敵襲の続きの続き(蒼黒校長の場合)
もう令和ですね。
平成はどうだったでしょうか?
僕は、はじまりの年でした。
まだまだこれからですよ!
傷だらけで恐らく出血過多の影響で意識が朦朧として受け答えもできないでいて、今すぐ病院若しくは治癒系の能力者の元に連れていかないと、死んでもおかしくない状況の刃道 薫が、死体撃ちのように斬撃を食らっていた。
「貴様!!」
斬撃の雨が降り注ぐ中に飛び込んで、一手にそれを引き受けた。
ギャリン!キィン!ガッ!
傷つけられた刃道 薫の身体を右腕で抱えながら、左腕で持っている小刀で出てくる刀たちを弾き受け流す。
受け流しながら、もう一人の光る白い甲冑を着ている恐らく生徒があろう生徒が倒れているのを再確認した。
あんな能力の生徒いたか?
「やはりか、、、、」
やはり未来は変えられないか、、、
そのままズリズリと、甲冑の生徒の方向に下がってみるが360度囲むように止まる様子もなく、刺突、居合い等の攻撃が黒色のループホールから襲い掛かってくる。
防ぐのはさほど難しくはないのだが、もしこのまま続くのであれば消耗していくのは、ゴキブリは汚いよと言われるより明らかだった。
「ふぅ、、、」
引きずりを止め、少し休憩を取る。
やはり最近しっかりと鍛えていなかったからか、女子生徒一人引きずりながら運ぶのも少し苦労を感じるようになってしまった。
モミ
しかし、刃道は筋肉質だな。しかも、良い筋肉。流石道場持ちの娘だな、鍛えられている。
これは重くなるわけだ。
「ん?」
先ほどから、同じ場所からしか斬撃が来ないな。
「おい」
さっきからやかましいほどの斬撃を飛ばしている敵に一声かける。
「なんだ!」
黒色のループホール越しに敵が、返事をする。
「貴公の能力、、、『どこでもループホールを出せる』ではなく『場所固定のループホールを出せる』だな?」
「、、、」
斬撃がピタリと止まった。
「それが分かったところでなんだ?防ぐ以外にやることあるのか?やることは変わらないだろ!?えぇ?」
スクッ
「確かに、、、防ぐ以外にできることはないのかもしれない、だが!!、、やるべきことは変わらない!貴様を殺して、生徒たちを救う!!」
敵はおののいたのか恐れたのか分からないが、後ろに大きく一歩引きさがった。
その隙に、着物の袖に入っていた携帯電話を取り出して、画面を三度タップした。
ゴシャンッ!!
狙いすましたかのように持っていた携帯電話が刺突された。
勿論、私は、スレスレのところで携帯電話を手放して避けた。
その隙に私は、刃道 薫を地面に置き、立ち上がり、刀に手をかける。
スゥゥゥゥゥゥン、、、、
もう一本腰に差していた長刀を抜き出した。
「ここからは全力で推して参る!!」
間を置かずに、真っ直ぐに一直線に敵の喉元に向かう。
当たり前だが、道中敵の斬撃に見舞われた。
ギギンッギャルンチリッコッカコッギントッ!!!!!
だが、全てもう既に受けてきた斬撃だったので受けるのは英語を話すぐらい簡単だった。
「ひぃ!」
ゆっくりと、しかし、確実に、そして、完璧に防ぎながら進んでくる私に脅威を覚えたらしい。
「なぁ~んちゃって~~~」
ナニィ!!
、、、、というふりをしていたらしい。
そんな物は先に知っていたぞ、、、、
ダッ!
私は、刃道 薫の下に一歩で戻る。
ニュッ
しかしそれはもう知っていた!
ギィン
黒いループホールから出てきて、刃道 薫の喉元に突き刺されようとされていた刀をはじき返した。
「ナニィ!!」
ナニィ!!返し。
「おやおや、ここに居らっしゃったんですか」
ニッコリ笑顔のタキシードを着ているおじいさんがそこにはいた。
ギジャリリリリリ!!!!!!
「ハウッア!!」
「さすが師匠」
一歩で敵の懐に詰め寄った師匠が、ひと振りを食らわせたかと思ったが、ギリギリのところで黒いループホールからの防御で守っていた。
「ほう、、、剣の才能がありますね、アナタ」
「あ、どうも」
敵がちょっと恥ずかし気に一礼をした。
「さぁさぁ、弟子よ。この様は何ですか?」
師匠は、お怒りになられているようだった。
「確かに私たちは元の生業から死に関して疎いのかもしれないが、足を洗った以上自分の命より他人の命と教えませんでしたか?」
「はい、ご教授頂きました。ですから、師匠のお力を借りようとお呼びした次第です」
さっき携帯電話を操作したのは、師匠に助けを求めるメールをしたのだ。
師匠は、倒れている生徒二人を見つめる。
「早くしなさい。そろそろ間に合わなくなってしまいますよ」
いつもの優しい師匠に戻っていた。
「では、この場はお任せ致します」
「はい、任されました」
私は、生徒二人を抱えて医務室に全力で向かった。
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「さぁさぁ、私を前にして命を粗末にしてしまいましたね?」
「そう、、」
ピルピルピルピルピルピルピルピルピルピルピルピル
携帯の着信音が鳴り響く。
「クソッ!もう時間かよ!」
師匠は、居合いを一振った。
ガギィ、、、!
しかしそれは黒いループホールに飲まれて、すぐそこの地面に打ち付けられてしまった。
「では、ボスから帰れと指令があったのでもう帰らせてもいます。とてもお邪魔しました。でも、またお世話になると思うのでよろしくお願いしまぁ~す」
スゥゥゥゥ
「、、、、」
師匠は地面に刀を打ち付けた。
良い時代を。




