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28―色溢れる光景/脱出ミッション




 ショーマは大浴場から逃げるように客間へ戻った。


「おはよう。どこへ行ってたんだ?」


「おはよ、ジル。朝風呂に入りに大浴場まで。ところで(みんな)は?」


「もうすぐ夜明けだからな、バルコニーに出てる」


「なるほど!朝焼けの街だね!俺も見たい!!」


 ショーマは急いでバルコニーへ出る。

 ちょうど朝日が昇るところだった。


 朝日は家々の白い壁を照らし、徐々に街は色を取り戻していく。

 港は日の出と共に開いた水門目掛けて、色とりどりの旗をはためかせた船が賑わう。

 夜とは違い、目に写る光景は色が溢れていた。


「はぁー。荒んだ心が癒される・・・」


「うん?風呂で何かあったのか?」


 ショーマの独り言に後ろから来たジェレミアが話しかける。


「いや、何でもないよ」




 サワサワと朝の清々しい風が吹き抜けた。




  ◇◇◇




 ショーマ達は昼食を取ると、客間に向かった。


「俺、ちょっとトイレ行ってくるね」


「一人で行けるか?」


「子供じゃないから大丈夫だよー」


 ショーマは心配するジルにヒラヒラと手を振り、一人トイレに向かう。




 ショーマはトイレに着くなり女神リンクを使う。


「女神様!!」


 ―――やっとショーマ君と連絡取れた!


「なかなか一人になれないんだよ・・・。

 そんな事より!まだシドさん帰ってこないんだけど!!」


 ―――それが、人が多くて客間に辿り着けないみたいなんだよね。


「辿り着けないって、今どこいるの?」


 ―――今、エントランスの大階段の所に居るってから、帰り際に回収してあげて。


「回収って、どうやって?」


 ―――えっとね、近くに着いたら私が合図するから、鞄を開けてくれる?


「分かった。リンクは繋ぎっぱだね?」


 ―――そうしてくれると助かる。


「はいよ」


 ショーマは女神リンクを繋いだまま、客間へ戻った。




  ◇◇◇




 ショーマとジョージは帰る準備をする。準備が終わった所を見計らって、ジェレミアが声を掛けた。


「じゃあ、そろそろ出るか。ジョージ、ウィス、忘れ物は無いか?」


「僕は大丈夫です」


「俺もとりあえず。もし何か忘れてたら学校に持ってきてよ」


 ジェレミアの問い掛けにショーマは当然の様に返した。


「な!?ウィス!ジルに小間使いみたいな事をさせないでください!」


 イアンはさらっととんでもない事を言うショーマを(たしな)める。


「え?忘れ物してたら持ってきて貰うのが一番早いじゃん。俺じゃお城まで来られないし」

「それはそうですけど、ウィスが忘れ物しなければ良い話ですよね!?」

「俺だって、ちゃんと確認したよ。その上で可能性の話をしただけだって」

「ぐぬぬ、また屁理屈を言って!」


 ショーマとイアンの言い争い(?)をヒューイとジョージは遠巻きに見守る。


「あはは、イアンとウィスは仲良いね」

「お風呂の一件からでしょうか」

「俺もそう思うよ。イアンもウィスをやっと認めたみたいだ」


 イアンはヒューイの発言を拾い、抗議する。


「私はまだウィスを認めてません!」

「えー。俺、やっとイアンに認められたと思ったのにー。ショックだなー(棒読み)」

「心に思ってもいない事を言わないでください!」

「それは悪かったね。でも、ホントそろそろ認めてよ」

「こんな不敬な奴をジルの友人として認める訳が無いですよ!」


 ジェレミアは溜め息と共に、二人を止めた。


「まったく。二人共そろそろ終わりにしろ。それと、ウィス。もし忘れ物があっても手元に戻るのは一月後だからな」


「一月後?なんで?」


「ジル様達貴族コースは8の月がお休みなんですよ」


「へぇー。貴族には夏休みがあるんだ」


 ジェレミアは憐れむ様にショーマとジョージに話し掛ける。


「これからお前達二人はかなり大変だろうな」


「え?なんで?」


「俺達貴族が休みって事はね、平民コースの時間割りが意味を成さないって事だよ」


「貴族達が君達を自分のモノにするために、虎視眈々と狙っていますからね」


「えっと・・・それはどういう事ですか?」


 イアンとヒューイは人の悪そうな笑みを浮かべる。


「まさか、知らないの?これから狩りが始まるんだよ。」


「獲物は君達、クラス6ですね」


「はぁ!?」

「獲物・・・」


「イアン、ヒューイ、あんまり脅すな。まぁ、あれだ。魔法を使える平民を自分が使える手駒にしようと、貴族達はお前達に声を掛けて来るようになるって事だ」


「な、なるほど」

「今まで通りに平穏無事とはいかない訳ですね」


「みんな手ぐすね引いて待ってるよー」

「待ち伏せだって日常茶飯事ですよ」

「まぁ、頑張れ」


 ―――ショーマ君はすでに王様からスカウトされたよね。


 それ、今言わないでよ。思い出したくなかったのに・・・。


 ショーマは今まで静観していた女神にトドメを刺され、盛大な溜め息を吐いた。




  ◇◇◇




 ショーマとジョージは馬車で東門まで送って貰いこの二日に合った色々な事を語りながら寮へと戻った。




 ショーマは部屋へ戻ると、とりあえず鞄からシドを出す。


「シドさん、大丈夫ですか?」


『大丈夫だよ。心配掛けたね』


「一時はどうなるかと思いましたよ。なかなか帰って来なくて」


『私もまさか客間に辿り着けないとは思わなかった』




 ~~ 帰り際のショーマ達 ~~


 ―――ショーマ君、鞄が左側になるように掛けて。


 ショーマは右肩に鞄を掛け直した。


 ―――大階段は左側に寄って。


 ショーマはすすっと左に寄りつつ、最後尾に着く。


 ―――後少しだよ。3、2、1、今!


 ショーマは女神の合図に合わせ、サッと鞄のかぶせを上げた。


 手摺のスキマに隠れていたシドが、スッと鞄に潜り込む。


 ショーマはパタンとかぶせを閉じた。


 ふぅ。なんとかなったー。


 ―――ミッションクリ「ウィス、何してる?早くしろ」


 ジェレミアが振り返り、ショーマは肩をビクッとさせた。


「っ!!ごめんごめん。手摺の彫刻に見惚れてて。すぐ行くよ」


 ―――あ、あぶなかったー。


 心臓止まるかと思った・・・。


 ~~~~~




「あんな泥棒みたいな事を自分がするとは思わなかったです」


 天下の大泥棒の三代目みたいなね。実際やると心臓に悪すぎる。


『確かに今回の仕事は泥棒みたいだったね』


「あははは」


『おっと、女神様がリンクを繋いでって言っているよ』


「分かりました」


 ショーマはそう言って、女神リンクを繋いだ。





朝木  「ショーマ、そろそろアレしようと思うんだけど」

ショーマ「アレって何?」

朝木  「アレはアレだよ」

ショーマ「だから、何だよ!」

朝木  「あれ?何だっけ?」

ショーマ「・・・」ガックリ


 昨日までは覚えてたんですけどね。何だったかなー。

 これは面白い!ってにやけた記憶はあるんですよね…そのうちきっと思い出すでしょう(;・ω・)



 ショーマはギリギリでシドを回収しました。危なかったー笑



 次回は色々動きます!



 応援して頂けると嬉しいです(^^)

 訪問だけでも大感謝(^^)/


 最近はアップする度にブックマークが増えていて嬉しいです!

 応援ありがとうございます!(ノ´∀`*)えへへぇ


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