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「そうなんでござるか。
それは助かります。
あっ、でも土曜はバンド練習があって。
日曜日は、せっしゃ伯父さんの所でアルバイトがあるでござる」
「それは考慮するよ。
それにフレンチ・サプライズでの出店は吉祥寺だけじゃないんだ。
他には調布と高田馬場、あと六本木の4店舗。
それぞれ4日間の16日。
時給は1,550円の8時間勤務。
交通費と昼ごはんアリ。
出店の際は野々が店長。
ぼくと大神田で収穫から配送なんかを行う。
どう?」
仕事内容はお店の中の入口あたりでの販売。
簡単な屋台のようなものを作って販売する。
野菜と果実は、だいたい半々くらい。
廻琉の頭の中は猛烈に計算している。
目標の20万円はいく。
サーカスの収入を合わせると確実に超える。
廻琉は親からお小遣いをもらってない。
高校生になってからだ。
自分で働いて稼いでいる。
そして勤務地。
吉祥寺は嬉しい。
調布はよくわからない。
高田馬場はなんとなく。
問題は六本木。
1回くらい行ったことがあるかなって程度。
さらに仕事であってもあまりよく知らない土地に行けるのは面白いかもと前向きだ。
廻琉と伶蕗も日程さえあえばぜひやりたいと伝えた。
青山さんから、わかってるのでいいからできない日にちがあれば教えてと言われた。
廻琉の場合は、8月4日から31日までの中で土曜と日曜だけができない。
9月は24日から3学期。
ちょっと変則的な夏休み期間になる。
出店の予定としては8月いっぱいまでになっている。
夏のアルバイトが決まったのはいいのだが、肝心なことを忘れてた。
販売するという野菜やフルーツをいまだに見たことがなかった。
アパートの前に確かに畑がある。
ただし全面的にビニールで覆われていて中が見えない。
入口には東京農工大学特別研究室と株式会社いろいろと書かれた看板が、家にある表札のようにドンってある。
中は見たことがない。
これについても青山さんに尋ねてみた。
ここの畑で作ってるのは野菜のみ。
東京農工大学の研究室ってあるのは盗難防止も関係してるって。
研究室と書いてあれば敬遠されるらしい。
フルーツは東京農工大学の東小金井キャンパス内にある畑で作られている。
タダではなく使用料を月に2万円払ってる。
本当に研究室の管轄ってことになってる。
ふ〜んって廻琉は聞いていた。
そういえば東京農工大学って国立大学。
国立だから自由にできて使用料も安い?
似たような名前の東京農業大学は世田谷区にある私立大学。
一字違いなんだけどまったく別々の学校。
音楽関係のほうでは東京農工大学の文化祭に出演が決定。
それよりも次の高円寺でのライブハウス「音楽少年ケン」のほうが大変かもしれない。
なんといっても有料になるからだ。
文化祭はお試しのような感じで無料。
有料ともなると音だけではなくトータルでレベルアップしていかなければならない。
う〜むと唸ってしまう廻琉。
いよいよ、いよいよな急展開になった。




