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世界の終末が望むとき、神々は迷宮を制覇する  作者: 柊ヒイラギ
第一章:ギルド名『フィンブルヴェト』
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共同攻略

前回のあらすじ

副団長が決まったよ、後輩くんとの攻略開始

 ある程度の挨拶を交わして、2つのギルドはダンジョンに向かう。


「そういえばリタ、お前のギルドの名前って何?早いうちに聞いときたいんだけど。」


「はい、俺のギルド名は『トラスト』です。団長は俺がやってて、副団長はこっちの、」


「ミネルヴァ・アールデッドです。魔道士なので、エルナさんと同じ立ち位置の人間ですかね。至らないところもあると思いますが、よろしくお願いします。」


「あ、うん、よろしく。」(随分とかしこまった子だなあ)


 ミネルヴァの第一印象は知的な超優秀魔道士といったところか。普通にエルナよりも優秀に見えなくもない。ミネルヴァに続いて他の団員も各々名乗っていく。


「僕はエイジ・カッテス、両手剣使いです。」


「俺はレッカ・ヘイズ、拳闘家だ。」


「私はリルリカ・コール、回復中心のアシストやってます。作戦とかも立てるのは自分です。」


「オーケー、それでリタ、攻略するのはどのダンジョンなんだ?」


「はい、えーっとダンジョン名『グリトニル』、主は『フォルセティ』というダンジョンです。今までも攻略したギルドはいたので、攻略不可能ではありません、Cランクダンジョンですしね。ただ、ここ最近は攻略の報告がほとんどないらしいです。」


「ふーん、まあ攻略したって前例がある以上心配する必要はないかな。」


 なぜ最近になって攻略者が減ったのかは不明だが、このような前例がないわけではない。ダンジョン内の遺物が回収され終えたり、攻略者による情報提供が多すぎて後の攻略がつまらなくなったりなどの理由で攻略者が減ったダンジョンは幾つかある。


「リタ、あくまで今回の主役はお前たちだから、最低限はフォローするけどある程度は自分たちの力で攻略しろよ。」


「はい!当然です。」


 そうして話していると『グリトニル』にファルタたちは到着した。そのまま中に入っていくと思いの外魔物の数が多かった。


「数が多いな、なるべくまとまって倒していけ。」


「はい、みんな俺に合わせろ!連携無法『絆の糸(コネクト)』。」


「身体強化魔法、『巨人の怪力』。」


「切削無法、『神凪』!」


「旋風無法、『神風(ウルトラウィンド)』。」


「回復魔法、『命の恵み』。」


 リタが仲間同士の能力(ステータス)を共有し、ミネルヴァが攻撃力の上昇、エイジによる神術『切削(スライス)』、レッカによる神術『旋風(ウィンド)』で一気に敵を蹴散らし、削れた体力をリルリカの回復魔法で回復する。一見ただの合わせ技だが、連携力はファルタたちを優に超えていた。

 リタ、もといオリエンタが持つ神術は、周囲の仲間と思考や能力値を共有、譲渡などを行える「連携(コンビネーション)」。団長としての素質も高い神術と言えるだろう。


「ファルタさん、どうでしたか?」


「ん?あー、とりあえずお前らは連携という視点においては軍を抜いてる。俺等よりも断然優秀だ。」


 優秀という評価を受けて浮かれてしまうリタたち。しかしその感情を消し去るかのようにファルタが言う。


「ただ第一に個人の経験が圧倒的に足りてない。俺等もたくさんダンジョン攻略したわけじゃないから偉そうな口出せないけど、今回はあくまで相手が魔物だったからうまく行っただけに見えた。」


 ファルタの発言を聞いてリタたちの顔は曇っていく。周りを見ると、ジェイドたちもファルタの意見に同意の意志を示している。


「頭の中でイメージすることは大切だ。だけどイメージ通りに事が進まないのがダンジョン攻略だ。主は少なくとももっと賢い。とはいえ、お前らにも才能っぽいのはあったから、どんどん経験を積んでいけば十分強く慣れると思うけどな。」


「...はい!ありがとうございます!」


「俺たちで教えられることは教えるから、最奥行くついでにどんどん質問してくれ。」


 そうしてファルタたちは最奥の扉へ行くまで口頭でのレクチャーをすることにした。リタはファルタから、ミネルヴァはエルナから、リルリカはジェイドから、エイジとレッカはレイシャから指導を受けることになった。




「魔道士は味方の能力上昇魔法でサポートすることも大切だけど、それで仕事を終えたつもりでいないこと、後方からの攻撃支援や、自分に攻撃が飛んできたときにとっさに対処できるかも大切になってくるから、常に警戒を怠らないようにすること。」


「わかりました。ありがとうございます。」


 エルナにとってミネルヴァはほぼ同じ立ち位置の存在でありながら、年下でもあるため守ってあげたい感情が出てくる。


「あのエルナさん、一つ質問いいですか。」


「ん、何?」


「エルナさんってファルタさんのことどう思っているんですか?」


「.........はい?」


 エルナは質問の意味がわからなかった。ファルタをどう思っているかなんて考えたこともなかった。ファルタはジェイドとかと比べておっちょこちょいなところもあるが、自分に希望をくれたことを感謝しているし信頼している。


「頼りにはしてるよ、団長として至らないところがあるのも事実だけど、信頼はしっかりして」


「あ、そういうことじゃないです。」


 率直な感想を言ったら否定された。


「私が聞きたいのは、ファルタさんを団長としてじゃなくて異性としてみたときにどう思うかの話です。」


「......え、え?私がファルタを異性としてどう思っているか?えーーっと......」


 エルナは考える。確かにファルタは顔立ちはかっこいい方だと思うし背も決して低くはない。荒々しいときもあるけど自分を仲間として信頼してくれている。


「それは......えーっと、なんて答えればいいの?」


「簡単に言うと、エルナさんはファルタさんのことが好きなんですよね?」


 エルナの思考が停止する。ミネルヴァの言っていることが理解できなかった、いや理解しようとしたくなかったのだ。


「へ!?私がファルタのことを!?好きかってこと!?......え、なんでそんな事聞くの?」


「え、いやなんとなく周りから見てるとそんな感じするなーって感じがしたんで思い切って聞いてみました。」


「私が...?ファルタのことが......好き?」


 エルナは考える、自分はファルタのことが好きなのではないかと。そう思いファルタの方を見てみる。自分が好きなのではないかという疑念を抱くと同時に鼓動が早くなっているのがわかる。エルナは確信する。


「私は...ファルタのことが...好き....かも...」


「なんで疑問形なんですか。」


「...私は...ファルタのことが...好き...です...」


 あとでミネルヴァの財布からお金でも取ろうかと考えるエルナであった。


「まあ当の本人は気づいてなさそうなんで大丈夫だと思いますけど。他の人も気づいてるのはジェイドさんぐらいじゃないですかね。まあ今まで自覚なかったのがある状態になったのでバレやすくなったかもしれにですけど。」


「ジェイドは気づいてるんだ......というかミネルヴァはよくわかったね。」


「まあエルナさんと()()()()()()()ですよ。団長が好きなところとか。」


「え、あ〜そういうことなんだ。」


 





エルナがいつ自覚持つのかはもう少しあとにしようとも思っていたんですけど少し早めました。あとホントはこの話でダンジョン攻略完了まで行く予定でもありました。

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