60kg級
三試合目は60kg級の試合で龍生の試合だ。もしこのまま龍生が勝てば、このまま団体戦での勝利が確定する。
「んー相手は二年生の涼介かー」
少し間の抜けた声で相手の確認をする龍生。特に緊張している様子はなく、絶対的な自信から来る余裕だろうか?
試合開始の合図で組み合う二人。何度かの駆け引きの後、タックルに入ろうとする相手選手。そこで龍生は綺麗な形で相手を上からつぶしにかかった。
バックステップと同時に組まれるクラッチ。顎と腕を取られ落とされてしまう相手選手。ここでそのまま横に回転しようとする龍生。そこで中途半端に耐えようとしてしまったことが相手の敗因になった。
「おっ? 頂きっ」
九十度ほど回転仕掛けていた相手選手の体。そこから一度クラッチの手をゆるめ、するりと相手選手の体を逆向きにしてクラッチを組み直す。相手選手が仰向けになってしまった形だ。龍生は次の瞬間、相手選手の体をマットに押さえつけフォールを奪っていた。
第三試合も通天高校が勝利し、事実上の通天高校の団体戦勝利が確定した。
だがそれでも団体戦は終わらない。
四試合目は66kg級の彰。彰の相手は一年生だったようで、ポイントで2ラウンドとも勝ち越し勝利した。
そして最後の五試合目。74kg級の安則と城間高校の瑞慶覧豊との試合だ。
「豊さん……団体戦の負けは決まっても、自分は負けるつもりはないようね」
相手の気迫を感じ取り、安則は気を引き締めているようだ。オネェ口調でさえなければ決まっていた場面だっただろう。
顔自体はあまり悪くなく、肩幅が広くガッチリしていて強そうな印象を受ける安則は、黙っていれば格好いいのだ。本当にもったいない存在だと感じた。




