晩夏
昨夜遅くから降り始めた雨のおかげか、今朝はだいぶ涼しい。
梅雨明けから続くの猛暑日のせいで寝起きはいつも汗だくだ。
しかし、昨夜は窓を閉めて寝たにも関わらず、今朝は寝汗をかいていなかった。
窓を閉め切った部屋の空気はどんよりと重く息苦しい…
そう感じるのは、数日前から続く「この感情たち」のせいに他ならない。
嫉妬、、切なさ、、失望、、愛情、、期待、、
心がざわつく…いろんな感情が湧き上がって整理が付かない
いつぶりだ…こんな感じ
恋をした…18歳の少女に
部屋の窓という窓を開けると、少し湿った風がそっと流れ込んで来る。
雨上がりの地面の匂いがした。
窓際に立ち、流れ込む風に顔を向け、ゆっくりと大きく深呼吸をする。
『 気持ち…いいなぁ… 』わざと声に出してみる…すると、ほんの少しだけ心が軽くなった。
もう一度、深呼吸…目を閉じ、大きく息を吐き、ゆっくりと吸う…してみる
先程よりも濃密な湿った空気を感じ取れた。
南の空には盛夏を思い起こさせるような積雷雲が真っ直ぐに立っていた。
『 この調子だと今日も夕立ち来るな 』
『 そうだよ。さっき天気予報で言ってたじゃん。だから早くお洗濯したいの! 』
『 はーい。じゃあ、朝ごはん作るかな 』
『 ご飯が良いけど、パンがあるからパンにして…それと作りすぎないでね! 』
積雷雲を見ながら、彼女との会話を思い出し、能面みたいだった顔が少し綻んだ
少し…ほんの少しだけど
この数日、胸の中を掻き回し、絡まった糸の様な感情も少しは解けたように感じた。
もうしばらく風に吹かれていたい、、、そう思い窓際に立ち空を見上げる。
すると、期待に応えるように、風は止む事なく体を優しく撫で続けてくれた。




