あとがき
ここまで『魔剣』を読んでくださり、本当にありがとうございました。
最後に少しだけ、この物語を書いた人間の話をさせてください。
ことの始まりは、30年前――
自分の頭の中にあった妄想を、形にしてみよう。
そう思って、ノートの裏に落書きのように書き始めたのが、この物語の発端でした。
そのうち、なんとなく設定らしきものができてくると、今度は文章にしてみたくなり、ワープロを引っ張り出して打ち始めました。
ただ、その時は長続きせず、途中で挫折。
まあ、気まぐれで始めたものなので、そんなもんですよね(笑)。
それから時は流れ――
生成AIというものが誕生し、私自身も仕事で使うようになりました。
そんなある日、ふと思ったのです。
あの時の主人公……シア。
彼女を画像にしたら、どんな感じかなぁ……。
やってみました。
めっちゃテンション上がった自分がいました(笑)。
そして、こう思ったのです。
あれ?
これ、AIさんの力を借りれば、仕事をしながらでも書けるんじゃない?!
……気がつけば、こんな長編になっていました(笑)
けれど、30年前に考えていた物語を、そのまま書いたわけではありません。
30年前には考えもしなかった「人間の選択」について頭を悩ませながら、一人の読者としても納得できるところまで考えて、書いたつもりです。
◯書きながら考えていたこと
色々考えさせられました。
仕事より頭を使ったと言っても過言ではありません(笑)。
シアは、どうして孤児になったの?
エルはどうして、こんな人なの?
ルキウスは、何を見てきたの?
プリンスローズって、結局何なの?
そして――
タイトル『魔剣』。
……魔剣とは?
そんなことを、日々延々とAIさんに相談していました。
そして、自分自身が納得できる状態になるまでは、書かない。
これが一番大変でした汗
きっと、世の多くの作者様から見れば、
「何を今さら」
と言われることでしょう。
でも、ちょっと小説を舐めていた自分にとっては、まさに鉄槌でした汗
とにかく、こだわったのは「自然さ」です。
この展開は、自然か。
この台詞を、この人物は本当に言うのか。
この行動を、本当に取るのか。
この出来事と、この出来事の間には、ちゃんと時間が流れているのか。
一つひとつ、そんなことを考えました。
私がやりたかったのは、もしかすると、昔話のようなファンタジーだったのかもしれません。
ヴァルフォードという国家が、中世のどこかの地方に、本当にあったかもしれない。
プリンスローズという剣が、実は存在したかもしれない。
もちろん、本当はありません。
でも――
本当にあったような気がしてくる。
あっても不思議じゃない。
そんな世界を目指して、ここまで書いてきました。
たぶんこれは、自分が作品を書くうえでの「核」のようなものなのだと思います。
これから先、別の物語を書くことがあっても、きっとそこだけは変わらない気がしています。
◯最後まで読んでくださった方へ
本当に、感謝しかありません。
実は投稿を始めてから、ずっと引っかかっていたことがあります。
自分では、この作品は後半の方が勢いがあると思っています。
だからこそ、
「そこまで辿り着く前に、読むのをやめられてしまったら悔しいなぁ……」
と、ずっと思っていました。
でも、今この文章を読んでくださっているということは――
私が一番伝えたかった、この物語の山場を越えて、ここまで来てくださったということ。
シアやエルの選択に、共に悩んで、一緒に歩んできてくださったということ。
そして最後、エピローグの彼らを見て、ほんの少しでも目を細めてくださったということ。
もう、それだけで胸がいっぱいです。
あとは外伝の方も読んでいただき、笑っていただけたら、思い残すことはありません(笑)。
ここまで来てくださって、本当にありがとうございました!
◯あなたにとって、「魔剣」とは?
最後に、一つだけ。
この物語を最後まで読んでくださったあなたに、聞いてみたいことがあります。
あなたにとって、「魔剣」とは何でしたか?
これね。
最初に言ってしまうと、答えはないと思うんです。
というより――
私自身、答えを決めたくありませんでした。
初めから、読者の皆様と一緒に考えたかった。
もちろん、私には私なりの考えがあります。
だから私は、それを『魔剣』という物語の形にして、あなたに手渡しました。
それをどのように受け取るか。
そこから何を考えるか。
それは、あなたのものです。
「私は、魔剣って○○だと思いました!」
いつかコメントなどで、そんな言葉をいただけたら、
作者として、これ以上幸せなことはありません。
次回作では、この物語をもう少し続けたり、広げたりしていけたらと思っています。
きっとその時も、私は答えを説明しません。
何も言わずに、一つの物語をそっとあなたに差し出します。
だから――
また、一緒に考えましょう。
そういう作品を、これからも作っていきたいと思います。




