表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Numerous Divided Life ニュマラスディビデッドライフ  作者: 靄然 翠
〈第2章 混合の灰は種間競争に喰らわれる〉
104/104

14話 『終わらない戦い』.94

「最後のなんだ?」


「あ?【断頭台】だ」


「チッ、油断した」


「まぁ、ありゃ仕方ないな」


 ノーシュとリヒトのバトルが終わり、俺たちはその辺のレストランで休息を取っている。


「これからどぉすんだよ」


「そうだぞディグニ。どうすんだ?」


「特に決めてないな⋯⋯とりあえず、西側に行こうかと」


「西側?」


「そう、西側。白虎にあって見たくてな」


「おいおいおいおい、まじで言ってんのかぁ?」


「勝てるとは思ってねぇよ。ただ見てみたいだけだ」


「ディグニがそうしたいなら、俺は文句ねぇよ」


「なんだお前ら、できてんのか?」


「「できてねぇよ」」


 やめろやめろ、突然のBLさせるな。鳥肌が立つわ。


「冗談だろうが、そんなにキレんなよ。まぁ分かった。白虎に会うのには付き合ってやる。だがな、その前に確認がある。俺も俺の秘密を話したんだ。お前もお前の秘密を話せよ。ディグニファイド・ブラックさんよぉ」


「え、なんの事だ?」


「なんの事だじゃねぇだろ。お前、実力隠してんだろ?」


 実力を隠してる⋯⋯ねぇ。そうかぁ、そう見えてんのか。まぁ仕方ないよな。たまに片鱗があるし。まぁ、体が覚えてるだけなんだが⋯⋯


「⋯⋯まぁ、別にいいか」


 隠すことじゃないしな。


「別に実力を隠してる訳じゃない。いや、確かに隠してるけどな。それはそれこれはこれだ。正直に言おう。俺は二重人格だ」


「え、まじ?」


「それは想定してねぇなぁ」


「気性荒いしあんまり喋んないからな。出ないようには努めてるが、もしあんまり喋んない時があったらだいたい入れ替わってる時だ」


「あぁ、じゃあもしかしてあの時のってそれか」


「え?」


 あの時ってどの時だ?あいつに切り替わってる時は記憶が無いからな⋯⋯まじでわかんねぇ。


「いや、前に街中でディグニをみた気がするんだけど、話しかけても反応なくて人違いかなって思ってたんだけど、そういうことだったのか」


「あぁ、なるほど。多分そういう事だろうな」


「そいつとやらせろ」


「え?」


「その人格と戦わせろって言ってんだよ、わかんねぇのか?」


「多分勝てねぇぞ?それでもいいんなら俺はいいが。ちょっと待てな⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯OK、いいぞ。ただし、今日の夜中にだそうだ。そして、寝させろってよ。一先ず解散して5時間後にまたここで」


「了解」


◇◆◇◆


 ディグニから言われた通りに来たんだが、まだ来てないのか。


「おい、ディグニは?」


 ディグニを待ってると、先にリヒトがやってきてそう聞いてくる。


「さぁ?まだ来てないみたいだな」


「そうかよ」


 無言の時間が続く。


 話すことがねぇ。共通の知り合いがトイレ行った時の気まずさに似てるな⋯⋯まぁ別にいいんだが、話さないってなるとしんどいな、なんか話しとくか。


「なぁ」


「おい」


 俺が喋ったすぐ後に、誰かの声が夜の街に響く。それと同時に、獣に睨まれるような凍てついた空気がこの場に流れ出す。


 振り向いてみれば、ディグニがそこに立っていた。だが、それは俺の知っているディグニではない。

 同じ見た目の別人がそこに立っている。


「着いてこい」


 その男に連れられ、俺とリヒトは街の外に出る。


「ここならいいだろう。かかって来いよ。2人がかりで」


「あぁ?何言ってんだ、戦いを挑んでるのはこの俺だぜぇ?」


「そんなことどうでもいい。2人がかりでこいって言ってるんだ。1人じゃ相手にもならない」


「おいおい、俺を舐めてんのかぁ?そりゃあギルティだろうが」


 ディグニとは違う、システム上で嫌な気配を纏った───恐らくスキルが何かだろう───リヒトがディグニに向かって踏み出す。


 俺と戦っていた時とは段違いの速さでディグニの喉元に鎌を突き出す。


 俺の方が流石に早いから目に終えるが、ディグニのステータスじゃさすがに⋯⋯


「な!」


 その思考を正面から否定するように、リヒトの鎌を盾で防ぐ。ジャストガードが入り、リヒトの体が硬直する。

 そのリヒトの腹部に蹴りをぶち込み、リヒトの体が俺の横まで吹き飛ばされる。


「言っただろ?2人がかりで来いって、舐めてんのか?」


「おいリヒト、俺も参戦するぞ」


「癪に障るが、仕方がねぇ。良いだろう、手伝いやがれ」


「はいはい」


 起き上がったリヒトが俺と同時に飛び出す。スピードが早い俺がディグニの後ろに回り込み、挟み撃ちの形でディグニを狙う。

 が、それもまた盾と剣で止められる。ジャストガードとジャストパリィが発生し、俺とリヒトの体が硬直する。


「【青焔魔の蝕み】」


 動けない俺とリヒトの腹部が、斬られる。

 ダメージ量で言えばステータスが低い俺の方がある。動けるようになるには時間がかかるだろう。

 先に動けるようになったリヒトがディグニを狙うために鎌を持ち直そうとした隙を突いて、ディグニが灰鋼塔盾を出し、リヒトの足を地面に固定する。

 そして、未だ動けない俺に肉薄してくる。

 それを防ぐために、リヒトの時にやったように目の前に【跳躍空気板】を出現させる。しかし、それすら見越していたように、綺麗にそれを避け、後ろ蹴りを俺の胸に入れる。

 骨が折れる音がし、それを証明するように状態異常の表示が出る。


「まず1人目」


 ディグニはそう言うと、すぐさま振り返り、灰鋼塔盾に押しつぶされたリヒトへ向かう。


「【断頭台】」


 リヒトはスキルを使い、足を切り落とす。そして、すぐさま鎖鎌を取りだし、自分の足に刺し、押し込んで切り口から出し、鎖でその部分を巻いて固定し、足の代わりとする。


 向かって来るディグニに対し、鎌を変え斬撃を飛ばして避ける。


 が、その斬撃すらもジャストパリィで弾く。さらに、リヒトより先に斬撃を飛ばすことで攻守を交代させる。

 受けてに回ったリヒトは足も相まって逃げることがしにくくなり、ディグニに追いつかれる。

 追いついたディグニは鎌に向かって斬撃を飛ばし、その斬撃に追いつく速度で剣を振って鎌を挟んで押し込む。

 リヒトとの距離を縮めたディグニは、リヒトの顎に向かって足を上げ、リヒトの顎をかち上げる。


 約15秒の出来後。たったそれだけの時間で、ディグニ⋯⋯いや、ディグニのもう一つの人格は俺とリヒトを制した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ