勝つためだったら何でもやる
前回のあらすじ
レイシャが仲間になりました
レイシャとの戦いの翌日、ファルタはレイシャとの戦いの結果に若干不満を持っていた。
「なんでそんなに機嫌悪いのよ、勝ったんだから良いじゃん。レイシャもギルドに入ってくれるって言ってるし。」
「だって俺はレイシャの降参発言聞いてないもん。レイシャの攻撃受けたあとからほとんど意識なかったし、気づいたら朝になってて勝ちですよーって言われてもあんまり納得いかねえよ。」
昨日のファルタの行動は、最後の方はほぼ無意識の状態での攻撃であったため、後半に関してはほとんど記憶にない。しかし実際はファルタの行動恐怖したレイシャが降参したので、結果はファルタの勝ちである。
「まあ結果良ければいいじゃん。お、ちょうど戻ってきた。」
ジェイドとレイシャは、ギルド本部にてレイシャのギルド入団の手続きを行っていたのだが、無事終了して宿屋に戻ってきた。本来なら団長のファルタが行くべきだったが疲れて動きたくないと言うのでエルナをお守りにしてジェイドと行ってきたわけである。
「初めてギルドに入ったけど、団長がこんなんでこのギルド大丈夫なの?」
「まあファルタもやるときはやるやつだ。やるときしかやらないが。」
「褒めてんのか貶してんのかわからない発言はやめていただきたいねー。」
「でもジェイドのほうが容量良さそうじゃん。副団長じゃなくて団長やれば?」
レイシャの何気ない発言に、場の空気は一瞬固まる。『フィンブルヴェト』の団長は知っての通りファルタ・レイリオである。では副団長はと言うと......
「そういえば、このギルドって副団長決まってるの?」
「え?ボクはてっきりジェイドが副団長なんだと思ってたけど。」
「俺は別に副団長じゃない。特に指名された覚えもないな。」
そう。このギルド、副団長が決まっていないのである。どのギルドも全体をまとめる団長、そして団長を支えたり団長が動けない状態の場合に団長の仕事を代わりに行ったりする副団長がいる。副団長に至っては 正式な登録が必要ないがいたほうが何かと便利なのでどのギルドも基本的に団長、副団長は決めている。
「副団長くらい決めといたほうが良いんじゃないか?決めるの面倒くさいしファルタ決めろよ。」
「え〜、別に誰でも良いんだよな〜、みんな別に優秀だし誰がやっても文句はねえよ〜。」
そう言って副団長決めをやろうとしないファルタ。仲間を信頼してなのかはたまたやる気がないのか。
「なら俺が一番優秀だから俺が副団長をやればいいな。お前らもそれで文句ないだろ。」
「え、何その上から目線の態度、まるで私達が無能みたいな言い方ムカつくんだけど。」
「俺は事実を言ったまでだ。それとも不満か?俺より強い証明ができるんだったらしてみろよ、ん?」
やっぱり薄々気づいていたけどジェイドとエルナって仲悪いよね?
「ふん、いいわ、副団長の座をかけて勝負と行こうじゃない。勝負は先にCランクダンジョンを攻略したほうが勝ちね。」
「上等だ、受けて立とうじゃねえか。」
「え、何々ボク抜きで面白そうな話ししてるのさ。ボクも混ぜてよね。」
ジェイドとエルナの争いにレイシャも混ざって戦いに入ってきた。この調子だと明日には副団長が決まっているだろう。
「んじゃ俺は適当に一日過ごすからお前らだけで頑張ってね〜。」
ファルタは3人をおいて宿屋を出る。一人ですることもないのでとりあえず本部にでも行ってみることにする。
「にしても暇だな〜。Dランクでも一人で行こうかな、でも昨日の疲れが残ってる状態で行くのもな〜。」
「あの、ファルタ・レイリオさんですか?」
ファルタが何をしようか悩んでいると後ろから声をかけられた。声をかけてきたのは見たところファルタよりも幾つか年下の少年だった。声色的にもおそらく12〜13歳程だろう。
「えーっと、俺はファルタであってるけど君どっかで会ったことあったっけ?」
「あ、すみません初対面です。俺はオリエンタ・カスラートっていいます。仲いい人はリタって呼んでるんでそう呼んでくれて結構です。」
「了解、そんでリタ、俺になんか用か?見たところ攻略者初心者って感じか。」
「はい、俺はついこの前ギルド登録をしました。とはいえ最初のダンジョン攻略したときに自分の弱さを実感しました。」
「まあその年齢で攻略者やってるとか稀だしな。」
一般的に攻略者になるのは16歳前後が多い。しかしリタのような年齢でなるものも決していないわけではない。
「そこで、えっと...単刀直入に言うと、ファルタさん、俺と一緒にダンジョン攻略してくれませんか?」
正直ファルタは驚いた。なぜ俺に頼んでくるのかわからなかったからだ。
「えーっと、なんで俺?別に俺以外にもっと強いギルドならあるだろ。そもそも一緒に攻略しようとするいともよくわからんし。」
「俺は、あなたに憧れてギルドを作りました。最初のダンジョン攻略でソロ攻略を行ったのは、歴代であなただけです。俺はあなたみたいに、自分の誇りだと言える何かが欲しいんです。俺は今、最年少でのBランク以上のダンジョン攻略を目指しています。なので間近であなたの動きを見て参考にしたいんです。」
「なるほどな、まあいいよちょうど暇だし。ただ明日でいいか?今俺疲れてるし、団員も出しゃばってるからさ。それでもいいならいいよ。」
「はいそれで大丈夫です。ありがとうございます!じゃあ明日、本部の前に集合でお願いします!」
リタとはそこで別れて、ファルタはそのまま宿に帰った。宿に帰ると、3人の声がした。どうやら勝負の決着がついたらしい。
「おいエルナ!てめえ真剣勝負するつもり最初からなかっただろ!」
「え?なんのことか分からないなあ、ごめんごめん私ジェイドより馬鹿だからさ〜ハハ、おもしろ。」
「大部屋に誘い込んだ後にあたかも主みたいなやつと戦わせたのに結局そいつエルナが呼び出した精霊だったじゃん!ボクたちのこと騙して自分は勝手に一人で主倒しに行くしさー!」
ジェイドとレイシャに何を言われてもエルナは気にしている様子はない。
「お前らそんなもんにしとけ、結果は結果、副団長はエルナで決定な。」
勝負に不正まがいな事があったのかもしれないが、まあ勝ったのはエルナなので素直に結果通りとすれば良いだろう。
「あとお前らに伝言、明日だけどダンジョン攻略に行く。リタっていうギルドが俺等を参考にしたいって言ってたから、変なことすんなよ。」
ファルタの説明を聞いて了承した3人はその日は軽く準備をして寝ることにした。
「ファルタさん、おはようございます。」
「ん、おはよ。」
翌日、朝の8時ごろにギルド本部前に集合した。見たところリタのギルドはリタ含めて5人組らしい。
「それでは行くとしましょう。よろしくお願いします!」
本当は副団長決める話とリタの初登場は分けようと思ってたんですが面倒くさくなったので混ぜました。エルナはもしかしたら腹が黒いかもしれない




