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動物好きとわたしとウサギとおっさんとスズメバチ


□□□□□                        それはとても不幸な事故だった。

 アキラは動物が好きだった。仕事は普通のサラリーマンだったので、大嫌いな人間の顔を毎日見なくてはならない。だから動物園に月1で行き癒やされてくるのだ。

 アキラのアパートは犬や猫などを飼うことは禁止されていたのでウサギをこっそり飼っていた。

 一時間前、そのウサギのエサを買いに行って、帰ってきて家の半径30m付近で起こったことだ。

 前方にチワワがいたのだ。周りに飼い主のような人はいなかったが、首輪は確認できた。迷子だろうか。

 アキラは吸い込まれるようにそのチワワのもとに向かった。チワワのすぐ近くまで来て、その小さな頭を撫でるため手を差し出した。するとあの小さな歯でアキラの手を噛んだのだ。

 そしてびっくりした拍子にその場で尻もちをついた。

 そしたら酔っ払ったおじさんが自転車に乗ってアキラの目の前に迫ってきた。そして、おじさんがアキラの50cm前で転んだ。

「大丈夫か?」

「だ、大丈夫だよ。きっと…」

何だそれ、とは思ったが、アキラは立ち上がりチワワを探したがもういなかった。

 家に入ろうと鍵をポケットから取り出そうとしたら、誤って落としてしまった。鍵を拾うため体勢を低くしたら、つい先程まで頭があった位置に鳥が飛んできてドアにぶつかりどこかえ飛びさっていった。

 鍵を開けて家に入り、窓を開けた。そして昼寝にはいった。が、窓を開けたときに網戸を閉め忘れスズメバチが中に入り、アキラは刺された。アキラはハチアレルギーでアナフィラキシーショックを起こしショック死した。

□□□□□

                        「…嘘だろ?俺は死んだのか?」

いい歳の男が私に聞いた。

「はい。そうです。あなたはもう生きてはいないのです。」

彼は叫び声を上げ涙を流し、膝をついた。

「あなたは家族が心配なのですね?自分が死んでしまったら家族が生きていけるかどうか。後ろを見てください。」

彼が振り向くと彼の妻がいた。恐らく何日も寝ていないのだろう。顔がやつれていた。

「お母さん。」

二人の息子がやってきた。長男が母親の手を握った。その後ろで次男はただ見ているだけだった。4歳ぐらいの子だった。

「僕はいままでお父さんとお母さんにずっと頼ってきた。僕はもう15で長男だ。お父さんはいつも僕たちが守ってくれた。今度は僕が僕の家族を守る。だからお母さん。そんなに悲しまないで?」

母親は泣きながら小さく何回も頷いた。長男は力強く母親の手を握った。次男は首を傾げた。

□□□□□

                         アキラが目覚めるとそこには飼っていたウサギがいた。しかし触れない。

「うわぁ…マジで死んだのかよ。」

少し残念そうに呟いた。

「そうです。あなたは死んだのです。」

背後から声がした。振り返ると女の人が優しい表情でアキラを見ていた。

「あ、マジで俺死んだの?俺。」

アキラはため息をついた。

「そんなに気にしちゃだめです。」

「イヤイヤ気になっちゃうよね?普通さ?ね?てかあんたって死んだの?」

いきなり聞かれたので女はキョトンとしていた。

「えっ。わ、わたし?え、えぇまぁ。それよりあなたは…」

「うちのぴーちゃんは元気に生きていけるかな?」

「ぴーちゃん!?」

さらに女は困惑した。

「ペット。ウサギだよ。」

「えっ、ああまぁきっとね…であなたは…」

「あぁん?テメェぴーちゃんのこと馬鹿にしてんのか!!!」

「えぇ!?」

もう女は頭が混乱した。目眩もした。

「オマエは動物に対する愛がねーのか!!」

「もういい!!」

いきなり女が大声を出した。アキラはビックリして目を見開いた。

「もういいわ。まさかここまでとは思ってなかった。行くわよ。」

女はアキラの手を握り、

「天へ」

□□□□□

                         わたしが出会った人の中でもこんなにめんどくさい人初めて。彼…確かアキラ君だっけ?はとっても困惑しているようだ。ま、当たり前か。

「なぁ。ここってどこ?」

「言うと思った。天国よ。」

「天国?あーはいはい天国ね天国…って天国!?」

あーうるさい。といってもわたしも初めて来たときも驚いた。街があり、緑があり、豊かさがある。パッと見た感じでは「あ、ここが天国かー」という人はまずいないだろう。しかしその話ができるのはわたしとアキラ君と限られた者だけ。

「ついて来て。」

わたしはアキラ君をある所に連れて行かなくてはならない。

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