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コロシヤ-あなたの自殺手伝います-  作者: asit
死を持って復讐を-無酸素自殺-
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第3話

今日は女大生が死ぬ日

それは別に特別な意味を持った日になることはない普通な一日

ただそこら辺の一般人の命がたかが一つ失われる日


「本当にここで私は死ぬんだ」


「あぁ」


ここはとある高層ビルの最上階

このビルの最上階とその下の階はとても静かだが少し階を下げれば様々な電子音と人間の声で騒がしくなっている

つまりこのビルはいたって普通の商業ビルディングなのだ


「たっだいまー」


「準備オッケーだよ」


女性と商人が元気よくエレベーターから降りてくる


「おう。あんがとさん」


商人はあの時の作業服を着ていた

どうやら相当に気にいっているらしい


「準備って」


「そりゃー。アンタが死ぬ準備だよ」


少年は何言ってんだコイツ。と不思議がるように女大生を見る

それとほぼ同時に今度は階段方面から声が聞こえてくる


「はぁ・・・。連れてきたぞ」


「お疲れ」


声の主は運び屋

そんな運び屋は何か人間のようなものを片腕でもっていた


「そいつがそうなのか?」


「間違いねぇ。こいつはホンモンだ」


どうやら運び屋が持っていたのは本物の人間

しかもその人間は


「いや~、苦労したぜ。こんな坊ちゃんを拉致るなんて。もうしたくないね」


「今回の料金は普段より出すよ」


「当たり前だろ」


女大生は状況がわかっていないらしくぽかん。としていた

そんな女大生を見かねてか少年が運び屋の持っている人間の髪を無造作にひっぱり人間の顔を女大生に見せつけながら言う


「これは例の社長の息子だ」


その一言に女大生は一気に表情を変え複雑怪奇な表情をする


「マジで」


「マジでだ」


自分の将来を軽々しく一言で奪った最低なゴミが目の前にいる

女大生の思考回路はそのことだけを延々と考え続けさせる


「どうだ?今の気分は」


少年が女大生をからかうように問いかける


「何とも言えない」


「だろうな」


女大生はただただ黙ることしかできなかった

いや違う。黙ることで理性をたもっていたのだった

何か喋ったり動こうものなら理性が吹っ飛ぶ。そんな状況に女大生はおかれていた


「で、運び屋。もう一人の方はいつご到着かな」


「あと20分ぐらいじゃないか?」


「ならちょうどいいな」


「今度は誰が」


女大生はそこまで言って気付く

こんな状況で来る人間なんて世界中で数人しかいない

警察かメディアか親

そして今回ここへ来る確率が最も高いのは親

つまり社長だ


「まさか本当に」


「お前疑ってたのかよ。ショックだわ―」


少年が大袈裟にリアクションをとる

女大生はさっきまでの感情なんて忘れて少年たちの実行力への驚きがなによりも勝っていた


「だって日本有数の企業の社長だし」


「そんなの俺たちに関係はないね。俺たちはただ依頼を完遂させる。それだけのためにすべてをやってのけるんだから」


少年と女性と商人と運び屋はなぜか笑っていた

その姿を少女は唖然。といった様子で見ていた


「よし。じゃあ最後の作業に取り掛かるからお前はこのゴミもって穴が大量に空いている部屋半分の床に行け」


「わ、わかった」


女大生は恐る恐る穴床の上へと着いた


「じゃあ密室空間にするために今からガラスの壁ここに作るから」


「もう。好きにして」



それから20分後

とある高層ビルの前に止めた高級外車から降りてきた初老の男性がエレベーターに乗る


「30階」


エレベーターが30階に着き扉が開く

その扉の向こう側に見えたものは


「・・・おい」


初老の男性はほんのわずかだが考えるのをやめた

ただしくは思考が止まった

なにせ目の前にいたのは意識がない息子とその息子の髪を持ちゴミ袋のように息子を持つ奇妙な笑い顔をしている女大生が立っていた

そんな奇奇怪怪な現実が目の前で起こっているのだから


「テメェ。息子を返せぇぇぇぇぇっ!!」


初老の男性は鬼の儀形相で叫びながら走り迫ってくる


「せぇぇぇぇぇぇぇがふっい!?」


勢いよく初老の男性はガラスにぶつかる

女大生はそれを見てバカにするようにして笑う

初老の男性は怒り狂いながらガラスをたたきながら叫ぶ


「このアバズレッ!おのれが何しやがってんのかわかってんだろうなぁ!」


支離滅裂な日本語に思わず吹き出してしまう女大生


「テメェの方こそ自分がなんでこうなったか少しは考えろ」


そう言って女大生はゴミを殴る

そうするとゴミが目をさまし少しの間状況が理解できずにいたが

暫く立って状況が理解できたのか発狂しだす


「はなしぇはなしぇなしぇーーーー」


「きもっ」


女大生はゴミをガラスへと押し当てる


「息子よ!このアバズレぇ」


「アンタさまだ思い出さないの私のこと。それとも私のことなんて最初っから覚えてないとか?」


女大生がそう言うと初老の男性はしばらく女大生の顔を見る

そして思い出したのだろう


「テメェ。あん時の」


「思い出した?私はあん時のみじめに地面這いつくばってた人間だよ」


女大生は上からそう言う

その隣では


「ぱぱぁ!なんかこの部屋苦しい」


ガラスに押し当てられた跡が頬に赤く残っているゴミがもがきだした


「苦しいだと!?テメェ何しやがった」


「あぁ。私今から自殺すんだ。この部屋で」


「なに言って」


「このガラスからこっち側はあと数分で酸素が完全になくなってこっちにいる人間は完全に窒息して死ぬ。もちろんbん私含めてもゴミと2人しかいないけど。で、そっち側が酸素が有り余っている方」


そう説明を終えると女大生は床でもがいていたゴミの頭を踏みつける


「アバズレぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


「叫んでろ叫んでろ。その叫びは誰にも届きやしない」


「ぐるじぃ」


「おい。何勝手に声発してんだよ」


そう言って女大生はゴミの頭をけり続ける


「やめろ・・・やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


「はぁはぁはぁ・・・。流石に私も苦しくなってきた」


「いだぁい。ぐるじぃ」


「黙れゴォミィッ!」


女大生は人が変わったかのようにけり続ける

それが暫く繰り返されていると女性が突然倒れだした


「はぁ・・・はぁ・・・」


酸素が減りに減り立っていられなくなったのだ

この時すでにゴミは声を出さずに何かを悟ったように黙っていた

頭からは血が流れ顔は全体に赤く腫れ上がっていた


「あ・・・あ・・・」


ガラスの向こう側の初老の男性は酸素があるのになぜか苦しそうにしゃがみこんでいた

そんな時だった

女性が中指をたて毒醜く笑った


「ざまぁ・・・みや、がれクソゴミがぁ」


そう言って女性は顔を下に下げた

きっとすでに限界を超えていたのだろう

下げると言うよりも下がったようだった

そんな女大生は床に同化するようにして静かに静かに死んでいった


「ぱぁ・・・・ぁ・・・」


その後にゴミが女性の後の逝くように死んでいった


「あ・・・あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

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