第1話
とあるビル群の奥にある雑貨ビルの4階にあるドア
そのドアにはカタカナで“コロシヤ”と書かれた紙が乱雑に貼られている
そのドアを開け中に入るとそこには少年と女性がいつものようにいる
「なぁ。なんでこんなことになったんだ」
「それ私に聞かれてもねぇ」
少年と女性はキーボードを擦り減るんじゃないかと思う並のスピードで打ち続けていた
「ってかよくこんなところに凸したな」
「今まで死んだ自殺者リストしか作ってないのにねぇ」
「うん。多分それが原因だな」
どうやらサーバー攻撃を受けたらしく朝からずっとこんな感じらしい
「いつまで続くんだよ。もう昼だぞ」
「あと少しのがまんじゃないの?」
「指がもう死ぬんだけど」
その部屋には少年と女性の声とキ―ボードの音のみが延々と響き渡る
「これで終わりだーー」
「こっちも終了」
少年と女性はそのまま机にうつぶせになる
疲労感が半端なく脱力感にかられる
「もう何もやりたくない」
「そんなこと言うとフラグが立ってお客さん来ちゃうよ。今日は私だって休みたいんだからそんなこと言わないで」
それから暫く立ってドアの方から力のないノック音が聞こえてくる
「ほら~。だから言ったじゃん」
「・・・すまん」
女性はやれやれ。といった様子でドアへと向かう
「今出ます~」
女性がドアを開けると立っていたのは小学生ぐらいの女の子だった
流石に女性は驚きを隠せなかった
「え?ちょっえっ!?」
「ど、どうも」
女の子は律儀にあいさつをする
「あ、どうも」
女性はまだ驚いている
少年がそんな女性の様子に気づいたようでドアに行くと少年も女性と同じように驚きを隠せなかった
「マジか」
その場にただただ立ち尽くす時間が数分流れ女性がはっ。とする
「な、中に入る?」
「はい!」
女の子は年相応に元気良く返事をする
それにしてもこの女の子が勘違いかなにかではなく自殺をしたいからここに来たというのなら本当にやばいことだ
「そこのソファーに座っていいよ」
「ありがとうございます」
女の子は沙ファーに座るとそわそわとした様子で部屋の中を見渡す
「じゃ、よろしく」
「おう」
女性から少年へバトンタッチといった感じでバトンのように何かを女性から少年は託され本題に入る
「ねぇ君。君はここがどんなところか知っていて来たの?」
「はい」
急に話が始まり始めたのにもかかわらず女の子は返事をそつなくする
「じゃあ、ここは何をするところか言ってみて」
「自殺を手伝ってくれる所」
少年はつばを飲み込む
いっきに緊張感が少年を押しつぶすようにお押しかかる
相手はどう見たって小学生
それがどんなにヤバいことかを少年と女性は知っている
「次の質問。君は何才?」
「10才になりました」
「っ!」
思わず声が出てしまった
10才になったということは小学4年生ということだ
少年は覚悟を決め女の子がどうして自殺をしたいのか理由を聞く
「質問は終わり。こっからは本題だ。どうして君は自殺がしたか教えてくれる?」
「・・・はい」
少しためらいが見えたが女の子は話し出す
女の子はとある公立小学校に通っている
ごく普通に友達がいて自分を愛してくれている両親もいる
しかし問題は突然訪れる
女の子がある男の子から告白された
その男の子は女の子と友達が好きな子で女の子はそれを知っていて
その告白をもちろん断った
けどこういった類のことはすぐにばれ広まるもの
次の日学校へ女の子がいつものようにいくと
クラスの友達全員が全員
女の子を無視した
それがしばらく続きついにはそれに飽きたクラスの一部が間接的暴力をしだした
まずは机に落書き
その落書きは死ねだのカスだの小学生が知る限りの最大の暴言が書かれていた
そして休み時間に女の子がトイレから帰ってくると机の中に害虫がたくさん入れられている
そんな日々がさらに続く
女の子は両親に相談しようとしたが
「あなたはいじめられるタイプじゃないからママはいつも安心だわ」
「パパもだ」
女の子の現状を知ってか知らずか両親の罪悪のない暴力が女の子を押しつぶす
先生にも相談しようとしたのだが先生は見て見ぬふりをしているのでそもそも話にはならない
女の子は徐々に追い詰められていった
いじめも激化していき女の子に心の休む場所はどこにもなくなった
そんなある日ニュースで自分と同い年の子が自殺したと流れていて
少女は思ってしまった
「なんだ。自殺すれば私もいじめから逃げられるじゃん」
そしてよく噂に聞くこの“コロシヤ”にやってきたのだった
「なんか現代っ子らしい理由だな」
「そうですか?」
少年はそんな理由を話して目に涙をためている女の子を見て何を思うわけでもなくただ一言いう
「君がもし本気で死にたいと思っているなら俺らは協力をするよ。けど少しでも行きたいと思っているなら協力はできないな」
「死にたいです私」
「じゃあなんで涙溜めてんの?」
そう言って少年は指を目の横にあてる
女の子は少年のしぐさに合わせ自分の目をこすってみると確かに涙が手に着いた
しかし少女はにこやかに言う
「これは喜びの涙です」
そんな大人びた女の子の発言に少年は思わず笑ってしまう
「君、本当に小学生?単純に背が低い大人じゃないの?」
「小学生ですよ」
女の子はさらに大人びた発言をする
「よし。君の自殺を手伝おう」
「ありがとうございます!」
女の子はこれ以上にない喜びを表情にだし深く礼をする
「じゃ君の自殺方法考えとくから、明日学校が終わったらまた来てくれるかな?」
「わかりました!」
「じゃ、今日はもう帰っていいよ」
少年がそう言うと女の子はドアへと向かう
帰り際女の子がまた
「また明日きます!今日はありがとうございました!」
と、年相応に礼を言って帰った言ったので少年は
「やっぱ小学生なんだな」
と小さくつぶやく
女の子が返った後女性と少年は少し話しあう
「本当にいいの?依頼受けちゃって」
「死にたいって思っている奴がいるんだったらどんな奴も最高に死なせてやる。それが俺たちの仕事だろ?」
「そうだけど。小学生はさすがに」
「小学生だって立派な人間だ。それに最近の小学生は大人が思っている以上に自我がちゃんとしてるからな」
少年はそう言い終わると机にうつぶせになる
「今日はもう疲れた」
少年はそのまま寝てしまった




