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30―校外演習の準備




 8の月も半ばを迎える。

 ショーマ達クラス6は今まで以上に魔法の課題が難しくなる。なぜなら、校外演習の行われる10の月まで1月半を切ったからだ。


「西の森には魔物が生息しているからね。今のままだと、赤の魔物から逃げる事も叶わない可能性がある。しっかり励む様に」


 ブラウンは生徒達に脅しの様な発言をしつつも発破を掛ける。


 今までショーマ達が教わった魔法は、「ライト」「ボール」「アロー」「ウォール」「レイン」「ヒール」の6種類。


 「ライト」は(レイ)の灯を出す魔法。暗がりを明るく照らす。

 「ボール」は全属性の球体を作る魔法。攻撃できる。

 「アロー」は(ファイ)(ウォタ)(エア)(ソイ)の各属性の矢を作る魔法。攻撃用。

 「ウォール」は(ファイ)(ウォタ)(エア)(ソイ)の各属性の壁を作る魔法。魔法防御の際に有効。

 「レイン」は(ファイ)(ウォタ)の雨(半径3m程)を降らせる魔法。撹乱に有効。

 「ヒール」は(セント)の力で、傷を癒す魔法。魔力を大量に込めれば大怪我も治す事ができる。ただし、病気は無理。


 他にも有用な魔法があるらしいが、あまり覚え過ぎると咄嗟に何を使えば良いのか分らなくなる為、必要最低限の魔法を強化する方針らしい。

 ショーマとジョージはほぼ全属性の短縮詠唱をマスターしつつある。他の生徒も自分と相性の良い属性は短縮詠唱を使える様になってきた。


 ちなみに、魔物の色と特徴は以下の通り


 赤-防御力特化、動きが遅い

 黄-物理攻撃特化、魔法は苦手

 緑-魔法特化、防御力は低い

 青-機動力特化、攻撃力は低い

 黒-何においても逃げるべし


 基本的に平民コースの校外演習は、魔物に遭遇したら逃げる様に指導されている。貴族コースでも、高等部(15歳以上)にならないと魔物を討伐することは無い。

 では何の為に校外演習があるのかと言うと「魔物の驚異を肌で感じる事」の一言に尽きる。また引率の教師には「森に変わりが無いかを確認する事」が任されている。




  ◇◇◇




 9の月に入り、貴族コースの授業も再開された。

 ショーマとジョージは連日の勧誘から解放され、伸び伸びと過ごしている。


 休みである5日の朝、ジェレミア達王子トリオはショーマとジョージを訪ねて平民寮へやってきた。当然のことながら、寮は大混乱となる。

 先月から始まったばかりのクラス8と卒業間近のクラス4の生徒は突然やってきた王子トリオに面食らい、各自の部屋へ退散する。

 寮母のナタリーは流石に肝が座っており、彼らを食堂に案内するとお茶などの用意をして食堂を後にした。

 たまたま食堂にいたショーマは、ドアから入ってきたジェレミア達に驚きつつも相手を務める。


「突然どうしたの?こっちに来るなんてびっくりしたよ」


「ちょっと勧誘にな」


「あ、ジョージだよね?そろそろ下りて来る頃だよ」


「いや、ウィスもだ。卒業したら俺の元で働かないか?」


「俺は国に帰るから無理だよ」


 しかも、これからクーデターが起こるんでしょ?そんなの面倒だから絶対やだ。


「やっぱりウィスは無理なんだって」

「ウィスは留学生ですからね。もとより無理な話なんですよ」


 そこへジョージが部屋から下りてきた。


「皆様、おはようございます。今日はどうしたんですか?」


「おはよう。今日は卒業後の勧誘に来たんだ。ジョージは俺の元で働いてくれないか?」


「なるほど。折角のお誘いですが、すでに雇われている身ですので難しいです。申し訳ありません」


 ジョージの断りにイアンは尋ねる。


「すでに雇われているというのはどういう事ですか?」


「サオラの領主様の農場で家族と共に働いて居るので、今更他の職業はちょっと難しいです」


「なるほどな。分かった。邪魔したな」


 ジェレミアはあっさりと引き下がった。


「あれ?もう帰っちゃうの?」


「ああ、これでも忙しいんだ」


「そっか。じゃ、またね」


 ジェラルド達を見送ると、ショーマはジョージに尋ねる。


「ジョージ、断っちゃってよかったの?」


「僕一人では決められない事なので」


「なるほどね」


 ジョージが本格的に悩むのは、きっと王様から直々に勧誘されたらだろうな。




  ◇◇◇




 9の月も終盤になると実践的な魔法の訓練も功を奏し、クラス6の面々は短縮詠唱をマスターしていた。

 ちなみにショーマは毎日特訓している成果か、一部の魔法は想像力(無詠唱)で発動出来るようになったみたいだ。しかし、ブラウンからの指示でその事は隠している。


 ある日の早朝、ショーマはブラウンに威圧について尋ねる。


「威圧かぁ。ウィステリア君なら簡単に出来るよ」


「え?そうなんですか?やり方教えてください!!」


「良いよ。先ずは隠蔽魔法の外側にもう一層魔力を纏って」


「こうですか?」


「うん、出来てるね。次に纏った魔力を一気に発散させる」


 ショーマの回りが一瞬煌めく。


「今のでどうでしょう!」


「良い具合だね。今度は魔力を発散させ続けてみようか」


「はい!」


 ショーマはまた魔力を纏い、周囲に発散させ続けた。


「今の状態が全方向への威圧だよ。後は、発散させる魔力に指向性を持たせれば一方向への威圧になる。私に向けてみて」


「こういう事ですか?」


 ショーマはブラウンに向けて魔力を発散させた。


「そう。それが一方向への威圧だよ」


 ショーマは威圧を解いた。


「はぁ、何だか疲れました」


「馴れないと集中力を使うからね。今度人型の魔物に出会ったら使ってみたら?」


「試してみます」


 ショーマは朝練時に剣術と共に威圧も練習するようになった。




  ◇◇◇




 10の月がやってきた。


「来週から校外演習が始まります。今から配るリストを元に、この休みで準備をするように。

 初回の演習は一泊二日。最終的には三泊四日まで延びるから、その事も想定して用意しよう」


 ブラウンから配られたリストは以下の通り。


 ・護身用武器(無い者は要相談)

 ・杖 ・靴 ・鞄 ・着替え

 ・教科書(不安な者は持ってくる事)

 ・マント、テント、寝袋(当日学校より貸出し)




 ショーマの装備は以下の通り


 ・シンプルなナイフ

  洞窟()の倉庫に転がっていた

  使用金属は不明

  刃渡り20cm程

  切れ味抜群

  西部遠征時からの相棒


 ・ショートソード

  世界樹製

  ソラの削り出した木剣

  全長60cm程

  鉄製より強く軽い

  切れないがとにかく硬い


 ・杖

  世界樹製

  白金コーティング

  指揮棒型

  魔力効率が非常に良い


 ・麻の服(一般的な町民の服装)

 ・革の靴(ブーツ、疲れにくい)

 ・革の鞄(数日分の着替え入り)

 ・教科書(複製品(コピー)




 さぁ、準備は整った!西の森にはどんな魔物が居るのかな?


 ショーマは逸る気持ちを押さえきれず、若干寝不足な状態で演習初日を迎える。





ショーマ「おー、今回は見事に2ヶ月ぶっとばしたねー」

朝木  「ぜーはーぜーはー。おお、やってやったぜぇー」

ショーマ「とりあえずお疲れ」

 ショーマは朝木に飲み物を渡す。

女神様 「ちょっと朝木、こっち来て正座」

朝木  「え?なんで?」

女神様 「良いから早く」

 女神の前に正座する朝木。ショーマは隣で胡座をかいている。

女神様 「後書きで遊ぶのは良いんだけどさ、重要な説明が結構抜けてるよね」

朝木  「えー?その都度説明してない?」

女神様 「さっき読み返したんだよね」

朝木  「うわー。10万字超えたの読み返したんだ」

女神様 「まずそれ!10万字超えたのどうして言わないの!」

朝木  「はっ!前話アップした時に書き忘れました!!」

ショーマ「それは朝木が悪い」

女神様 「それから、私がショーマ君の心の声が読めない事が書いてないよね?」

朝木  「あー、それは別に良くない?」

女神様 「そのせいで私、アホの子みたいになってる事があるんだけど!?」

朝木  「それは、まぁ、しょうがないよね」

ショーマ「朝木!引き続き俺の心の声は読めない方向で是非お願いします!女神リンクも今のままの運用で是非!」

朝木  「大丈夫!そこは変える気無いから」

女神様 「あと、私、駄女神じゃない」

朝&ショ「え?」

女神様 「私は駄女神じゃない!!なによ!あの謎の声!あれって「わー!!それは言っちゃダメー!!」

 朝木とショーマは慌てて女神の口を塞ぐ。

朝木  「女神様、退場!!」

女神様 「わ、ちょっと、まだ言いたいことあるんだってばー!!」

 女神はショーマに連れられて行った。

朝木  「はぁ。危うくネタバレされるとこだった」


 女神様が荒ぶる回になってしまった…orz

 女神様はショーマの心の声は読めません。

 ショーマが転生者だからだと思います。たぶん。



 今回みたいに会話を少な目にすればちゃっちゃか進むんですけどね。

 でも、技量が無いのでつい会話に頼ってしまいます。

 そんなだから、魔法学校編だけで30話とか行っちゃうんですよねー。!Σ( ̄□ ̄;)



 次回は心置無く森に行けます!

 ええ、大切なのは日々の研鑽と装備です!笑



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


 またまたブックマークが増えました♪

 ありがとうございます( *・ω・)ノ


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