2試合目
匠の試合が終わり、次の55kg級の試合になる。55kg級は幸隆だ。相手の城間高校の選手も一年生のようだ。
「思ったより緊張しないもんだな」
初めての試合にも関わらずあまり緊張していない様子の幸隆。対して相手の城間高校の一年生はかなり緊張しているように見える。
そして開始のベルがなり、試合が始まった。
お互い腕を前に出し牽制しつつ、組み合おうとする。すると組み合おうとする瞬間に幸隆が動いた。
組み合う寸前にフェイントを入れ片足タックルに入り、そこからバックを取った。
相手選手も必死に抵抗を見せ、グラウンドで右へ左へと回転させられないように逆向きに力をふんばろうとするが、幸隆の動きについていけずローリングを許してしまう。
その後なんとか抜け出し、振り出しに戻る。そしてまた組み合おうとした瞬間。
幸隆は右足を一歩前に踏み出した。
「ドンピシャかな?」
次の瞬間、相手の選手は一本背負いを決められ、そのまま続けてポイントを取られた。
ちなみに投技などが決まると、ビックポイントという一気にポイントが多く入ったボーナスのようなものがつき、同じポイント差になった時でもこちらが有利になる。
その試合はテクニカルフォールで試合開始から1分30秒でラウンドを終えた。
「さすがだね幸隆」
インターバルの時間に幸隆に声をかける海生。今の試合を見て抱いた感想を素直に伝える。
「そうか? あんなの龍生先輩に比べればなんという事はないだろ」
さすがに三年生の全国ベスト16と比べるのは酷というものだとは思うが、それでも幸隆の頼もしさに頬が緩む。
「いい試合だったね幸隆。次のラウンドも同じように行くと良いよ」
それに続いて上地も声をかける。やはり幸隆は頭一つ抜きん出ている。
インターバルが終わり試合が始まると、2ラウンドも幸隆がポイントを取り優勢になり、ストレートで二試合目の試合を終了させた。




