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多美子とおじさん  作者: みゆき
3/10

土砂降りの雨

多美子が叔父さんに会いにいく決心をします。読んでいただけると嬉しいです。

 最近まで体を売って、何とかお金をもらってきたが、

野宿しているせいで一ヶ月近くお風呂に入っていない。

すえた嫌な匂いのする体ではもう誰も買ってくれない。

伯父さんなら、親戚のよしみで、跨がれば、

千円ぐらいは払ってくれるかもしれない。


 そう思うと、多美子はいてもたってもいられなかった。

左腕に巻きつけられたピンクの小さな可愛らしい時計をみた。

9時5分。さあ、出発だ。

ぶちまけた荷物を急いでリュックに詰め直した。

空を仰ぐとザーザーと雨が激しく降っている。

雨の中を歩いて行くしかなかった。

雨が止むまで待つことはできなかった。

雨は土砂降りだった。雨はばしゃばしゃ降っている。

多美子は土砂降りの中を歩いていく。

多美子の一張羅の、すえた匂いのするセーラー服がびしょ濡れになる。

それでも、多美子は歩く。多美子はこの雨が、

少しでも多美子のすえた匂いを洗い流して、伯父さんが、

多美子の体を求めてくれればいいなと思う。

晴れていれば乾いた多美子の体がすえた強烈な匂いを発して、

門前払いされてしまうかもしれない。

土砂降りの雨でよかったなと多美子は思う。

読んでいただきありがとうございます。ご意見ご感想を聞かせてくれると嬉しいです。

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