27―お風呂場の攻防2
※…11/1 誤字報告修正
「俺は、カルメーナの血を引く者です」
~~ 寮での作戦会議 ~~
「女神様、城に行ける事になったよ。7の月の30、31日だね」
―――ありがとう!助かる!!じゃあ、ちょっとシド君と、話すね。あ、リンクはそのままで。
「はいよ」
―――あ、もしもしシド君?例の予定が決まったからさ。うん。7の30、31日。うんうん。じゃ、今ちょっとショーマ君の部屋に来れる?
「は?」
―――分かった。待ってるね。
「え?女神様、どういうこと?」
―――今シド君が飛んで来るから、ちょっと待っててね。
「飛んで!?」
―――そう、飛んで。
『やぁ、ウィステリア君』
「!?」
その時、窓から紫茶のドラゴンが入ってきた。そのままショーマのベッドへフワリと着地する。
ドラゴンのサイズは10cm足らず。しかも透けている。
「えっと・・・ドラゴンだから、シドさん?」
『そうだよ。この姿で会うのは初めましてだね』
「なんか新鮮ですね。でも、なんで透けてるんですか?しかもちっちゃい。あ、触れるんだ」
ショーマは目の前のドラゴンをペタペタと触りながら尋ねる。
『あぁ、これは魔力で作った分身だから小さいんだ。それに急いで来たから使用魔力が足りなくて透けてしまったね。ちなみに、私の実体は部屋で普通に過ごしているよ』
―――お城の調査は、そのシド君にお願いするの。ショーマ君がお城に入ったら、鞄から出してあげて。
「え?鞄に入れて連れてくの!?」
『あぁ、そうみたいだね。この身体は重くないし、邪魔にならない様に気を付けるから』
ショーマはシドを持ち上げ、ほんとに軽いと驚いている。
「わかりました。潰さない様に気を付けます」
『ははは。よろしくね』
―――シド君が調べてる間、ショーマ君は普通に観光してていいから。
「わかった。それより、本当にシャインレイの王様と会うかな?」
―――息子の友達が家に来て、自分が在宅なら会うでしょ。
「そりゃそうだけどさ。でも俺の正体に勘付くかな。自分で言うのも何だけど、何処から見ても普通の人間でしょ」
『彼は聡いからね。流石に魔族だとは分からないだろうけど、只の人間とは思わないだろうね』
「バレたら面倒ですよね。女神様、何かある?」
―――うーん。
『女神様、カルメーナはどうだろうか』
―――そうだね。カルメーナにしようかな。
「カルメーナ?」
―――そう、カルメーナ。昔、ラリーセ大陸にあった魔法大国だよ。
『私達夫婦がお世話になっていた国でもある』
―――そうそう。滅ぼしちゃったのもシド君とカエデちゃんだけどね
女神の言葉にショーマは目を丸くした。
「え?今、さらっと聞こえたけど、滅ぼした!?」
『恥ずかしながら、人間達とちょっと喧嘩して』
シドは前足の爪で器用に頬を掻く。
―――ちなみにそれが原因で、ラリーセ大陸は今もほとんどが荒野なんだよね。
ドラゴンの喧嘩、スケールがとんでもねーよ!!
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学校仕様のショーマ設定
名前-ウィステリア、性別-男、年齢-13歳
父親-スカイ、職業-猟師
母親-チェリー、職業-なし
出身国-プラン王国、出身地-シェード近郊の山村
概要1-プラン王国の魔法学校が現在開校していないため、ラアイテ魔法学校へ入学を希望
概要2-出身地の村には半年に1度だけ戻り、普段は獲物を追って旅をしている
概要3-旅の途中で火起こしをしている時に魔法が発現した
概要4-父の狩りの腕は超一流
概要5-カルメーナの血を引く者(後日追加)
注意1-この設定は学校卒業後、洞窟に戻るまで有効
注意2-この設定時の保有魔力は通常時の1/10
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「そうか。生き残りは居ないと聞いていたが、居たのか」
「はい」
「魔法大国の生き残りか。だから、私の威圧にも屈せず、ただ緊張するのみだったのだな」
「威圧・・・」
―――そっか!王様は意識的に魔力を飛ばしてショーマ君の様子を見てたんだ!所持魔力が多い程、他人からの魔力に耐えられるから!
成る程。ってか、そういう事は早く言えよ!
「尚更、君が欲しくなったな」
「え?」
―――王様ってそういう趣味!?キャーっ!!
え、いや、え???
「どうだろう。卒業後はこの国で働かないか?」
―――なぁんだ。そっちかー。
いやいや、そっちかーって何だよ!!てか、あっちが何なのか考えたくない・・・。
「――いや、でも、俺はこの国の人間じゃないんで」
「それは知っているさ。プランで猟師をしているのだろう?でも、ここなら魔法師と言う安定した仕事につける。危険もあるが、それは猟師だって同じだ」
―――何でショーマ君が欲しいんだろう。普通に考えたら、他国の人間を引き入れるのは面倒じゃない?ちょっと聞いてみて。
確かに。何か目的がありそうだね。
「──陛下は、俺のどこを見て欲しいと思うのですか?」
「そうだね、先ずはその魔力量かな?私の威圧をまともに食らって耐える者など、滅多に居ないからね。更に、カルメーナという特典まで付いた。この国の王としては、是非とも欲しい人材だよ」
―――ふーん。一応理に適ってるのか。
やっべ!なんか、カルメーナの件で地雷踏んだ気がする!どうする・・・あ!そうだ!!
「──陛下、俺は確かにカルメーナの血を引いていますが、只魔力の多い人間と何ら変わりありません。既に魔法大国と呼ばれていた頃の魔法は全て失われています。それに、近年では魔力の多い者もかなり減り、制御すら儘ならなくなっているのが現状です。そのせいで俺はラアイテ魔法学校に留学したのですから」
―――おぉ!ショーマ君、やるじゃない!さて、王様はどう出るかな。
「そんなに一生懸命説明しなくても良いよ。まだ交渉は始まったばかりだしね。でも、そうか。カルメーナの魔法は失われているのか。残念だな」
コーネリアスはショーマの目をじっと見据え、真偽を確かめようとする。ショーマは挑む様に目を逸らさない。
「──その目、嘘では無い様だね」
コーネリアスはフッと目から力を抜くと、ショーマに笑いかける。
「あの、そろそろ逆上せそうなので出ます!失礼しますっ!」
ショーマはそのタイミングでそそくさと撤退した。
「ふふ。面白い子だな。益々手に入れたい」
コーネリアスは不敵に微笑んだ。
ショーマ「貞操の危機!?」
朝木 「そんな訳無いでしょ!それだったらBLタグ付けるから!」
ショーマ「ホントに?後から付けるの無しだよ?」
朝木 「大丈夫大丈夫!そんなつもりも予定も無いから!」
ショーマ「朝木、俺、信じてるからな!!」
ショーマは王様に何故か狙われているようです。
そして、女神様の手先のシドさん。
絶対カワイイよね!ミニドラゴン!!
そう言えば、小説のタグを増やしました。
『迷走する後書き』です。
いや、迷走はしてないつもりなんですけどね?
良い言い回しが思い付かなくて(>_<)
何か良いの無いですかね?笑
次回はまたのんびりモードに戻るはずです!
応援して頂けると嬉しいです(^^)
訪問だけでも大感謝(^^)/
またブックマーク増えました!
応援ありがとうございます!σ(≧ω≦*)