①エクストリーム級のプレイヤー
仮想世界で銃撃戦する大人気のVRMMO「ミリオンバレッツ」が一世を風靡している世界。
金銭と引き換えにチームに加わり、傭兵として生き抜く少女がいた。
舞台は日本・中国・オーストラリアの思想や文化が混在する未来都市「埠頭」。
少女の名はsixenn。シェンは少しずつ世界を動かす潮流に身を投じていく。
メタルギアのエクストリームモードをプレイしたことありますか?
Lol
わけが分からないくらい死にますよね。
xswl。
ー笑死我了。ー
すぐ敵兵に殺されてしまいます。
そんなエクストリーム級の戦場に、今日も立ち続けるプレイヤーがいます。
YYDS!
ー永遠的神!ー
このMillion Bulletsの世界に。
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侵入と同時に見敵、銃より私のナイフが早い。敵兵が倒れてこと切れる。
次の標的を探す。私が倒したのは1人だ。
先ほど一人落としたと無線を受けた。
____残り2人。
視界は通っているが、明かりを太陽光だけに頼る廊下だ。
無線が耳に入った。
「演習場で敵二人と戦闘中。」
私は防災用階段に飛び出すと2人の敵を視認した。すぐにライフルを構える。
2人の内、奥にいる方が遮蔽物に近い。先に仕留める。
距離は2,000m。
ゴッと私の銃が鳴る。ヘッドショット。
もう1人の敵がスナイパーに気づく、身を隠そうとするが、私は静かにヘッドショットをもう一つ取った。
ALL OUT (全滅)
「GAME!」
耳元でゲーム終了が告げられた。
「ふうーーー。」
一息つくと、シェンはヘルメットを頭から外した。現実世界に帰って来た。
脳への電磁的入力による直接的なゲーム体験はそれ以前のものを旧式のものとした。
ゲームセンターでは、依然から人気のクレーンゲーム等よりこうしたVRMMOが大半を占めるようになった。
部屋の鏡の前で髪留めをほどく。
青く染めたセミロングの髪と黒い瞳の、少し無気力そうな少女。
ゲームブースに備えてある鏡は、いつも、ゲームの仮想世界から戻ったばかりの自分に現実を強力に想起させてくれる。
シェンが部屋から外に出ると、3人の男達が集まって騒いでいた。
シェンの今日の雇い主達だ。
「最近の成績ならS級目指せるって。」「4人目の穴どうする?」
リーダーらしき1人が話しかけてきた。
「シェンさんだよね。ありがとう。お陰で勝てたよ。」
「あー。どういたしまして。報酬貰いに行こう?」
1人が払い出し機を操作すると現金が払い出された。
それは円でもドルでもない国籍の無い独自の紙幣だった。
「半分ね。」とシェンが言うと、紙幣が何枚か渡された。
シェンは紙幣を数えると「確かに。」と小さい声で言った。
ミリオンバレッツでは、報酬が全て現金で払われる。
これが諍いの種になることは少なくない。
3人の内1人はシェンと話したくてウズウズしているようだった。
「最後のオールアウト取ったのシェンさんですよね!
約2000をヘッドショット!しかも2連続で!一緒に戦えて光栄です!」
「謝謝。こちらこそ。」
続けて、
「それと今日は場所が近かったから依頼受けたけど、
基本S級しか受け付けてないから次呼ぶ時は気を付けてね・・・。」
「じゃ」と言うとシェンはすぐにその場を立ち去った。
スカートを履いているが、どこかの制服ではないようだ。
背中に質問が投げかけられる。
「シェンさんって学生なんですか?」
問いは無視された。
シェンがゲームセンターから出ると、通りを夕日が照らしていた。
シェンが居る「埠頭」はお世辞にも治安がいいとは言えない。
夜分に女の子が出歩くわけにはいけない。また近場のネットカフェに行かなければ。
シェンに家は無い。12歳の時に家出した。
それから3年の間、金銭を報酬にゲームの「勝たせ屋」「傭兵」として生きてきた。
当初は中国のあらゆるゲームセンターを転戦していたが、去年から埠頭で活動している。
本国にいるより稼ぎがいいのと、取り締まりが緩いので家出少女程度は見過ごされて一石二鳥だった。
埠頭と言っても広く、場所次第でまるで様子が異なる。
シェンは主に安宿やネカフェを転々としているため、貧民街に馴染みがある。
商業区や中心区の方が治安がいいので本来好ましいが、安全には相応のお金が必要なのだ。
今のシェンには買えないものだ。
埠頭はその成り立ちとロケーションから中国、日本、オーストラリア出身の人間が多い。
埠頭に住んでいる人間も居れば、リゾート目的で滞在する者も多くいる。
経済特区に燦然と輝くカジノの集まりを遠目に見ていると、
「ラスベガスというのはあんな場所なんだろうか?」とシェンは度々思った。
社会人風の女性が1人、ゲームセンターの中央にあるモニターを見ていた。
世界中のミリオンバレッツプレイヤーの名前がランキング形式で100位から映し出されていく。
1位には”sixenn”と記されていた。
「・・・神(sixenn)。」と女性が呟いた。
つづく
副題: -One of Million Bullets-
読んで頂きありがとうございます。できれば評価お願い致します。




