目次 次へ 1/3 プロローグ ー風の音って、嫌い。 秋。もみじが赤く染まるこの季節、暖房の効きすぎた部屋に1日中閉じこもっている私に言えるような台詞じゃないけど。 でも、部屋にいても聞こえてくるほど強い今年の凩は、やけに私を哀しくさせた。 冬が来るのかって。秋は終わってしまうんだって。長い冬のはじまりを無闇に逃げる自分に苛立ちながらも、なんとなく胸が締めつけられるような気がした。 何かを思い出すかのように…。 別に、何を思い出すわけでもないのに。