↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/60

第四十七話 話し合い

 魔人付きだった魔法使いは、その巨体を寄せ合い震えている。

 俺は残った二人の魔法使いに向き合う。


「お前たちなら少しはまともに話ができると思うんだが、どうだ?」


「こうなっては抵抗しても仕方ありません」


「右に同じ、ただ、そいつの方が頭が回るから、話すならそっちにしたほうが早いですぜ」


 一人はブラウンの髪を束ねて後ろにまとめている。

 確かに冷静で知的な雰囲気がある。

 もうひとりは金髪を短く刈り込んでいる。

 二人は共通して一見細身だが、よく鍛え込まれている。

 実践を経験している人間特有の凄みみたいなものを感じる。


「では、自己紹介ししておこう。

 俺がお前たちが攻める予定だった()()調()()()()()()()()()を一応治めているタスクだ」


 敵軍の中での俺らの位置づけはそんな程度だ、どうやら景気のいい街があるから吸収してやろう。

 植民地化してそこから益を吸い取ってやる。

 そんな考えから手を出してきている。

 反撃を受けることさえそれほど考えていない。

 それほど、舐めきっているんだ。


「ま、あんたらが舐めきってくれたからこそ、無駄な争いをしなくて済んだんだがな」


「……やはり、口車に乗るべきではなかったな……」


「はっ、口車ねぇ……脅しだろあんなもん」


「う、うるさいぞお前ら!!」


「お、お前らが出向くと言うから我らも手伝ってやろうかと……!」


「何を言っても我らは敗軍の将……」


「戦えもせずに負けるとはな」


「ひ、ひぃ……た、タスクとか言ったな、いやおっしゃった……

 た、タスク様、か、勘違いなんじゃ!」


「そ、そうである! 

 わ、我々は、その友誼を、そうじゃ友誼を結ぼうとしていたのじゃ!!

 そ、それを勘違いして、そちらが急にこんなことを!!」


「はぁ……」


「ひ、ひぎゃあーーー!!!」


 俺のため息で、馬鹿な魔人つきの一人の手首がぼとりと落ちる。

 カフェが綺麗に切ってくれたので、切断面は一瞬で綺麗に凍結する。 


「嘘は嫌いなんだよね、俺」


 そのままギャーギャーとうるさいから、手首を元通りにくっつけてやる。


「今の技は……魔法、ではない……」


「何だ今のは、魔法を使ったときの嫌な感じがしねぇ……」


 二人の魔法使いは俺のやったことに驚いている。

 魔人つきの無能はただ痛みと恐怖に怯えている。

 やはり、ガリウスと同じような感じかな……

 俺は二人の魔法使いに興味を持った。


「カイ、そっちのうるさいのを使って敵兵とやつらの街を抑えてきてくれ。

 無理なら、まぁ、後でやるか……出来る範囲で構わない」


「わかりました」


「ひ、ひーーーーー!!

 誤解じゃ!! 誤解なんじゃ!!」


「話を、話を聞いてくれ!!」


 よく喚く肉の塊が連れ出され、ようやくテントの中が静かになる。


「二人共、名前を聞いていなかったな」


「私はルーケウス」


「俺はフェルだ」


「腕輪は外せないが、もう拘束もいらないだろ。

 変な気は起こさないでくれよ、たぶんこちらのほうが強いが、一人でも傷つけられたら、殺さなければいけなくなる」


「ありがたい、もう、完全に白旗ですよ」


「残念だが、一人、腕の一本も折れたらラッキーってとこだからな」


「はは、なかなか血気盛んで嫌いじゃない。

 何なら後で手合わせを願いたいくらいだ」


「はっ! やるなら手加減できねぇぞ?」


「俺も結構やる方だぞ?」


「フェル、今はそっちの気は抑えてください」


「あー、わかったよ。任せた」


 そう言うとテーブルに座って腕を組んで話しを聞く体勢になる。


「それではルーケウス、どういった経緯で今回の遠征に?」


 それからはこちらの集めた情報とほとんど同じだった。

 ルーケルス、フェルの守る小さな町、住人の一部を人質に取られ、無理やり今回の軍に従軍させられた。今回の作戦が終われば、正式に配下とさせられるだろうって話だ。


「二人の実力なら、あんなデブども相手じゃないだろ?」


「魔法の火力だけならあの豚、しつれい3名のほうが上です。

 接近戦なら相手になりませんが、みなさんが始末してくれた側近が……ね」


「女は殴らねぇ……」


「先に言っておくが、あいつらは魔人だ」


「なっ!?」


「はぁ!?」


「それと、お前たちが使っている魔法、あれは環境を汚すから使わないほうが良い。

 望むなら、詳しい情報と、もっと良いものを教えるけど、どうする?」


「……我々の生殺与奪の権利はそちらにある。

 断ることなど出来ないと思いますが」


「いや、二人がどちらを選ぼうと開放する。

 それに君たちの街の住人はすでに保護している。

 護衛付きでそれぞれの街へと送っているよ。安心してくれ」


「……感謝の言葉もありませんタスク様、私は今回のことで自分の限界を知りました。

 どうか、タスク様のもとで働かせて欲しい」


「俺は……喧嘩してみて決めるぜ!」


 ニヤリ、おもわず口角が上がっちゃうね。

 それから、フェルを完膚無きまでボコボコにした。


 こうして俺は、信頼できる魔法使いを、また二人仲間にすることが出来た。

 俺にボコボコにされたフェルを見て、


「うわー、カッコつけなくてよかったー……」


 とルーケルスがつぶやくのを聞いて、思わず笑ってしまった。  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >>では、自己消化ししておこう _(:3 」∠)_トロ~リ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。