第ゼロ話 プロローグ
星は巡る。一度見えなくなってもいつかは必ずまた出会う。これは星に遊ばれる二人の魔法使いの物語。
私はプラム・メメント。町の外れにあるお屋敷に住んでいる、魔法使いで17歳の少女。この世界は魔法が普通に存在する世界で、私は世間からは大魔法使いと言われている。私はお屋敷にある図書館に引きこもりがちで外の情報には少し疎いが、その分知識は誰にも負けないくらいにはある。そして私にはある悩みがある。それはある人物の持つ魔法について全く分からないということだ。その人は幼いころに私を助けてくれた恩人で、残念なことに名前を覚えていなかった。なので私は彼を「星のお兄さん」と呼んでいる。彼の使っていた魔法を調べるために、私は図書館の魔法に関する本は全部見た。ほかにもあらゆる記録だって見漁った。なのに、一つも引っ掛からない。そもそも私が探している人は本当にいるのだろうか。実は自分の妄想や夢の内容だったのではないか。そう考えていた。
「なんでこんなに見つからないのよ...本当にあの人はいたのかしら?名前くらい覚えておきなさいよ...」
そう言って私は本を閉じ、棚に戻した。
そんなことを考えていたある日、メイドから門の前に誰かが倒れているという報告を受けた。私はお屋敷の当主として、一人の人間としてそれを見過ごすわけにもいかず、門に向かった。そこには一人の青年が倒れていた。見たところ20歳くらいだろうか。だが、随分とやつれている。何日もまともな食事にありつけていなかったのだろう。ここまで酷い有様だと何かあったに違いない。私は魔法で青年を客間に運び、ベッドに寝かせた。そして、傍に椅子を引き寄せて座り、青年を改めて観察した。右手の人差し指には青い宝石がはまった金の指輪が付いていて、どこか神聖さを感じた。髪は銀色で先は少し青くて少し変わった人だなと思った。
「なんだろう...この人のこと、見たことがあるような...それに、私が探している人に似ている気がするのよね...」
私は小声でそう呟いた。だが静かな客間にはよく響いたため、青年が身じろぎをして目を覚ました。
「んっ...あれ、ここは?」
青年の金色の目が私を捉えた。私を見るその瞳は少し潤んでいた。
それが運命の歯車が動き出した合図だった。
読んでくださりありがとうございます。初めて書いた小説ということもあり、なかなか難しいところも多かったですね。この作品はある日突然頭に構想が降ってきたのを小説にしたものです。この後書きを書いている時点では、それなりに内容が出来ているので随時更新予定です。ぜひ、お楽しみに。




