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今日も頑張れ黒幕(仮)くん!~ユニークスキル【深化】で黒幕になりたいけど、それどころではないぐらい巻き込まれています~  作者: 御神酒
八章 黒幕(仮)決戦

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137話 黒幕と黒幕(仮)

 



「ああ、忘れていたよ。ほいっ。どうだい?」



「何の用だよ?」



 ソフィが伏せさせられている俺の前にしゃがむ。


「当分会えなくなるだろうから、お仲間に挨拶するぐらいの時間は作ろうと思ってね」




 なるほどね。今度は囚われのお姫様ポジションになるのか。連れて行くって言ってたしな。



「そりゃどうも。ついでに動けるようにもして欲しい」


「ほいほーい」



 拘束が解かれる。立ち上がって、皆の前に行く。



「今度こそ自力で何とかする」



 マツが凄い剣幕で睨んでくる。最後まで聞けや。



「って前までなら言ってたけど、今は仲間にも頼るよ。一人の限界も、仲間がいる背中の安心感も、合わせた力の強さもよく知れたから」




 右手の(こぶし)にありったけの魔力を込める。



「ありがとう。そして、また頼むよ。今度はゆっくりでいい。もっと強くなって、こいつを倒すぞ!」





 振り向きざまにストレートを。





「はあ、つまらないね。もっとギスギスすればいいのに」




 やっぱりダメか。見えない壁に防がれている。


 だか、まだ切り札がある。


 ストレージから布都御魂を取り出し、突き出す。



「まだそんなところに入っていたのか。道理で見えなかったわけだ」



 止められ、刀身に触れられ、砕け散る。これも無理か。



「【スリップ】」



 せめて()けさせるぐらい……だめか。一瞬で背後に回られた。



「南の孤島に来れば、僕のところまで来れるから、精々頑張るといいよ」



 もう転移させられるか。


 最後に、

「また会おう」




 景色が変わる。



 階段の踊り場だろうか。


 ――PIPI

『リスポーン地点が更新されました』



 いつの間にか手を取られ、無理矢理更新されていた。速すぎて見えん。


「ここは僕の国の大図書迷宮。難易度SSの、世界で二番目に難しいダンジョンだよ」



 ダンジョンとかあったのか。俺が知らないだけなのか?



「ダンジョンは僕の国にしか無いよ。僕が作ったものだからね」



「何のために?」



「教えてもいいけど、それはつまらないだろう? 自分で答えを見つけなよ」



 いや、そんなに興味は無いけど。



「ともかく、君はここから出て僕を見つけて殺せば勝ち。それだけだよ」



 そりゃあ、分かりやすくていいな。こいつを倒せば、真の黒幕になれる。


 中途半端な、黒幕(仮)的なのを終わらせられる。



「いい殺意だよ。頑張りたまえ」



「うっざ」


 上から目線きらーい。



「ちなみに、ここは最下層の前の階段だから、ここを下りるとボスがいて、倒すと出れるよ。上に上がって戻るのもいいけどね」



「ご親切にどうも」


 下一択だ。



「じゃあねー」



 ソフィは消えた。ボス攻略といきますかー。すぐ出て、ギャフンと言わせてやんよ。


 階段を駆け下りる。




 下りきると、だだっ広い部屋が広がっていた。



 真ん中には巨大でカラフルな蝶がいる。種類は分からないが、虫を置いたのは失敗だったな。瞬殺だ。



 部屋に足を踏み入れ――



「は?」



 戻っている。リスポーン地点に。



「死んだ?」



 意味が分からない。こっちが瞬殺されたのか?



 もう一回行ってみよう。






「いや、おかしいおかしい」



 まただ。何されたかも分からないし、痛みすら感じなかった。




「レベル差かな?」



 下は諦めて、上に行こう。



 階段を上る。出てたのは本当に図書館のように本棚が並んだ、複雑そうな部屋だ。




「お、いるいる」



 正面に骸骨がいる。剣を持ってるので、近接か。ここは混沌魔術で牽制しつつ――




「え?」


 景色が逆さまになる。



 気づくとまたリスポーン地点に戻っていた。首をはねられたのか?


 残像すら見えんかったぞ。




「ちょっとヤバい場所に連れてこられたかもなー」



 黒幕への道はまだまだ遠いとでも言いたいのかねー。



「なめんなよ。強いからこそ、こっちももっと強くなれるんだ。こんなのさっさと乗り越えて、後悔させてやる」




 こんなにRPができないと、逆にやりたくなるわ。意地でも黒幕の座を奪ってやる。



「待ってろ! クソが!」




 階段を上る。上った遥か先に因縁の相手がいる。それなら、何回死んでも辿り着いてやる!




「過去はもう乗り越えた。それに比べれば、今を頑張るなんて余裕だ!」





 今を生きて、未来に繋げる。


 黒幕の椅子で胡座(あぐら)をかく未来に。






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