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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第三章:強者は集う、己の野望が為に
55/74

大好き!(ちょっと重め)

「あんた、未来が見えるんでしょ?」


「.....よく分かるもんだな。察しが良いのか、それとも君の神術による直感なのか。まあその話はいいや。レイシャちゃんが言ったように、俺は未来が見える。それもレイシャちゃんみたいな直感みたいな感覚じゃなくて、より鮮明な未来がな。」


 未来が見える。その力がどれほど強力で非現実的なものであるかはこの場にいる誰もが理解していた。


「ウィリック、だっけ?その、未来が見えるっていうのはあんたの神術ってことでいいのか?」


「ファルタ、仮にもこの人は王国守護攻略者の身内の人だ。もう少し敬意を示しといたほうがいい。」


 王国守護攻略者は立場だけで見れば国王の次にくらいの高い存在であり、王族か、上位層の貴族でなければ上の立場につことができない。


「いいよ、俺なんか名前だけの弱っちい存在だからな。姉さんみたいに特別強いわけじゃないし。ここ最近はあんまり会話もしてないし。誕生日にもお互いに会うことすらできなかったからな。俺、嫌われてるんじゃないかな.....」


 それはただ単にリーベが忙しいだけなのでは? と、その場にいた4人は思ったが心に留めておいた。


「それで、そこまで見えてるかって話だったね。今は大体1日くらい先までは見えるよ。ちなみに、君の顔は殆ど見えてない。」


「.....そうか。」


「それと、ファルタくん。俺の未来を見る能力は神術じゃない。だからそんなに特別な能力でもないんだ。」


 ファルタは目を見開く。未来を見るなんて当然普通の人間ができる芸当ではない。通常ならば、それが神術による能力であると考えるが、そうではないらしい。


「.....?神術じゃないならなんだってんだ。」


「呪いだよ。」


 ファルタの問に、ジェイドが食い気味に答える。


「呪い?じゃああんたは未来を見ることができる呪いを受けてるってことか?それじゃ呪いっていうより加護だろ。」


「まあ未来を見るだけならそうなるだろうな。そうだな.....ファルタくん、片手で何でもいいから数字を表してみてくれないか?」


 それが呪いとどういった関係があるのかわからないが、大人しく指示に従ってファルタは左手の指を三本上げる。普通の人が見れば『3』を表していると捉えられるが。


「う〜ん、『5』かな。」


「「「えっ?」」」


 ファルタ、エルナ、レイシャは同時に気の抜けた声を上げる。誰が見ても『3』を表しているようにしか見えないファルタの手を見たウィリックは、どう見ても見えない『5』と答えた。


「これで、俺の言いたいことが分かったか?」









「あんた.....目が見えないのか?」



ーーーーーーーーーー


 一次審査終了まで残りわずかとなったタイミング、混合迷宮の様子を観戦していた王国守護攻略者の面々とは緊迫した状況の攻略者たちに興味津々になっていた。1人を除いて。


「リーベ、何かあったのか?」


 先程から攻略者たちを見ているリーベの顔が、開始時点よりも暗くなっていた。その変化に気がついたラノスは心配の意を込めて声を掛ける。


「え?あぁ、別に?終盤になってきて緊迫してきたなと思っただけですよ。」


「なーに言ってるんだよ。どうせ例の弟くんのこと心配になってるだけだろ。」


 レミエニの的を突いた発言にリーベは体をこわばらせる。どうやら図星であったらしい。


「リーベさん、弟さんがいらっしゃるんですか?そういう話はあんまり聞いたことがないですけど。」


「えぇ、5歳年下の弟がいます。といっても、実際には血の繋がりがあるわけではなく、義弟という立場ではありますけれど。今回の選別戦にも参加しているんですよ。ただ......」


「盲目なんだよ、こいつの弟。」


 その言葉を聞いたレセカとルミネイトは顔を伏せる。ディーレはどこで知ったのかあまり驚いているようには見えなかった。


「あぁ大丈夫ですよ、そんなに暗い顔をしなくても。ウィルく.....ウィリックも今の生活にはある程度慣れたらしいので。」


「まあ、そう緊張する必要はないさ。俺の空間移動で危険になったら美しく完璧に救ってやるさ。」


「うん、ありがとうございます、ルミネイト。」


 盲目になった経緯などについては、あえて聞かなかった。深く追求するのはリーベにとって苦しいことであるのはすぐに理解できたから。


「でも、盲目なのに何故選別戦に?病人なら攻略者にならなくてもそれなりに良い待遇受けれるのでは?」


 レセカは特に知りたい理由があったわけでもなく、ただ単に些細な会話のつもりで聞いてみただけだった。そのとき、リーベの中にあったリミッターが外れた。

 リーベの目は、以上に輝いていた。








「そこなんですよ!ウィルくんの良さは!」


((あ、まずい.....))

 

 唐突に大きな声でリーベは弟であるウィリックのことを愛称で呼ぶ。レセカはウィルくんが誰のことなのかは少し分からなかったがリーベの無駄に輝いている目を見て瞬時に弟のウィリックのことを指していることを理解した。

 リーベとの付き合いの長いレミエニとラノスは今にも逃げ出したい顔をしている。


「ウィルくんってば、私が何もしなくても楽して生きていけるように王国守護攻略者になって私の分もたくさん稼いでくれるって言ってくれるんですよ!私はもう王国守護攻略者だから生活には困っていないんですけれどね!それなのに私がどれだけ言っても攻略者として頑張るのをやめようとしなくって!もうその切磋琢磨頑張ってる姿を見たら応援したくてたまらなくなるんですよ!他にも、私が誕生日のときとかも生活だけで大変なはずなのにケーキやプレゼントもしっかり用意してくれて!しかも私が欲しいものを的確に用意してくれて!私は仕事であまり恩返しができてなくてもうつらい気持ちでいっぱいな日々なんですけれど!それだけじゃなくてですよ!ウィルくんってば、私だけじゃなくて仲間の攻略者の方々や見ず知らずの方にまで親切な対応しかしていないんですよ!どれだけ相手の方が悪い行動でも責任を負おうとするんですよ!私はいつもあったときにもう少し他人に厳しくしたほうがいいって言ってるんですけどねぇ!あとウィルくんのすごいところといえば体つきがすごいんですよ!できることはしておきたいっていって毎日トレーニングは欠かさずやっているみたいで!少し前に仕事が早めに終わったので家に帰宅したら上の服を脱いでいたウィルくんに遭遇してしまったんですよね。そしたらウィルくんの肉体美に感服して私入口で数秒くらい立ち止まってしまって!私もウィルくんも慌てふためいてしまったんですよ!もう恥ずかしくてしょうがなくなってしまって!あと他にも.....」


「「ちょっと黙れ!!」」


 弟への思いが抑えきれなくなってしまったリーベのことをラノスとレミエニが頭を叩いて静止する。若干涙目になっていたリーベであったが、正直リーベ以外の者の苦痛のほうが大きかったようにも感じる。


「.....悪いねレセカ。こいつ昔から弟の話し始めるといつもこうなるから。まぁそのうち慣れてくれればいいさ。」


 レセカ、ルミネイト、ディーレは普段からは考えられないリーベの行動にドン引きしながらも再び意識を選別戦に戻した。








ーーーーーーーーーー


「目が見えないって.....そんな状態で、攻略者なんてやってるのか?」


「まあ慣れちゃえばそこまで苦しいわけでもないからな。あと、盲目って言っても完全に見えないわけではないんだ。日に日に見えなくなってきてはいるけど今はまだギリギリ見えてはいるんだ。すごいぼんやりとしか見えないけど。」


 一応見えてはいるようだが眼の前の手で表された数字がわからないくらいには見えないようだ。


「呪いって言ってたけど、意図的にかけた呪いってわけじゃないんでしょ?そのレベルの呪いってなると高ランクの迷宮(ダンジョン)で受けた呪いっぽいけど。」


「あー、うーん、えーっと.....まあ、言ってることは合ってるんだけど。」


「いいっすよ、正直に言って。どうせいつか言おうとは思ってたことなんで。」


 過去に何があったのか言うのを渋っているウィリックだったがジェイドの許可をえたことで安堵する。しかし、ウィリックが言う前に、レイベルが食い気味に答えた。












「昔呪いをかけたんですよ、ジェイドさんがウィリックさんに。」

リーベはかなりのブラコンです。対するウィリックはシスコンです。リーベの文だけで700文字くらい使ってるんですよね。

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