表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夜の街で、後輩の巨乳美少女をナンパから助けたら、俺の家まで恩返しにきて、父親の遺品の白鷺城を組み立て始めた件。  作者: きたみ詩亜


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/8

第8話 休日と、閉じた襖

 日曜日。


 目を覚ますと、家の中が静かだった。


「……紫鶴?」


 台所にも、リビングにもいない。


 和室の襖だけが、閉まっている。


 ※


 昼過ぎ。


 俺は買い物袋を提げて帰ってきた。


「ただいま」


 返事はない。


 和室の前に立つ。


「……出かけたのか?」


 襖に手をかけて、止める。


 覗かない約束は、もう必要ないはずなのに、なぜか躊躇した。


 ※


 しばらくして、襖が開いた。


「……先輩」


 紫鶴が、ゆっくり顔を出す。


「どうした?」


「……ちょっと、考え事です」


 そう言って、和室に戻ろうとする。


「……城、完成しただろ」


「はい」


「なら、今度は何を作ってるんだ」


 紫鶴は、少し困った顔をした。


「……何も」


「……?」


「ただ……ここに、座ってただけです」


 畳に目を落とす。


「……静かで、落ち着くので」


 ※


 昼飯は、簡単な焼きそばだった。


「学校、どうだ」


「……普通です」


「噂は」


「もう、あんまり」


 箸が止まる。


「……でも」


「?」


「帰る場所があるって、言えないんです」


「……」


「先生にも、友達にも」


 紫鶴は、麺を見つめたまま言った。


「言ったら、なくなりそうで」


 ※


 午後。


 俺は白鷺城が載せられた机を拭いていた。


 ほこりが溜まりやすい。


「……綺麗ですね」


 紫鶴が後ろから言う。


「父さんが好きだった」


「……分かります」


 城を見る。


「形があると、安心します」


「……形?」


「完成してるって、証拠だから」


 少しだけ、声が震えた。


 ※


 夕方。


 紫鶴は、急に制服に着替え始めた。


「……出かけるのか」


「はい」


「どこへ」


「……ちょっと」


 リュックを背負う。


「すぐ、戻ります」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ