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ソウタ達は管理局と自衛隊との会談を終えた後、しばらくして正式に管理局からまた話をしたいとの依頼を受けた。

それに参加したソウタとアヤネは、自衛隊の訓練に協力してほしいとの依頼を受ける。

できる範囲で良いならということでOKしたソウタとアヤネは、定期的に自衛隊のダンジョン部隊のダンジョン探索に付き添い、彼らにアドバイスをすることになったのであった。

そこには事情を知っているやまねこ隊のメンバーも参加して、彼らも自衛隊に協力してスキルの習得に関しての検証を進めているようであった。


そして、暫くそのような状況が続いた後、ようやく最初の魔力感知習得者が現れる。

それはやまねこ隊のカナエだった。

彼女は以前から魔力探知スキルを有効に活用し、ダンジョン探索を進めていた。

魔力探知スキルは、一般には非常に使いにくいスキルという認識であり、実際普通の人が使用すればあまり効果が無い割にDP使用量が非常に多いという役に立たないスキルであった。

カナエはなぜかそのスキルを他の人間よりも有効に使いこなしていた。

後でわかったことだが、どうやらカナエには魔力感知系スキルに適正があったようだ。

それでも魔力感知を習得するにはそれなりに時間と労力をを要したようであるので、この世界の人間が魔力感知という新しい能力を獲得するためにはそれなりの時間と労力が必要なのだろう。

最終的には、ソウタ達と訓練した全ての人が魔力感知スキルを習得でき、管理局や自衛隊の上層部でひとまずソウタ達の話した内容に間違いはなさそうだという認識になったのであった。


そしてそれから更にある程度の時間が経った。



ソウタ達は久々にアキラ達の拠点に来ていた。

定期的に連絡を取ってはいるが、なにぶんアキラ達が住んでいるのが管理外区画のためなかなか直接会うことができないでいた。

今回は明確な用事があったため、ソウタとアヤネは管理外区画を走ってアキラ達の拠点まで来たのだ。

幸い2人とも拠点にいたため、帰ってくるまで待つということをしなくてよかった。


「お久しぶりです。アキラさん、ミズキさん」


「おお、ひさしぶりだねぇ」


「連絡した件についてですが・・・」


「ああ、準備できてるぞ」


そう言ってアキラが無造作に袋を差し出してくる。

思っていたよりもかなり大きな袋にソウタは若干引き気味になるが、気を取り直して中を確認する。


「またこれはいっぱい集めましたね・・・」


「多いほうが良いって言っただろ?」


「そうは言いましたけどね・・・。よく集めましたね・・・」


「DPストアで買っただけだからねー」


ソウタが袋を確認すると、中には依頼していた帰還のオーブが入っていた。

正確な数はわからないが、ぱっと確認できるだけで数十個はありそうだ。


ソウタとアヤネもアキラ達から1つずつもらってから、ダンジョンに入るときには常に持ち歩くようにしている。

幸いにも今まで使用することはなかったため、2人はもらったものをまだ持っている。

ちなみに現在このオーブを売却しようとすると、1つ数億の値をつける人もいるらしい。

まぁ実際は時価になるので正確な値段はわからないのだが。


「お兄ちゃん、これ大丈夫かな・・・?」


「いや、どうだろうな・・・」


そもそもなぜこのオーブを集める事になったかと言うと、管理局からの依頼であった。

ソウタ達が自衛隊の訓練のサポートを終えたくらいのときに、自衛隊から相談があったのだ。

ダンジョンでなくなる探索者の数を減らしたい、なにかいいアイディアはないかと。

ダンジョン探索者は当然危険な職業であるが、それなりに就く人も多い。

それは偏にダンジョンが無いと今の日本が成り立たないからだ。

まぁその理由もダンジョンが発生したことが原因ではあるのだが、だからといってダンジョンを無視するという選択肢は取れないのであった。


ソウタ達はその相談を受けて、自身が常に持っている帰還のオーブについての話をする。

その話を聞いた自衛官は非常に驚いた。なにせ帰還のオーブは今まで数個しか確認されていないからだ。

政府としても一つは保持しているが、それを持ちだすのはあくまでも非常に特殊な作戦のときのみとなっていた。


その自衛官はソウタ達に入手方法を聞き、ソウタ達は師匠に貰ったと答える。

ソウタは以前から己の師匠であるアキラとミズキのことについて、管理局や自衛隊の人達にある程度話してはいたし、その自衛官もそのことについてはある程度知っていた。

しかし、アキラ達がめんどうを嫌ってあまり話さないでくれとソウタ達に要望していたのもあり、ソウタ達はそこまで詳細な話をしていなかったのだ。

それを聞いた自衛官はソウタ達に、帰還のオーブをいくつか入手できないかと相談する。

そこは師匠たちに聞いてみますと回答し、念のため必要な個数を聞いたのだった。


「いくつくらい必要ですか?」


「・・・いくつくらいなら用意できそうですか?」


「それは聞いてみないと分からないですけど、それなりには用意できるんじゃないかと思ってます」


「なるほど・・・。それならば用意できる限り欲しいと思っています。正直、その分の報酬を満足いただけるだけ用意できない可能性が高いですが・・・、そのあたりはそのアキラさんとミズキさんと報酬を相談させていただきたいと思っております」


ここでソウタ達と自衛官の認識違いがあったのは、「それなり」の個数である。

ソウタ達は数はわからないが、アキラ達ならば10個、20個程度は用意できるだろうと考えていた。

しかし自衛官の方はと言うと、それなりとは3、4個だろうと考えていたのだ。


その勘違いが正されないまま、ソウタ達はアキラ達に依頼をすることになる。

アキラ達も別に金銭が目的でダンジョンに潜っているわけではない。

日本の探索者、または自衛隊の生存率が高くなることはアキラ達も願っていることである。

特に報酬の件も事前に取り決めることもなく、アキラ達は帰還のオーブを集めることになったのであった。

そして話はソウタ達がオーブを受け取ったときに戻る。


「まぁ確かに多いほど良いって言ってたし、大丈夫だろ・・・。アキラさんとミズキさんは報酬の方は満足に貰えないかもしれないですが、それは大丈夫ですか?」


「うん。私達も別に報酬が目当てじゃないからね。それを渡した人達がきちんとダンジョン探索のために使用してくれるのなら別に報酬もいらないくらいだよ」


確かにアキラ達は報酬が目当てではないのだが、それでも渡した相手がそれを売っぱらってお金に変えるようなことをすればなんのために用意したのかわからなくなる。


「わかりました、ありがとうございます。それは念を押しておきます・・・」


アキラとミズキは非常におおらかな性格ではあるが、それゆえに怒らせるとどうなるか想像ができない。

大丈夫だとは思いつつ、密かに冷や汗が出るソウタであった。

モチベーションが・・・

なんとか踏ん張らねば。

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