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土曜日。
この曜日だけは朝起きるのも苦にならない。
不思議だ。
おかんに言わせると土曜日だけは元気いっぱいだと褒められた。
朝ごはんを食べて、飲みものをとりながらちょっとゆっくりしてから出発。
武蔵境の野々さんのアパートまでは自転車で行く。
廻琉の家からは自転車が最も移動に適している。
廻琉の自転車はちょっとだけオシャレなママチャリ。
背中にギターでハンドル前の籠にその他の荷物。
雨の日、さむ〜い冬、あつ〜い夏はとっても困る。
家には軽自動車が1台ある。
おかんもおとっつあんも乗ることはほとんどない。
もしも免許を取ったならせっしゃが乗ってもよいのじゃろうかと考えてる廻琉。
伶蕗は武蔵境駅までバスを利用している。
だから季節なんかは関係なしだ。
すでに何度目かになるので慣れたものだ。
中央線の線路下だってあらよって感じでくぐり抜けていく。
15分もあれば行ける。
10時から練習ってことになってる。
余裕だ。
ほ〜ら、もう倉庫スタジオが見えてる。
すでに野々さんは中にいるだろう。
廻琉はアパートのほうに向かった。
アパートの敷地内にはちょっとしたスペースがある。
そこに自転車を置くことができる。
自転車を置いた廻琉はギターを背中に荷物は持って倉庫に向かう。
おぉ、ちょうど伶蕗がテックテックと歩いてきちょる。
ヨッと片手を上げて一緒に倉庫に入る。
「おはよでござる」と元気いっぱいの廻琉に対して2人はゆるゆるとした朝の挨拶。
でも準備はテキパキしている。
3人で話し合ってカバー曲を2、野々さんの作った3曲を演奏していくことになっている。
カバー曲の1曲を除いては大幅にアレンジを変えての演奏になる。
基本的には野々さんがアレンジをして3人でまたアレンジを変えている。
この5曲を1曲ずつじっくりと仕上げていってる。
午前中はその中の1曲を演奏しながら細かいアレンジを決めていく。
夏休みが終わるまでに仕上げたいが難航している。
お昼になった。
野々さんの部屋に移動。
今日は3人のみ。
ごはんは野々さんが炊いている。
おかずは伶蕗が家から持ってきてる。
今日は唐揚げだ。
母親が作ってくれた。
お昼は唐揚げごはんだ。
それに野々さんがキムチを出してくれた。
本当にキムチが好きなようだ。
不思議だ。
なんの変哲もない唐揚げごはんなのに、なぜこんなに美味しく食べられる?
これってせっしゃだけがそう感じてるんやろかと廻琉は思っている。




