追撃
「はっはっは、私が誰だか分かるかね?そう!北の最高司令官ブル様だ!あっ、間違えた、スペード師団長のギール様だ!えっ?お前、今、ワザと名前間違えただろって?きっ、君は勘ぐり深いなぁ… じゃ、じゃあ、グッバイ!」
「ガチャ」
北軍の指揮を急きょ任された北軍の兵士がナイフを落とした。
「縁起でもない… 」
そう言い北軍の指揮官がナイフを拾った。
その時、中央軍の接近をしらせる鐘の音が拠点に響きわたった。
そしてしばらくして北軍の指揮官の元へ北軍の兵士がやって来た。
「中央軍が突撃を開始した模様であります!物凄い勢いでこの拠点に攻めて来ました!西門前で現在、前衛部隊が交戦中ですが突破されるのは時間の問題かと思われます!」
兵士がそう報告した。
「そうか… なら兵士達を西門に集めて迎撃するよう命令を出せ」
指揮官が兵士にそう命令した。
「はっ!」
兵士はそう言いその場を立ち去った。
指揮官が命令を出してから、しばらくして南門から火の手があがった。
「軍を二手に分けたか… おい、南門にも兵士達をまわすよう命令しろ!」
北軍の指揮官が近くにいる兵士にそう命令した。
「はっ!」
そう言い命令された兵士はその場から立ち去った。
しばらくして今度は拠点の東側から火の手があがった。
⁈
「なんだと?三方向からだと?ウチの見張りは何をやっているんだ!このままだと囲まれちまうじゃないか!」
北軍の指揮官がそう怒鳴り声をあげ、近くにいる兵士に退却命令を出すよう命令した。
そして北軍が拠点の北側から逃げるように退却して5分程行軍したところで中央軍の奇襲を受けた。
「クソッ!中央軍め!待ち伏せまでしやがって! 」
北軍の指揮官がそう吐き捨てた。
しばらくして北軍の指揮官の前に馬に乗ったギールが北軍の兵を次々と斬りながらやって来た…
「はっはっは、お前が大将か?悪いが貴様の命運もここまでだ!」
ギールは北軍の指揮官らしい男を発見しそう叫んだ。
「お前達… 見張りを… 俺たちの見張りをどうやって突破したんだ!」
北軍の指揮官がギールにそう叫んだ。
「はっはっは、お前達の情報は全て筒抜けなんだよ!」
ギールはそう叫び北軍の指揮官に斬りかかった。
「グサッ」
北軍の指揮官はギールに胸を刺され馬から落ちそのまま息耐えた…
そして北軍が必死に退却して行くところをギール率いる中央軍は追撃しその手を緩めなかった。
こうして北軍との2度目の大戦に中央軍は勝利を収めたのであった。




