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「え?」

 私は、鉢植えの細ネギを前に固まった。自作の小型炭窯から苦労して木酢液を手に入れた私は、それを実験用の鉢植えの細ネギに、前世の知識で必要とされる量よりすこし少なめであげた。すると、一週間前は小さかった細ネギが、かなり立派に育っていた。ちなみにだけれど、『ムルス』ではこのような劇的な効果は無かった。

「ちょ、東さーん!?」

 私は、前世の記憶の差異から混乱し、『第二百六十四番ダンジョン前駐屯地』の東二等陸曹の下へ問題の鉢植えを持って突撃する。

 そのまま話は上へ行き、その鉢植えは回収され、一カ月後の田植えの最中、何だか高そうな黒い車が三台集落にやって来た。

 何だ何だと駐屯地の人含めた皆が混乱する中、私の家の前へ車は止まり、車から黒いスーツに赤いネクタイを着けた人が降りる。

「ちょ、これ終わったらウチがやっとくから原さん行った方がいいって!」

「はっ!? 森さんお願い!」

 隣で田植えをしていた森さんに言われ、私は再起動して田植え機から降り、自宅へと走る。田んぼから自宅まで、何気に遠くて困る。

「す、すみません……」

 荒い息を整えつつ、自宅前で困惑している黒いスーツのおっさんに言うと、おっさんは心配そうな声色で「押しかけてすみません。原風香さんですか?」と尋ねて来た。

「は、はい……」

「私、こういうものでして……」

 差し出された名刺には、こう書かれていた。

「えーっと、『経済産業事務次官、小野田和正』!?」

 え何でこんな大物が出てきたの!? 私は酷く混乱した。

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