ある魔法科学者の勝手(凶行)
この世界にもゴーレムが存在する。この世界のゴーレムは超古代文明の名残ではなく技術である。戦争に投入される人型魔導兵器である。したがってあらゆる国家でゴーレム開発部署魔導兵器開発専門部門が存在する。魔導兵器を開発するときはまず、土魔法で器をつくり、エネルギーとして火又は回復魔法が使用される。ゴーレムにはエネルギーとして虚偽の魂が使われる。回復魔法で作り出す魂である。ゴーレムは命令に従うのだが停止せず山中に迷いこんで命令を遂行したままであることがよくある。
世界のとある場所。そこは研究施設であった。ゴーレムの研究である。虚偽の魂以外のエネルギーはないかという研究である。国家公認ではない。
では誰が研究しているのか。マッドサイエンティスト狂気の科学者ソウレである。彼は賢過ぎた。その頭脳とハートで資金を集め器を集めエネルギーを集めた。エネルギーを自分で作り出せるのに。彼の実験は数千に昇りそして完成した。
[生物魔導兵器 認識番号0]
生物魔導兵器。その名が示す通りエネルギーに使用されたのは生きた魂だった。ソウレはこの一体又は一人を完成させたあと国家に見つかり死刑にされた。だが0はいまもどこかで起動を待っている。
「さてどうするかなあ。」
気の抜けた声。ザガトである。王の勧誘のことごとくを避けSランクに昇格し今は大金(今回の報酬と今までの貯蓄)白金貨十枚分を何に使うか悩んでいる。この世界は百計算で銅貨銀貨金貨白金貨のじゅんとなる。ザガトの所持金は国家の予算とたいさなかったりする。
商店街を歩いてザガトはふと魔導兵器店を発見した。魔導兵器は自衛に使われることもしばしばである。
「いらっしゃいませ。」
事務的な笑みを浮かべた男。
「当店は魔導兵器専門店となっております。」
「ゴーレムがほしい。白金貨で。」
ザガト簡潔に伝える。白金貨いくらなんでも破格である。
「そっそれはわかりました。最高のゴーレムを」
男もうろたえた。
「こちらに掘り出し物がございます。」
そう言って案内されたのは店の奥であった。
「こちらにございます。ゴーレムは全て最高質のオリハルコン製でございます。」
ザガトは数少ないオリハルコン製ゴーレムを眺めそのうちの一体いや一人に目を止めた。シンプルなデザインでなにより生命力を感じる。
「あれは?」
「あちらでございますか?国家が失敗作といっておいていったものにございます。」
(国のものか。生命力法に触れそうだが。)
「それを買おう。」
ザガトはゴーレムを購入したのだった。




