。いや……」


そうしてメジェネアは考えに耽った。そして――


「そういえば、今の帝国の領土には大きな古代国家があったのじゃ」


「その領土はまるまる帝国って感じか?」


「……いや、公国じゃったかの? それくらいじゃったと聞いたことがあるのじゃ。我が国とは国交を結んでおらなんだから、わらわにはよく分からんのじゃが」


公国って言えば、帝国の属領の一つだろ?

それが大きな古代国家と呼ばれるほどに大きかったのか?

それは、軍事的なものなのだろうか……。

領土的にはそんなに大きくないのに、大きな古代国家とはと思っていると、


「ともかくじゃ。あのような血塗られし魔物などを操る術を用いることができるようになったということはじゃ……謎の飛び出す武器と合わせれば相当なものじゃぞ」


銃のことを言ってるんだろう。

確かに、銃は誰でも容易に扱える代物で、多分だが俺たちの世界から輸入してきた代物だ。それとあのルビーデーモンを用いれば普通の国家じゃ太刀打ちできないものとなるだろうことは言うまでもない。


簡単に戦ってるのは、それはフィーナ筆頭にラビィとリンス、メジェネアの戦闘能力が高かったり、俺の半減させる力などがあるからだ。

普通に前回(砂国)の時も、今回の時だって死傷者大多数という結果だったって聞いた。


「シュンスケさんいえ……シュンスケ様。我が国としてはシュンスケ様たちを軸として今回の一件、国を超えた協力が必要と判断し、その協力体制を惜しみなく出すことをエルフ族姫巫女・ミーティア=シュートスターとしてもお誓い申し上げます」


ということで、聖国に続きエルフ族の国・森国エルヴィンたちとも協力して帝国勢力の打倒を掲げることとなったのだった。


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