中央軍からの知らせ
「やぁ、いつも元気なギールだ。えっ?そう言えば、ちょっと前にミーナに剣で刺された俺の腹はどうなってるの?って?はっはっは、君は細かいところまでいちいちうるさいな… この小説を今まで読んでてなんとなく分かっただろ?そう、実は俺たちには隠れた設定がある… どういう設定かはちゃんと読んでないと分からないだろう。はっはっは、じゃ、グッバイ!」
「ガチャ」
ギールの短刀が何故か落ちた。
「俺の負けですよ… 」
ギールに剣を突きつけられたサウスはうつむきながらそう言った。
「分かったなら軍を退かせろ!」
ギールは剣を突きつけたままそう言った。
「俺を殺せば軍は退却する… 退却させたいなら俺を早く殺せばいい… 」
サウスはそう言い地面に両膝をついた。
「お前の事を殺せるならとっくに殺していた… それが出来ないから、こうやって頼んでるんだ… 」
ギールは剣を突きつけたままそう言った。
「フッフッフッ、ギール殿は甘いお人だ… そんなんじゃ命がいくつあっても足りませんよ… 今日救った命に自分がいつ足元をすくわれる事か… 」
サウスはうつむきながらそう言った。
「はっはっは、そんな事は分かっている!来るなら何度でも来い!そのたびに打ちのめしてやる!」
ギールは剣を腰にしまいそう言った。
「そうですか… なら今日の所はコレで引き上げましょう… 」
サウスはそう言い地面から立ち上がり刺された肩を手で抑えながら南軍の陣に帰って行った… そしてミーナがサウスに付き添い南軍が退却して行くのであった…
そしてギールも陣に戻った…
こうしてスペード師団はギールの活躍により見事第1最前線の拠点を南軍から取り戻したのであった。
サウスとの戦いからしばらくしたある日の事、第1最前線の拠点のテントにいたスペード師団の師団長のところに1人の兵士がやって来た…
「南防衛軍最高司令官より報告です!北討伐に向かっていた最高司令官が暗殺されました!その影響により北討伐軍は総崩れ!現在中央防衛軍も北討伐に参戦した模様であります!南防衛軍もいつ北討伐に参戦するか分かりませんのでその準備をしておいてくれとの事であります!」
兵士は敬礼しながら師団長にそう報告した。
⁈
「最高指令官が暗殺されただと… 」
師団長はそう言い声を失った。
「おいおい… 中央軍は何をやってんだよ… 60万も兵士がいて最高指令官を暗殺されるなんて… 」
師団長の横にいたギールが腕を組みながらそう言った。
「分かった… 準備をしておくと南防衛軍最高指令官にそう伝えておいてくれ」
師団長は兵士にそう言った。
「はっ!」
兵士はそう言いテントから出て行った。
「なんか大変な事になってるな… 」
師団長がギールにそう言った。
「あぁ… そうだな… まったく中央軍も情け無いな、たかだか20万の北軍相手に60万も兵士を出してピンチになるなんて、笑っちまうぜ!」
ギールは腕を組みながらそう言った。
「まぁ、そう言うな… 中央軍の連中は訓練ばかりでほとんど実戦を知らない奴らばかりだ… しょうがないと言えばしょうがない… 」
師団長も腕を組みそう言った。
「中央軍で実戦を知っているのは俺達スペード師団くらいしかいないもんな… 」
ギールはそう言いテントにある椅子に勢いよく座りあぐらをかいた。
「そう言う事だ… 実戦を知って逃げ出す兵も沢山いる事だろうよ」
師団長も椅子に座りギールを見てそう言った。
「あぁ、そうだな… 確かウチにも逃げようとした奴が1人居たけどな… しかも最高幹部で… 」
ギールはそう言った。
「あいつは根っからの臆病だしょうがない… だがあいつの剣の腕は確かだ… 奴が死を覚悟した時、必ず化けるはずだ… その日まで温かい目で見守ってやってくれ」
師団長がそう言った。




