ヴェスタとの別れ
◇
ーーーーっっっっ。。。。
地震の影響か...、億は何故か白い空間に
倒れている・・・。
畜生…。死んだのかーー?
倒れている場所の視界から、手前に人の
足元がみえる・・・。
(さっきの爺さんの足か...?)
俺が異世界にきたんじゃないのか…?
最愛の彼女がいるのに、サッカーが上手いが
故に呼ばれたというのかーー...?
( 畜生ーー...‼︎ )
俺は地面に手をつき、立ちあがると。
目の前に、、あの仙人のようなひげが白く長いお爺さんが立っていた...。
「お前さんをワシがスカウトしよう。」
―― 褒められてはいるのだろう。
こちらをすこし見上げて物を言う態度に...、
悪意のようなモノは感じられないわけだが。
「はっきりいって、彼女と別れた原因だけ謝って下さい。」
最愛の奥さんと今年、結婚してんのに。
元親友の和也を追い込む形になってしまい、式に出席不能な状態にまで関係を
悪化させたことを、
酷く後悔してはいるわけだが...。
「そんなん生きてるから、気にしたらアカンよ」
ぼーっとしたように一言。
ん....。。
「あの、ほどほどにしてください。ヘルメス様。」
眠そうな顔で俺にそう呟いた目の前の仙人の
後ろから金髪の美少女が現れる…。
( この爺さんの名前はヘルメスなのか・・・?)
それなら、彼女に自慢できるくらいファンタジーの世界では、かなり有名な神様のはず...。
「うん、君は有名でな。友達の代わりにきたんだけど…、能力をあげよう。」
ゴゴゴッ↑ゴゴッ、ゴゴゴ↓ゴゴッッ‼︎
「ちょっと...‼︎悪ふざけはやめてください。」
空間一体が揺れ動き、震度8――。
懐からキャンディを取り出したかと思えば、
地面にヒビが入り、空間が崩壊を迎えるかと思えば…、
妖精のような光が溢れだし、俺の体内に吸収されていく…‼︎
(なんだこれ・・・。 )
「 そいじゃ、飛ぶぞ…。」
爺さんの何気ない
その一言のあと....。。
突然ドラゴン○ールのような瞬間移動を
させられる。
「 お前…、これ…っっ!!」
「 派手にやりすぎですよっっ!!」
あきらかに、予想外の行動だったため
興奮してしまう。俺と後ろの金髪の女神・・・。
むこうは、地団駄を踏むと。
さっきの過激な 体験について、俺の分まで
指摘してくれるが。
「とりま、座りたまえ…。」
この仙人のような、ヘルメスからは
反省の色は一切観られない...。
むしろ、連れてこられた。全体が真っ赤な、
中華風の部屋のなかに巨大なテーブルが出現。
満漢全席などが並べられるその席に座れば、
そのテーブルには...、牛丼が...。
□
「 この能力でだいじょうぶだけど、お前は下に降りてくるん?」
あれから約30分…。
呼び出せば、すぐにきてくれはしたが。
「いや、降りるのは。たまにのつもりだけど。
結婚したいのか…?笑」
"大好きだった初恋の彼女と瓜り二つのナイスバディが欲しいのか?と。"
こちらの核心をつくような台詞に、
ちょっとだけ。ナルシストがキモいと思い。
「 その喜び方、本人と似ているけど。
死ぬほど鼻息荒そうで気持ち悪いぞ…。」
ピカチュ○とブリブリ座衛門が大のお気に入りだった結奈の話だが。後者のほうは県民アピールも含 めての話だったが。
「鼻息荒くていいだろ〜w」
のドヤ顔には、微妙にかぶせて。
「ゴールパフォーマンス、尻振りにしたら?」
「死ね!!できるかっ!!バコンッ!!」
最年少に選ばれた勢いで奇抜にいきたい結奈
に脇パンを食らったのを思い出すがーー...。
むこうも、このイジりは気に入ったのか、
「www !! いいね!」
ほがらかな笑顔のおかげで、こちらも
二度目の人生へのやる気が沸いてくる・・・!!
NO.72『頭脳明晰』・・・一瞬で物事を理解する能力。
回数が打てて、それなりの応用力がありそうな
ものを選んだ――。
自分の成長にバフがかかる。才能タイプよりも
最終的には、自分に適正のある能力のほうが
伸びもよくて、突き抜ける武器になると思って
の判断だ...。
「そろそろ、行こうかな…。」
元気な笑顔もみれたし、
あんまり。長居してても仕方ない場所である。
「おぅ!かならず観てるからなっ!」
手をバシッとお互いで合わせたら、
そのまま、距離を置いて
魔法がかけやすそうなポジションをとる。
( 必ず楽しんでくれよな...。)
(かならず、世界を獲ってやる...!)
前世の不運や頑張りの分、必ず報われてほしい。
「頑張れよ!お前が世界一だからな!」
最後のメッセージを伝えて、旅立つ和也の
姿を目に焼き付ける...。
「おう!設定通り頼んだぞ‼︎」
しっかりと頷いて、呪文を唱えるーー。
ピシュンッ ーーー!!!