第一話 歓びの儀式
ちょっとおっちー、間違った情報流さないでよね!
あ、ごめんなさい。私は、この作品の本当の作者、カリン・アドワーグよ。
この小説は私が書いたんだけど、私は日本語わからないし、おっちーのいる世界の住人でもないので、一応おっちーを作者、ってことにしておいてあげてるの!
なんでこの前書きは書けてるのかって、細かいことは気にしないでよね! ほんとのこと書くと、ややこしいから。
そうそう、前のお話でおっちーがあとがきに書いた内容が間違っていたの。このあと第一章『旅達』に続くとあったんだけど、実は第0章があるのよね。その第一話を、これから皆さんに読んでもらうわ。よろしくね。
どこまでも青く澄んだ空。眩しい光を届ける太陽。一面に青く染まったキャンバスの上に、白い点がいくつも飛び込んでくる。十羽ほどの白い小鳥が、編隊を組んで飛んでいた。「私」は鳥のうしろを追ったあとで、視線を下方に移す。すると一面に広がっていた森が、ポツンと途切れる区画があった。その区画に上空から近づく。茶色い地面と、碧色の屋根が目に入る。屋根のてっぺんには、十字架が掲げられていた。
そこはウッドプールの村。スカイシアン大陸の南にある、広大な森に囲まれた小さな村だ。建物は村の教会である。
教会の周りには、色とりどりの衣装をまとった人たちがいる。口々に「おめでとう!」と扉の前に立つ二人に声をかけている。照れながらも言葉に応えるふたり。ワイワイザワザワの喧騒が、この日の村を包んでいた。
いつもは静かなその村。けれど今日はお祭りのような賑わい。子供達が村中を走り回る。大人たちもこの日ばかりはと、あえて注意をしない。すべての村人が、笑顔だった。
それは、この夫婦になったばかりの二人が通ってきた険しい道のりを、全員が知っていたから。彼らの苦労とそれを乗り越えた努力とその結実に、敬意とお祝いの意を表したかったから。だから村中の一人残らずが、笑顔にあふれていたんだ。
いちどすべての望みを絶たれた男は、ギリギリの淵で女によって救われた。そして女は男に、これから進むべき道を示してもらった。互いが互いの人生を蘇らせたんだ。
そしてこの日、二人は人生のこれからをより合わせ、結んだ。
女の身体の中には、未来への種が息づいていた。それは、全ての人にとっての大きな『希望の種』になる。
本当の作者のカリンよ。
第一話、どうだったかしら?
まだまだ話も先が見えないし、全然展開もこれからなので長い目で見て欲しいわ。そしてもし何か心に触れるものがあったら、遠慮せずに感想をくださいね。
じゃあ、あ、おっちーに最後は絶対これで締めろ、って言われたからイヤイヤながらこの言葉で締めます。
バラ、ナイ。
おっちーやっぱりこれじゃ締まらないよー!