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第四十八話 大陸から、外へ

 ルーケルス、フェルはいつものマナ鍛錬ブートキャンプに放り込む。

 後はカフェとカイが基礎を叩き込んでくれる。

 それからマナを利用した魔法の習得……

 その間に各村と、アレらの街と兵たちをどーにかして、こーにか……


「やることが多すぎだろ……」


 残念ながら、自分の心の拠り所である獣医療に関することは、優秀な部下がきっちりとこなしている。

 今では人間の研修医も増えて、人間の医療も飛躍的に成長している。

 獣人ほどではないが、マナや闘気を利用すれば以前とは比べ物にならないほどよい結果を出せている。


 結局、カイたちがどーにかこーにかしてくれた。

 デブ達の街や兵士は俺たちに従うことになり、ルーケルスやフェルの村も含めて、周囲の集落は俺達の保護下に入った。

 デブ達は、あまりに余罪が多く、人々の恨みも買いすぎていたために処刑した。

 代わりに二人の魔道士を責任者として置いて、治安の回復にあたった。

 周囲の魔物討伐をかねて多くの食料や素材を大盤振る舞いしたおかげで、住人たちからの反発起きていない。今は感謝していてもどう転がるかはわからないので油断はしていない。

 獣人や動物たちは可能な限り保護している。

 おかげで獣人たちの数も増えた。

 各町を結ぶ交通網の発展、それに魔道具を用いた移動手段も実用化に至った。

 環状線を引くのは苦労したが、その苦労に見合う物流の革命が起きた。


 カイ達の部隊による情報収集は大陸全土を網羅した。

 大型の都市は残すところ3箇所、人口比は10対1と圧倒的にこちらが有利だ。

 戦争なんて馬鹿なことはしない、諸悪の根源である魔人と腐った魔法使いを排除すればいい。

 すでに、俺達は力を得ている。

 情報を確認し、問題がないことを判断して、GOサインを出すと、驚くほどあっさりと魔人と魔法使いの排除が実行された。


 こうして、大陸の全ての都市を手中に治めてしまった。


「大陸全土の大規模な魔素溜まり、ダンジョンは全て浄化しました」


「ご苦労さま、ドライアド、これでこの大陸に大規模な探査魔法陣を構築できるんだな?」


「タスクのおかげで各都市のクリスタルを利用した大規模魔法が完成したわ。

 これであの魔人共の企みも探れる。

 おかげさまで精霊王様もお喜びよ、一角とは言えここまで豊富なマナがある場所を作ってくれて」


「この広大な大陸が、一角ね……この星は大きいんだな……」


 現在円状に存在する7つの都市、そして中央に建設中の……王都……はぁ、俺が住む街が急ピッチで建設されている。

 人獣統一国家カンナギ。

 なんの因果か、この俺が王様となってこの国を治めることになった。

 人も獣人も分け隔てなく、上下なく生きる国家。

 今は形式上俺が王様になるが、できれば民主化していきたいと思っているが、まだ基盤が整っていない。これには、長い時間がかかるだろう……


 各都市と王都を、魔人の核、クリスタルで結び、大陸全土を利用した巨大な魔法を構築した。

 過剰な魔物の発生、魔素の発生を防ぎ、そして、魔人達の精霊界への関与の方法、魔人達の所在を突き止めることが目的だ。

 各都市には俺の考えに賛同してくれた魔法使いと、精霊が配置してある。

 風、火、水、土、木、金、日(陽)、月(陰)。


「結論としてはどうなったんだ?」


「この大陸を中心に、周囲は敵だらけね……

 魔人たちがここまで力を持っていたとは思わなかったわ。

 ただ、これだけ正確な地理情報を持っているのは私達だけ、少しづつ取り戻して行きましょう」


 マナを高め闘気となす獣人は魔人の天敵、各大陸では獣人達は間違いなく酷い扱いを受けている。

 俺は、獣人や動物たちのために、魔人と戦う。

 人間は、まぁ、ついでだ。

 獣人との共存に異を唱えるのならば出ていってもらう。

 

「魔素を取り除けば、獣人への心理的嫌悪感は消失していきます。

 人間との共存も可能ですよ」


 カイが俺の考えを読んで助言してくる。

 すっかり立派な文官になった。

 なくてはならない右腕だ。


「現在海軍の戦力を急ピッチで増強中よ、とにかく船がね、時間がかかりそう」


 カフェは軍事の中心となっている。

 総指揮官としてその責務に十分に応えてくれている。

 この国の王は、女王の方が強いなんて言われているらしいが、カフェは可愛いぞ?


 マナによる修行を行う上で、マナを利用した魔法を使える人間も増えた。

 魔素を使うより難易度が低いので、10人に一人くらいは魔法使いの素質がある感じだ。

 まだまだ練度は低いけど、いずれ魔法部隊も構成できるはずだ。


 教育によって増加した人口以上の生産力の増強につながっている。

 魔物という日常に潜む外敵への労力を別のものに向けられるのも大きい。

 提供できる知識はどんどん提供して、この国をもっと豊かなものにしていきたい。


 と、色んな夢を実現するために膨大な仕事量を必死にこなしていた俺だったが……

 順調なときほど邪魔が入る。


「タスク様、海上に敵影を確認いたしました」


「とうとう、来たか……」


 魔人軍が、我らカンナギ国に侵攻してきたのだった……


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[一言] お一気に進んだ! グダらないし続きも楽しみ!
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