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「まさかとは思うけど、カメラが回ってるとかってなかっただろうな?」
「なかったと思うけど···
なんで?」
「隠し撮りでもやってるんじゃないかと思ってな」
撮影をするのなら許可を取ってもらいたい。
以前、店内で無断撮影された映像が勝手にyou tubeにアップされたことがあった。
この店の常連さんが偶然見つけて教えてもらった。
その時は店にとってマイナスになるような悪い内容ではなかった。
だが気分の良いものではなかった。
それ以来、無断撮影にはちょっと神経質になっている。
それではと廻琉がそれとなく訊いてみましょうということになった。
すでにテーブルに座ってる人たちは避けて待っている人たちにそれとなく声をかけて探ってみる作戦に出た。
「すいません、もうしばらくお待ちください」と入口あたりにいる人たちにさりげなく声をかけた。
追加で「あの、ひょっとして撮影かなにかですか?」と世間話のようにかる〜く訊いてみた。
「あっ、いま井の頭公園でずっと撮影してたんですよ。
映画なんですけどね。
それでお昼休憩ってことになって、ここにしようってことになって、うちのスタッフの1人がここのカレーが美味しかったって言ってたものですから···
すいません、大勢で押しかけて··
あっ、事前に言っておくべきでしたね」
饒舌に話してくれたのは監督さんだったみたい。
廻琉としては「ありがとうございます」と言うしかなかった。
さっそくこのことを碧色叔父さんに報告した。
廻琉が気づいてしまったのは俳優の中崎健太。
アイドルグループの一員としてデビューしていたが数年前に卒業して、今は俳優一筋で活躍している。
ヒロイン役の田中シュガーや他にも俳優さんたちの姿がある。
さらに続々とスタッフの人たちが集まってきた。
いったい何十人がきたんやろか?
えらいこっちゃでござります。
帰り際に常備してある色紙にサインをお願いすると俳優の方々は気さくに応じてくれた。
それどころか写真もいかがですかとわざわざ言ってくれたりした。
7名もの俳優さんからサインをもらえた。
さっそく店内で飾るつもりらしい。
こういうところや。
こういうところが碧色叔父さんがミーハーなとこやねん。
叔父さんに言わせると店の大宣伝になるからと不適に笑っている。
今回は小百合叔母さんまでが積極的だ。
みんなミーハーやね。
せっしゃなんかすべての写真撮影に参加しただけだっちゅ〜のに。
家に帰ってさりげなくおかんに話してみたら、「中崎健太」だってと声に出して驚いていた。
ここにもミーハーがいたかとキョエ〜ってなってしまったわ。




