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今日も頑張れ黒幕(仮)くん!~ユニークスキル【深化】で黒幕になりたいけど、それどころではないぐらい巻き込まれています~  作者: 御神酒
八章 黒幕(仮)決戦

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133話裏 こじ開けとネア (ネア視点)

 

 黒い壁が正面から迫ってきている。



「【絶魔】でやんす!」



 どこか気が晴れた様子のリューゲが消し飛ばして、道ができる。


 横から槍状のが大量に飛んでくる。



「【紫電一閃】」

「【グランドスラッシュ】!」



 侍と勇者が全てかき消して防ぐ。



「大暴れですねー」


 マツが呑気にボヤくと、上から雨のように細かい粒が降ってきている。



「……気をつけて」



 これはもはや弾丸。掠めたが、普通に痛い。




「【鬼拳】!」

「血の雨よ、〖ブラッドレイン〗」

「女神ヘカテーよ、吹き飛ばせ〖サンダーストーム〗」




 天使の力と鬼の力で増大されたのか、とんでもない威力で上の黒い塊をぶち抜く。

 シロの魔法で大きな雨粒を相殺、おばあさんの魔術で細かいのを吹き飛ばす。


 いい連携。





「……輪廻ノ外法其の弐【無命歪曲】」




 正面と背後から迫った触手のようなものを、それ同士でぶつけたり、逸らしたりする。




 今度は四方八方から先の尖った触手で貫こうと攻撃を仕掛けてくる。




「……捌ききれない」


「弾幕ゲーは得意よ!」



 シロは余裕そう。他も危なげなく避けれている。





「あまり激しく動くのは苦手です」


「OK!かけとくね。彼の者に防御の加護を〖プロテクション〗」


「ありがとうございます」



 オリジンがヘルプを出して魔法で援護をしたもらったみたい。大丈夫そう。






「見えました! 【限界突破】、はぁぁぁぁ!」



 バフで進行方向に剣を振り、道をこじ開けている。強引だけど、目標が、見えたし正しい判断。



「……オリジン」


「何ですか?」



 オリジンと並走して、問いかける。




「……呑まれたら精神攻撃……言ってたけど」


「ああ、あれは半分嘘ですね」




 は?


 嘘、裏切り? ここに来て?


 だとしたらタイミングが不自然。



「……どういうこと?」


「適正がある場合は精神に干渉されますが、無い場合は普通に死にます」



「……この中では?」


「私以外全員無いです」



 つまり、誰かが呑まれて即死、全体も崩れるってパターンがありえそう。



「……なぜ嘘を?」


「脳筋の方がそこそこ居たのでそう言った方が早いかと思いまして」



 マツ、勇者当たりか。たしかにいけるとか言って突っ込みそう。




「【絶魔】ァ!!」



 先程より消し去る範囲が広くなっている。調子が良さそう。


「一気に行きます! 【ダッシュ】、てゃあぁぁ!!!!」




 勇者が、クロが居そうな、黒い柱の、一番濃いところに走って、跳ぶ。聖剣を振りかぶり、切り裂く。クロの影が見える。




「……【チェンジ】、輪廻ノ外法其の弐【無命歪曲】」



 振りかぶった後の隙を背後から狙われていたので、勇者と私で入れ替わり、攻撃を逸らす。



「……輪廻ノ外法其の弐【無命歪曲】」



 そして正面の小さな隙間を無理やり広げる。なかなか抵抗が強く、しんどい。


 手を取って引っ張り出した方が、待つより早そう。


 手を前に出す。



 隙間に手を入れる。




 はあ、何をウジウジと。ここまで来たんだから私の手を取れ。



 クロがこちらを見た気がした。



「クロ!」



 私の小さな手に、ゴツゴツとした手が握られる。決して離さないようにがっちり握り返し、引っ張り出す。



『条件を満たしました』『ユニークスキル【限定神化】は【限定神化:命】になりました』



 アナウンスはあと。引っ張り出せたクロを見ると、髪色がオリジンと同じように黒くなっていた。


 クロがこちらを振り向く。



「……あとは何とかして」




 私のできるのはここまで。引っ張り出した勢いで、クロは遠ざかるから安全。


 私は近くにいて、無防備に手を突っ込んだので、呑まれる。





 きっとクロなら大丈夫。悲しかったのか、辛かったのか、目を少し腫らしながらも強がる子供みたいな感じだった。

 子供っぽいと言いたいではなく、より強くなったのを確信したのだ。




 今度は皆でさっさと帰ってきて、私の幼女姿を笑ってほしい。





 負けるな、挫けるな。いや、違う。


 そんなこと気にすることなく、頭空っぽにして、ひたすらに


「進め!」




 既に呑まれ、聞こえていないだろう。あんまり叫ぶのはキャラじゃないから、丁度いい。






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