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300年前の魔術師  作者: 卯月木蓮
第2章 幼馴染みと竜の卵
6/20

第6話

短めです。

ユートです。7歳になりました。

現在、かなり大変なことになっている。


原因は目の前にいるお父さん。

木剣を中段で構え、殺気を放っている。

いつもの穏やかな雰囲気は

今のお父さんからは微塵も感じられない。


何故このようなことになったのか。

それを説明するには時間を少し

遡ることになる。



ーーーーーーーーーー


「ねえねえ、お父さん」


リビングでお茶を飲んでまったりしている

お父さんの声をかける。


「うん?どうした、ユート」

「森に行きたい!」

「1人で?」

「うん!」


さすがお父さん、わかってる。

僕はかねてから

近くの森に行ってみたいと思っていた。

我がローレンス領は、北はルキオン帝国

との国境、東は山にがあり、

南は麦畑が広がる。そして、

西には僕が行きたいと思っている

魔物が住む森がある。

うちの村と森との距離は

大人が歩いて10分程だ。


「どうしても?」

「どうしても」

「さて、どうしようか」


お父さんが顎に手を当て考え込む。


「そっか、ユートも男の子だしね。

 ちょっと早い気がするけど

 そろそろ始めてもいいかな?」


どうやら答えが出たようだ。


「よし、ついておいで」


そう言ってお父さんは庭に向かう。

先に庭に出たお父さんに追いつくと

その手には2本の木剣が握られていた。


「まずは森に行く前に剣の訓練するよ」


小さい方の木剣を渡される。


「これからお父さんが殺気を放つから

 頑張って耐えてね。

 それじゃあ、いくよ?」


そう言うが早いがお父さんから

殺気が放たれる。

子供用に調節してくれているのか

あまり怖くない。

まあ、前世で慣れているからかもしれないが。

ただし、いつもの穏やかな雰囲気は

今のお父さんからは微塵も感じられない。


それよりも僕は気がついたことがあった。

このプレッシャー、

戦神といわれた僕の前世の養父とうさん

同等、いや、それ以上か。


以前お母さんに怒られた時に感じた

威圧感とほぼ同じ。


(いったいうちの両親どんだけ強いんだー!)


思わず心の中で叫ぶ。

心の中で叫びながら体は殺気に反応して

勝手に動く。


僕も殺気を放ち、踏み込みながら突きを放つ。

狙うはお父さんの胸。


その瞬間、ゾクリと背中が粟立つ。

気づいた時には僕の手に木剣はなく、

首に木剣が添えられていた。

つ、強すぎる。


「うん、合格。さすが僕の息子だね」


ニッコリ笑うお父さん。

ものすごく嬉しそうだ。

つられて僕も笑う。


お父さんのこの笑顔どっかで見たような・・・


あー。養父とうさんが模擬戦する時に見せる顔だ。

これから大変そうだ。



翌日からお父さんによる剣の訓練が始まった。

午前中は剣の練習、午後はマルコたちと遊ぶ。

僕の剣は我流だったので、

ものすごく勉強になった。

それに、お父さんの教え方もとても上手だ。


庭で剣の訓練をしていると何故か

アルマがやってきて見学していた。

それも毎日。


それを見たお母さんとお父さんが

なにやら相談し始めた。

なにを企んでいるんだ。


そんなこんなで1年が経ち、

お父さんから森に行く許可がもらえた。


森に行くのは1週間後にすることにした。

1人で森に行くので準備はしっかりする。

よし、アルマのところの薬屋さんで

薬を買ってこよう。


ローレンス領西の森(西の森)


ローレンス領の西側に広がる森。

ゴブリンやスライムといった弱い魔物が住む。

森の中には薬草が生えているため

よくアルマのお父さんが取りに行っている。

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