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29―潜入理由/勧誘合戦




 ショーマは女神リンクを繋いだ。


「女神様、ただいま」


 ―――お帰り。さっきはギリギリだったね。


「ホントだよ。ところで、仕事の方は大丈夫だった?」


 ―――シド君、あの後裏は取れた?


『ああ。やはり繋がっていたよ』


 ―――やっぱりね。


「ねぇ、女神様。今回の仕事は結局何だったの?」


 ショーマは首を傾げる。


 ―――ごめん。言ってなかったね。今、シャインレイ王国が武力を集めてるって情報を掴んだから、何に使うのかな?ってシド君に調べて貰ったの。


「ふーん。あれか、悪魔な女神様の仕事か」


 ショーマはぽんと右手の拳で左手を叩いた。


 ―――そうそう。よく覚えてたね。戦争になりそうだったら止める予定だったんだけど。違うんだよね?


『そう。今回はクーデター用に集めてるみたいだよ』


 シドが女神の質問に答える。


「クーデターって、政権交代的な?ジル達は大丈夫なんですか?」


『たぶん大丈夫だろうね。コーネリアス相手に成功させるのは無理だから』


 ―――やっぱり、王様は知ってるんだ。


(むし)ろ、彼は知っていて泳がせているよ。放っておいても自力で解決するだろうね。

 ちなみに、クーデターの首謀者はアンダーソン、協力者筆頭はウェラー。後は取るに足らない貴族達だね』


 あれ?ウェラーって、最近聞いたような。どこだったかな。


 ショーマは二人との会話もそこそこに、引っ掛かりを解消しようと考える。


 ―――アンダーソン。あぁ、あの狸みたいな顔の人か。だったら問題ないね。


 ウェラー、ウェラー、うーん。


『あのコーネリアスが本気を出せば、彼らではどうにもならないだろうね。彼は今のシャインレイでトップの魔法師だから』


 ウェラーって何だっけなー。


 ―――ホント、王様が最強とかズルいよね。


 ショーマは閃いた。


「あー!ウェラーってジョージの親戚だ!!」


 ―――急にどうしたの?


『ジョージ君はウェラーの親戚なのかい?』


 ショーマはジョージとコーネリアスの会話を二人に話す。


 ―――なるほどねー。ジョージ君はたぶん巻き込まれるね。


『だろうね。だからコーネリアスはジョージ君の事を確認したのだろう。正に打って付けだからね』


「うってつけって、どういう事ですか?」


『今回の事で、ウェラーは罰を免れない。となると、三大魔法家の一端が絶える事になる』


 ―――でも、ジョージ君は血の繋がりは有るのに無関係。となると?


「ウェラーの血を絶やさずに済むって事?」


 ショーマは自信無さげに答える。


 ―――半分正解かな。ウェラーの血を引くジョージ君を当主に据えれば、ウェラー家は存続出来るって事だよ。


『実際にはコーネリアスの側近辺りが後見人になって、ある程度自分でこなせる様になるまでは勉強の日々だろうね』


「色々大変そうだなー」


 ―――そうだね。でも、まだまだ先の話でしょ。クーデターもまだ起こってないし。いつぐらいの予定か分かる?


『そうだね。クーデターは最短で年明け、遅くとも2年の間には起こるだろうね』


 ―――意外と早いね。もうそこまで準備出来てるんだ。確かにみんなちょっと連絡が遅れたって言ってたけど。


『今は彼らがこちらに居ないから仕方ないよ』


「そう言えば、こういう仕事は魔族の人達にお願いしてるんじゃないの?何故今回はシドさんが調べたの?」


 ―――いつもは鳥人族(とりびとぞく)の人達にお願いしてるんだけど、今他の国に出張してて空いてる人が居なかったんだよね。だから急遽シド君にお願いしたの。


「へぇー」


『魔力体の私では城まで辿り着けないから、ウィステリア君に運んでもらった訳だよ』


「なるほどー」


 ―――ちなみに、街中(まちなか)にも魔族の人達は住んでるよ。


「ぇえ!そうなの!?」


『髪と目が黒く無いだけで、本当に気付かないものだよね』


 ―――見た目は人間と同じだもん。しょうがないよ。


「でも、魔力は魔族の方が多いんだよね?すぐにバレない?」


 ―――基本的にはそうだけど、色素の薄い子達は人間位の量しか持ってないよ。


『身体能力は魔族の方が断然上だけどね』


「そうなんだ・・・」


 ―――ま、とりあえず今回のお仕事は終わりって事で!あとは王様にお任せしましょ!




 ショーマは女神リンクを切り、シドを見送ると夕食を食べる為に食堂へ降りた。




  ◇◇◇




 8の月に入ると、ショーマとジョージはジェレミア達の予想通り、貴族達の猛アプローチを受けていた。


「是非、(わたくし)の元で働いてくださらない?」

「私の家に来て貰えないだろうか」


「いや、俺は卒業したら国に帰るので」

「僕も故郷(くに)に帰るので折角ですがお断りさせて頂きます」

「「では!」」


 二人はダッシュで平民コースのエリアへ逃げ込む。


「ここまでは追って来ないよね?」

「大丈夫みたいですね」


「二人共朝から大変だね」


「「ひっ!!」」


 二人は背後から声を掛けられ、揃って声を上げた。振り向くとそこにはキャサリンが居る。


「そんな、魔物に合ったみたいな声出さないでよ。私だって傷付くんだからね!」


「なんだ、キャシーじゃん。脅かさないでよ」

「また新な手合いが現れたかと思いました」


「それにしても二人は人気だね。私の所には殆ど貴族の人達来ないよ?」


「なんで?ズルくない?」


「キャシーさんも僕達と条件は同じ筈なのに」


「あれじゃない?王子様と仲良しだからとか」


「ジル達のせいか!まぁ、俺は卒業したら帰るから良いけど、ジョージは大変だよね」


「僕も卒業したら実家の手伝いをしないといけないので帰りますけどね」


「そう言えば、なんでジョージ君は農じゃなくて一般なの?農だったら家業持ちだから貴族からの勧誘は無いハズだけど」


 家業が有ると勧誘されないんだ・・・。あれ?俺はなんで勧誘されてるの?猟師も家業だよな?


「僕の実家は領主様の農場で雇われているんですよ。自分達が農地を持っている訳では無いから一般なんです」


「そうなんだ。ジョージ君も色々と大変なんだね」


 猟師って、もしかして自由業なのかな?だから勧誘されてるのか!


 ショーマは一人納得をしている。


「僕は貴族のお屋敷で働く事は無いですから、勧誘されても困りますね」


 あ、ジョージ。王様からは逃げられないよ。御愁傷様。


 ショーマはジョージに向かって、手を合わせた。


「ちょっと、ウィス?なんで、僕に向かって拝んでるんですか?」


「ジョージの未来に幸福がありますように!」


「あははは!ウィス君、めっちゃ他人事じゃん!」


「はは!他人事に違い無いでしょ!」


「ウィス、絶対に君を道連れにします!」


 ショーマ達はわーわーと騒ぎながら、教室へと入って行った。





ショーマ「ねぇ、朝木。次回予告詐欺になってない?」

朝木  「あれー?おかしいな。色々動く予定だったんだけど…」

ショーマ「まぁ、それが朝木の仕様だよね」

朝木  「ぐぅ」


 なんでこうなるんですかね。ちゃんと細部を考えてない証拠でしょうか・・・。(T-T)



 女神様達のお仕事内容はこんな感じでした。

 そして、勧誘合戦が始まりました。ショーマには関係ないけど鬱陶しいみたいです。



 次回は二ヶ月程一気に進めたいと思います!

 大したイベントも起こらないので…f(^^;



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/



 ブックマークまた増えてました!

 毎度ご利用ありがとうございます♪ヽ(´▽`)/

 え?違う違う!

 応援ありがとうございます(*・∀・*)ノ


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