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婚約者がDV野郎だったのでフィジカルを鍛えてやり返しました  作者: 草野いずみ


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8/8

第8話 その後…


ロゼッタ・フォン・ローゼンベルク公爵令嬢___




「ねぇ?リリアン?リリアンはレイ騎士団長をどう思ってるの?」


リリアンは急に問われてむせ始めた。




「え?ゴホゴホ… 急になんですか…」


リリアンは耳が赤くなっていた。


「これは勘なんだけど、リリアンとレイ騎士団長お似合いな気がしますの」


今度は顔まで真っ赤になった。


「え?あの…その… お話もしたことありませんよ?」


慌てふためくリリアン。




「うん、聞いたらね。レイ騎士団長は19歳なんですって。 リリアンは17歳でしょ?しかも、飄々としてますけど人当たりもいいですし、何より強いですわ!」


あ、もうお嬢様はフィジカルで物事を考えるようになってきていらっしゃるのかもしれない。




「それに、リリアンを守ってくれるナイト様って感じで素敵でしょ?リリアンはちゃんと守ってくれる強い人と幸せになってほしいの」


「お嬢様…」


何だろう…普通家柄や財産、見た目から入るものを 「戦闘力」から入っているそんな気がする。


「ということでー、今週末お茶会を開くことになってるわ。リリアンもおめかしするのよー」


「え?」




週末のお茶会____




濃紺の上着に金の飾緒、白い手袋という騎士団の礼装でレイはあらわれた。


公爵邸の庭には白やピンクのバラが咲き誇っている。


見事なつる薔薇がガゼボを覆い、まるで薔薇の天井のようだった。




少し遅れてリュークも騎士団の礼装であらわれる。


「あれ?団長一人ですか?」




「そうだな。ここで場所あってるよな・・・」


「合ってますよ。今日はいつもの侍女が居なくて、侍女長さんが給仕をしてくれるらしいですよ」




そこへ、着飾ったロゼッタと、リリアンが遅れてやってきた。


「ごめんなさい。私、だいぶ筋肉がついてしまって、ドレスのお直しが必要になってしまって、急遽直して頂いていましたの」


レイ


(え……令嬢なのに……公爵令嬢って筋肉つける? 普通……)


笑顔がすこし引き攣っている気がする。


「そうですか。女性は大変ですね。」




リリアンは思った。


たぶんレイ様のあの顔は困惑してらしてる。筋肉の話を普通にしてくる令嬢なんてロゼッタ様以外にいないのよ!




「ええ、最近は20着ほど直しましたのよ」


「え・・・そうなんですか・・・20着も・・・」


レイの顔はさきほどよりも深く困惑している。




ロゼッタ様。


レイ様、ひいてますよ。だいぶひいてます!




気を取り直したレイ


「今日はお茶会にお招きいただきありがとうございます。剣術大会以来ですね。公爵令嬢様。そちらの侍女様も。」


レイ(しまった間違えた。剣術大会の話は避けたほうがいい気がする)


「本当ですわね、あの時のレイ様。お強かったですわ。私はフィジカルギフトのスキルを発現しましたがレイ様はどのようなスキルを?」




リリアンは思った。


レイ様、その話はダメです。筋肉まっしぐらです。




「ほほほほ。若い人はお話を盛り上げるのがお上手ですわね。今日は、給仕を務めさせていただきます。侍女長のイリーナと申します。さ、最初の一杯ですわ。こちらの紅茶のクッキーとの相性がいいんですよ。さぁ、お召し上がりください」




イリーナ先輩。


ナイスフォローです。




イリーナはリリアンをチラっと見た。


「あらあら、リリアン。今日は一段とかわいいわね。ふふ。あなたの蜂蜜のようなブロンドの髪は本当に美しいわ」




イリーナがリリアンにウインクをした。




「あ、私としたことが…ごめんなさいリリアン。レイ様にリリアンを紹介したくてお茶会を開きましたのについつい・・・・レイ様がお強い秘訣を聞きたい欲にかられて・・・」




イリーナは思った。


いつからか・・・あんなにお淑やかで誰よりも気品に満ち溢れていたお嬢様が・・・


ぇぇ…、普通の令嬢ではなくなっているのは確かです。




「そうだ、団長!今日はリリアンっていうロゼッタの侍女を団長に紹介したくて招待されたんでした!」




「え?あ、そうなんですか。そちらの可愛らしいお嬢様のことですか」


リリアンは耳を赤くしながら挨拶をした。




「リリアン・ジェラートと申します。」




「レイ・アシュリーです。よろしくお願いします」




レイは人当たりの良い笑顔を浮かべた。




騎士団の礼装をまとったレイは、あまりにも絵になる姿だった。リリアンは思わず見とれてしまう。




(かっこいいですわ)




なぜか胸の鼓動が早くなるのを感じていた。




「よし、じゃあ明日から団長はリリアンを指導しないとな」


屈託ない笑顔で元気よく提案するリューク。




「「え?」」


同時にリリアンとレイ。


「リューク?指導って??」


困惑してレイが尋ねる。


「リューク様、それはとてもいいですわね」


ロゼッタは笑顔で返す。


「何が?」


リリアンはロゼッタに初めて恐怖した。


イリーナは静かにお茶をそれぞれの前においた。




日差しが柔らかく降り注ぐ。そんな中二人の脳筋は楽し気に指導について語り合っている。


「えっと…指導とは?」


恐る恐るリリアンは聞いてみた。




「そりゃ、筋肉を鍛えたら疲れにくくなるんだぞ!そしたら仕事も楽々にこなせるぞ!」


満面の笑みで答えるリューク。


「なるほど…ははは」


リリアンは引き攣った笑顔で答えるのが精一杯だった。


「それに俺がヒールで筋肉を修復したら筋肉痛もないぞー」


「それはそうですわね」


ロゼッタ様まであっち側…


「あ、はい・・・」


リリアンはこれは断れないのかと諦めた。




レイは返答に困っている。なぜならロゼッタが公爵令嬢だからだ。


ここは、少しだけ訓練に付き合ってやり過ごしたほうがいいのか?


リリアン嬢も断れないだろう…


「明日、では少しだけ…」


レイはこの仕方なく同意したことが、後悔することになる未来をまだ知らない。

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