異世界への切符
△▽△▽△▽△▽
――「なあ……、俺にサッカーへの挑戦を再びさせてくれるのか?」
「…………正解!!!!」
お互いの準備が整ったところで、美穂から差し向けられた挑発的な問いかけにそう応える――。
『異世界物の』お約束のようなものであり、1番の解答だと思って、閃きで解答をしたが正解を無事に引けたらしい……。
「俺のやる気をみたのか・・・?」
続けざまに二の句を告げたが、思い返せば……不自然だったことも過去に幾つかあった。
「そうだ……。お前が再びやる気になるのをどうせなら待とうと思ってな――…?」
おそらく、お茶は店のルイボスティーだろう。
俺の1番のお気に入りのドリンクなわけだが――、高校最後の大事な大会で負けた日にも、
ここで1人。マネージャー達をさしおいて、その真紅で色鮮やかさなお茶を飲んだ……が、大事なのはプロ入りできなかったのは――、
………プロテストのほうは実力で落ちたのかよ……。
「プロ入りできなかった選手たちを探し集めていたら、ちょうど『天才』に埋もれたお前がいてな……。」
一応、大会を観にきてくれて決めたのは嬉しかったが………!!
『そう、あとさっきの疑問だけど。やっぱり急にいなくなりそうな上に、周りをヘタクソに魅せそうなヤツ入れられなかったらしいよ!』
ちくしょう!!!
矢継ぎ早に様々な情報が届くなか、そう思ったのも束の間……、俺を知ったのが中学2年の夏の大会ときだっていったら、
かなりの時間が経っているじゃねぇか………!!
大成した龍に潰された才能を探したねえ。話はわかるけど……、
「はっきりいって、レベル低くないか……?」
『いや、別にそんなことないぞ?まー、お前が私的に1番のお気に入りではあるけどな……。』
コップのルイボスティーを飲みながら笑顔でそう告げるが、俺のポジションはトップ下なのか――?
「ポジションは変更しているけど、8番がいいのか――?」
【8番】サッカーのボランチでピッチを縦横無尽に駆け回り、ボールを運んだり。創造性のある攻撃をしてほしいプレイヤーが多く選ばれる背番号。
「いや――、やっぱりトップ下で勝負してほしいなって思う‼︎――間違いなく私のなかのベストメンバーでいけば、お前のその能力がトップ下にくると思ってる……‼︎」
断固とした表情でそういい放つが……、
先程観たテレビからしてみれば、あの16歳(ブラジル代表)のように優秀な8番のほうが現代的に貴重だと思うんだが……?
と思ったのも束の間。
『オフ・ザ・ボールの動きもそうだが、トー○スミュラーだろ?プレスリーダーの役割が抜群に合ってた‼︎ それに、あの決定力の高さ!間違いなく本家に勝るぞ!!』
(確かに結構なレベルで調べあげられてるみたいだし、ちゃんとスカウトされてるんだな……。)
確かに……、俺がお手本にした選手だが。
高校卒業のときにでも獲れば、
ブンデス1部でだって、余裕で活躍できるくらいの自信があったんだけど。
スカウトするの遅くね――……?
◇ 検索かけて初めて観たのが、→中学2年の夏の全国大会を賭けた準決勝。
◇ その頃→高校2年の秋でちょうどプロテスト直前の時期。
現実に影響がでない上に、
高校卒業まで本当に美穂にゾッコンだったけど。
流石にあんな――……、、「隕石に燃やされる」目にあって、文句をいうことがあると思うのか……?
(4年越しはアホ過ぎねぇーーかぁ?)
「お前死に時間空いてるやん!!そこまで大事なことか……!?」
「ああ……、はっきりいってお前には死ぬほどサッカーをこれから愛してもらいたいからな。」
たしかに、サッカーを辞めて後悔した。
ただ……、反省エネルギー?って、
俺みたいな――、ストイックなヤツにいるか……?
(最高の環境をくれるって話だろ………。)
ここにいる俺は魂の1部だけ連れてきた状態で、現世では特に何の問題もなし。
俺はしっかり活動してるで、
おそらくは比奈のほうとくっつくらしいと。
「こういうこと、教えてくれてありがとな?」
明るい雰囲気で、テンポよく会話が進む……。
ちょっとだけ、気にしていた問題に答えて
くれたお礼をひとまずいうが、
いい……そんなことより!!と話を切り替え……、
『サッカーの世界でのリトライ。全力で応援するつもりがあるからな……?w』
渾身の念押し……‼︎
「 最高の環境での『転生』だろ?当たり前だろ!!」
異世界能力もくれるっていうが、絶対に最高な物を選んで俺がバロン○ール獲ってやる……。
エールをもらいながら、ルイボスティーをいれて。しっかりと火がついた野望を語り。
渇いた、喉に一口啜りながら美味しさに浸る。
◇
しっかりと想いを伝えきれているが……。
やっぱり。和也にはバロン○ール目指してほしいな!!
そう思うのは、自分が発見したなかで1番の
最高傑作になってくれそうだからだが、
『マジ本当にカッコいい…………!!!』
美穂の魂の1部を勝手に貸りてるのもあるけど、
黒髪で細身。
身長は184㎝。
尚且つ、サッカーが抜群に上手くて
顔までイケメンときている。
和也で盛り上がった話を皆に話したのがきっかけで『蹴球戦争』をやることになったから、
わざと本気だして。
大本命として1番目に誘ってみたけど……、
ジッ…………。
綺麗な芝生に2人きり。
やっぱり、照れてしまうかもしれないし
美穂の姿で会ってよかった……。
わりと瓜二つの姿だったりするけど、
デート気分で脈ありなのがバレたらハズいし、
今日会うのは、これぐらいにしとこう――。
滅茶苦茶、皆本気だしてきてるし。
贔屓が過ぎたら……、
人によってはモチベーションを落とすプレイヤーがでてくるかもしれないから深追いは
しないときめたのである……。
◇
「ヴェスタ‼︎能力を選んで終わったぞ!」
ようやく、1時間ほど悩んで決定を下したが。
行き先が、サッカーで国や個人。全ての偉さが決まってくるような場所である。
そんな魔境で世界1の称号の【バロン○ール】
に挑戦するわけだから、
死ぬほど迷ったわけだが……、
今なら自慢できる……!!俺に合った最高の能力・・・!!!
パッッ………。
何もない空間からヴェスタが到着した。
「どうだ……??どんな能力にきめた!?」
サッカーが大好きなわたしからしても、
和也ほど完成されたプレイヤーはほとんど
観たことがなかった……。
――『未完成』であの向上心とテクニック。
本当に世界一のチームに行くなら……、
和也なら私たちが『蹴球戦争』をやっても、
ちゃんとバロン○ールを掲げるかもしれない――
。
○○○○○………。