第3話
「きっと明日は日本の常識が変わる」
少年は30人程度の学生たちに諭すように言う
「一クラスの集団自殺は過去類を見ないことだろう。おそらくは教科書にも載るようなことになるだろうな」
その少年の言葉に一気に緊張感がその場に生まれる
今“コロシヤ”には少年と女性と商人と30人程度の男女織り交ぜた学生がいる
「まぁそんな気張らずに。死ぬ程度に頑張ればいいんだよ」
「おい商人。それは死ぬ気で頑張れってことなのか?」
「え?違うよ。死なない程度に頑張れって思って」
「ならそう言えば。そっか死んでもらわないと困るか。だからそう言ったのか」
「うん!」
少年と商人はその場に合わない緊張感のない会話をする
「さてと。よし」
そう言いながら少年は後ろにある段ボールを前に出す
そのダンボールには
“安楽死なんて生ぬるい!そんなあなたにお勧め!殺人・自殺グッズ各種取り揃えています!お買い求めはぜひシニタガリで”
と、それはそれは可愛いデフォルメされた文字で書かれていた
しかもピンク色で
「これ。ですか?」
代表らしき少年がそんな段ボールを見て疑問をぶつける
「あぁ。そこに突っ立ってる自称男の商人がやってる店だよ」
「てへっ☆」
「やめろ。死ぬ前とはいえ健全な子供をアブノーマルな道へと進ませるな」
「なんのことぉ」
「次それっぽいこと言ったらぶっ殺す」
少年が段ボールから何かを取り出しながらそう言うと商人は黙って少年の手伝いを始めた
因みに今回も女性は部屋で休憩中
「よし。ほら一つずつとれよ」
「は、はい」
そう言って学生たちは前におかれた何かをそれぞれ一つずつとる
「え、これって」
「お、持っただけでわかるのか。ま、とにかく開けてみん」
新聞紙で包まれていたそれを開けると
「本物だぜ」
銃が出てきた
ある学生はそれに怯え悲鳴を上げ、ある生徒は投げ捨てるなどと少年はそんな展開を考えていたのだろう
しかしその場にいるが学生たちは誰一人として悲鳴を上げることも投げ捨てることもせずに銃を静かに見つめていた
「マジか」
「最近の学生さんは心が強いねぇ」
二人はそんな学生たちの姿に関心すら覚えていた
「これで明日死ぬんですね」
「あぁ。んで今から死に方を説明っすからよく聞けよ」
「はい!」
30人程度の学生たちの声が響き渡った
「ワオッ」
少年はそんな返事に精一杯の茶目っ気で返した
翌日-学生たちのクラス・朝礼-
「お~腐れ家畜共。なんで今日も生きて登校してきてんですかぁ」
担任と思しき男がクラスに入ってきた
「っ。まぁいいや」
「先生。今日は朝礼の前に一つ。お話があります」
「あ?俺の話よりも重要なことがこの世にあるってか?」
「ありますよ。テメェよりも重要な事なんて腐るほどに」
生徒会長の少年が立ち上がり挑発するかのように男に話しかける
「今なんつった?」
「う~ん?何でしょう」
「バカにすんじゃ」
「してませんよ。そんなこと」
生徒会長の少年はニヤッとしながらさらに挑発する
「家畜共が。そんないきがってっとどうなるかわかってんのか?あぁっ!」
「さぁ?」
「死ぬぞ。いや殺すの間違いか」
「なるほど。はい、みんな準備!」
少年のその一言でクラスの全員がバックからあるものを取り出す
「これなんだと思いますか?」
「・・・は?」
取り出したのは銃
30人ほどの人数が一気にその手に銃を持ち始めた
それを見て男は一気に弱腰になる
「おいおい。なんお冗談だよそんなおもちゃ取り出してよ」
明らかに何か焦っているような男に追い打ちをかけるように
一番前の席の女子が銃口を頭につけ
「人殺し」
そう一言言って引き金を引いた
クラスのある階全体に銃声が響き渡る
そして銃声の発生源のクラスでは一人の少女が頭から血を流し絶命していた
「あ、あ、あああぁあああああああああああああああああ」
男の汚い悲鳴がクラス中に響き渡る
「コレのどこがおもちゃですか?」
生徒会長の少年は怒りと悲しみを押さえつけるように静かに話す
そして
「アンタのせいだ」
生徒会長の少年の言葉をまた合図に次々と学生が引き金を引き始める
「クズ」
「レイプ魔」
「死ねばいいのに」
「ゴミ」
「本当は」
「・・・」
「死にたくなかったな」
「ごめんね」
「あいつのせいで」
「あいつを殺すよりはいっかな」
「人外が」
怒りの言葉や両親に向けた謝罪
そんなさまざまな言葉や感情が入り混慈りながら血が飛び交うその光景は
まさに地獄絵図
そして最後に生徒会長の少年だけが残った
生徒会長の少年は男に近づくと
「全部テメェのせいだ。本当は殺したくてたまんないがテメェなんかを殺して人生ダメにしたくないしな。ただでさえテメェにダメにされたのに」
「あ、はぁ・・・」
「一生忘れられないようにしてやるよ」
そう言って生徒会長の少年は銃口を頭につけ引き金を引いた
男の目の前で血が飛びその一部が男の顔につく
「先生!一体何が」
タイミング悪く入ってきたほかの教師が扉を開けクラスの光景を見た瞬間、激しい嘔吐や言葉をなくす者もいた
「先生これは」
「知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
それから1時間後 “コロシヤ”
『速報です。たった今クラス30人の集団自殺がおきました』
「お、やったか」
テレビから流れるその音声に少年はニヤッとした後に小さく
「頑張ったな」
と、つぶやいた




