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廻琉は大学の年間スケジュールを見ている。
2学期は6月13日から8月3日まで。
つまり8月4日からやっと夏休み。
それが9月7日まで。
1ヶ月くらいしかない。
高校生の時はもう少し長かった。
どうすっかなぁとスケジュール表を睨んでいる。
「超真剣」と廻琉の前に座っている橘咲蘭が声をかけてきた。
ここは武蔵野大学の学食。
ちょうどお昼休み。
「夏休みが短いなぁって。
高校の時より10日くらい短い」
「あぁ、そうね。
この大学の時間割っていうか、年間の授業日数とかちょっと変わってるから」
咲蘭の言う通り他の学校とは違って独自色が強い。
1年間を4学期制で休みの日も変則的だ。
夏休みにはアルバイトで稼いでやろうと思っている。
それとバンドの練習なんかもあって手いっぱいになる予定だ。
旅行などと甘いことは言ってられないほど大忙しになる予定になるつもりでござる。
まだアルバイトは見つけてないんだけど。
「あれ、夏休みはどうするでござるか?」
咲蘭は廻琉の紹介で吉祥寺のサーカスでアルバイトをしている。
火曜と木曜の夜6時から10時までで時給1,450円。
仕事内容はウェイトレス。
人気店だからわりと忙しい。
生活面ではかなり助かっている。
バイト代以外にパスタとかの食品も持ってけってもらえたりしている。
「短い期間だけど実家には帰るかな。
1週間くらい」
「そうだ、故郷に帰れるんだ。
せっしゃなんか毎日故郷にいるから変化がないでござる」
廻琉の頭の中には故郷というと山があって川遊びってイメージしかない。
実家暮らしだし祖父の家も同じ市内。
故郷っていう場所がない。
「あら、実家暮らしのほうが絶対にいいよ。
独り暮らしって大変だもの」
と言われても廻琉にはそれほどピンときてない。
野々さんの独り暮らしを見てしまったからより憧れが強くなってる。
「あっ、それと店長から聞いたけど、あなたはバンドをやってるのね。
ぜんぜん知らなかった」
あれ?
言ってなかったっけ?
なんか日常生活の話とか授業の話ばっかしだった?
「そうでござる。
この学校の人じゃないけど3人組や。
法政と東京農工大学の人と一緒にやってるバンドでござる」
「へ〜そうなんだ。
ライブとかやってるの?」
「それはまだ。
いま練習してるとこ。
だから夏休みのアルバイトもしたいしバンドの練習もあるしで、なんだか夏休みどころじゃないでござるよ」




