──*──*──*── 墓地
マオ
「 うわぁ〜〜。
墓地も見違えちゃったなぁ。
荒れ果てて、不気味だった墓地が嘘みたいだ!
何の墓石も新品みたいにピカピカだな 」
セロフィート
「 お墓は死者の霊が宿る家ですからね。
ワタシからのサービスです。
草や雑草が生い茂り、苔まるけ,傾き,破損,劣化した墓石が殆どでした。
掃除もされず、汚れて汚い家のまま放置されていては、先祖も浮かばれませんし 」
マオ
「 …………そだな…。
ゴミ屋敷って言うか、ゴミ捨て場に置かれてる感じかも知れないよな… 」
きちんと整地もされていて、草も雑草も生えてない。
見た目からして清々しくて、気持ちの良い墓地に変わってる。
〈 大陸の法則 〉に依って、墓地に建てられる墓石の形は決まっていて、骨壺を納骨出来る様に作られているんだ。
先祖代々の家墓が一般的に浸透している。
稀にだけど、個人墓を見掛ける事もある。
身寄りのない人の場合でも、必ず先祖が居る訳だから、両親の墓石を探して骨壺を納骨する事になっている。
〈 大陸の法則 〉では、埋葬をする時は遺体を火葬した後、骨壺へ入れて墓石に納骨するんだけど、何故だか土葬する人達の方が多かったらしい。
地震や地割れが起きると地面がズレたりして、先祖の骨を踏みながら参拝してしまう事になる。
知らず知らずの内に先祖を粗末にしてしまう逆供養をしている事が、随分と後になってから判明したらしい。
現在は〈 大陸の法則〉 に適う様に遺体を火葬して、遺骨を骨壺へ入れて墓石に納骨する様になったみたいだ。
遺骨を骨壺へ入れる時は、粗末にならない様に必ず全骨するのが〈 大陸の法則 〉で決まっている。
昔から散骨,自然葬,樹木葬を奨励する様な風習があったり、葬儀をしなかったり、お墓を作らなかったり、遺骨をゴミみたいに始末したりする人達が居る。
自己満足の供養を奨励して商売をする人達も居る。
遺骨の粉末をガラス原料に溶かし込んで、ペンダント,指輪,ネックレスやらの装飾品や佛具,ガラス工芸とかに作り変えて、身近に置く “ 手元供養 ” って言う名前の供養を広めて商売してる人も居る。
〈 大自然の法則 〉から外れた間違った供養をしている事に気付かないで、当たり前の様に行っている所は結構沢山あるらしい。
遺体の尊葬を軽視する風潮を作って広めたり、商売としている人達は、社会秩序の破綻に加担している事になるらしい。
見る人が居なくなって、撤去される無縁墓,墓地の改葬,墓じまいをして不要にされた墓石を石材業者が適正な処理をしないまま不法投棄している所もある。
開拓している土地から墓石が見付かると、人目に付かない場所に勝手に投棄してしまう工事関係者も居る。
〈 大陸の法則 〉でも先祖や先人に感謝して、大切にしていく具体的な行為として、お墓や遺骨は大切に扱わないといけない事になっているらしい。
廃棄処分する墓石は、粗末にならない様に1ヵ所に纏めて配慮する必要があって、無縁墓とかの引き取り手のない墓が沢山ある時は、供養塔を建立するとかして霊を移っていただく供養をしないといけないらしい。