図書室から
放課後図書室に戻ってきて勉強はじめようとした幸隆と海生。紀之も誘ったのだが、俺は自分でなんとか出来ると思うから良いやという、どこから来るかわからない自信を持った答えで断られた。絶対大丈夫じゃないと思うのだが、それでも本人が良いというのだからしょうがない。
すると二年生の先輩方も図書室に来ていた。
「康則先輩達もテスト勉強ですか?」
「そうなのよ私勉強あまり出来なくてさぁ」
声をかける海生。図書室にいたのは匠と康則、相変わらずのおねえ口調なのは康則だ。
「そなんだよな。一応全部の教科が出来ないわけじゃないから二、三教科教えるだけで良いんだけど。数学とかはそこまで悪くないし」
同じクラスらしい匠と康則は互いの学力がどれくらいなのかは知っているらしい。
「保健体育とか得意なんだけどねっ」
康則が得意げにウインクするがどう反応して良いかわからない。正直そんな情報いらなかった。
「俺らは優香先輩と美優先輩から去年のテスト問題もらったんで、その問題を見ながら今から勉強するところです」
幸隆が昼休みに渡されたテスト問題を見せながら言う。
「あら、あの子達バカなのにそういう物はちゃんと取ってあるのね」
「誰がバカだってぇ!?」
そこにタイミング悪く図書室に入ってきた優香と美優が駆け寄ってきていた。
「私達とあんまり頭の出来変わんないでしょうが康則は!」
憤慨しながら言う優香。
「そうね。だからこそヤバイと思うんだけど」
さらっと自分自信の頭もヤバイことを認める康則。そこは潔いのかもしれない。
「優香と一緒にされた……」
優香と一緒にされたことに対してショックを受けている様子の美優。ただ去年の解答用紙を見る限り同レベルだと海生は思う。
「優香先輩と美優先輩も図書室で勉強なんですね」
幸隆がそう言うとこれには優香が答えた。
「うん! でも勉強だけが目的じゃないんだよね!」
後を引き継ぐように美優が答える。
「テスト時期になると図書館は男の子同士が勉強教えるために寄り添いあってるの見ることが出来るから」
それを聞いて海生はなぜか悪寒がし、次の瞬間幸隆に提案をしていた。
「幸隆、今日はうちで勉強しない?」
幸隆は二つ返事で別に良いよと答えていた。