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第二十四話 四月十六日(火)少女は思いを確認した

流石に執筆が追い付かないんです。平日の五日間で二話分程度しか書けなかった。

あっ、これ金曜日に予約投稿しました。

翌日、ユウはいつもより早く起きていた。昨日の感情を思い出し、リサの言葉を思い返かえしていた。


「ん……」


ユウはベッドから降りてカーテンを開ける。窓から差し込む朝日が眩しかった。


「……まだ掴めない」


ユウは胸を押さえて呟く。今まで感じたことの無い感覚に戸惑いながらも、ユウは確かな一歩を踏み出した。


「大丈夫。前には進めてる」


ユウは鏡の前で笑顔を作って、自分に言い聞かせるように言った。

そして朝の準備をしてリヒトの家に着くなりリヒトに声を掛けられた。


「おはよう、ユウ」


「リヒト、おはよ」


ユウはいつもと同じ挨拶としたつもりが、リヒトは普段と様子が違うことに気が付いていた。

何か言いたげなリヒトを見たユウは、敵わないなと白状する。


「あのさ、リヒト。僕ね、昨日の夜リサに相談して考えたんだ」


「おう」


リヒトは何となくだが予想がついた。ユウはゆっくりと口を開く。


「僕はリヒトの事が好きなのかなって」


「そっか」


リヒトは特に驚いた様子もなく相槌を打つ。そして、ユウに微笑みかけた。


「オレに出来ることがあったら言ってくれ」


「ほんとうに?じゃあ失礼して……」


「おいっ!?」


ユウは勢いよくリヒトに抱き着いた。ユウの行動に驚きつつも受け止めたリヒトだったが、いつまでも離れる様子のないその背中が大きく上下しているのを見て深呼吸しているのに気が付いた。


「おいこら、いつまでしてんだよ」


「んー。止まらなくなりそう」


「お前なぁ……」


「冗談だよ。ありがとね」


そう言って名残惜しそうに離れたユウは、笑顔を浮かべていてリヒトの隣に並んだ。


「で、急にどうしたんだ?」


「確認中。でも、今日いろいろ試す予定」


「おう、焦らずやれよ」


二人はいつものように登校し、教室に入った。するとリサが駆け寄ってきた。


「おはよう。ユウ、リヒトも」


「おはよ、リサ。……ユウ?」


「おはよう……えいっ!」


ユウは勢いよくリサに抱き着いた。彼女の鎖骨に顔を埋めて何かを確かめたユウは、リサの耳元で囁いた。


「……昨日はありがとう。好きだよ」


「ッ!?ユウ、あなた……」


リサの顔が真っ赤に染まり、ユウを引き剥がした。ユウはそんな彼女に対して余裕そうな笑みを向ける。


「どうしたの?」


「い、いきなり何なのよ……」


「リヒトへの好きとは違ったけど、リサも負けないくらい大好きだから」


「……ユウのたらしは変わらないわね」


リサは呆れたように溜息を吐いたが、ユウの気持ちは嬉しかった。


「全く……昨日の今日で大した行動力ね。私の心配を返しなさいよ」


「えへへ、お陰様で見えてきた気がする」


「おはよーっ!三人とも何してんの?」


部活動の朝錬を終えたのであろうカナがやってきた。近づいてきたカナにユウが挨拶と同時に抱き着いたのを、リヒトとリサは苦笑いしながら見守った。


「おはよ、カナ。好きだよ」


「えぇっ!?ユウってば大胆!!」


カナは顔を赤くしながらも満更でもない表情でユウを抱き返した。満足して体を離したカナがユウをのぞき込んだ。


「……あれ?なんか物足りなかった?」


「わかる?今比較検証中なんだけどね」


「ああ、誰か分かった。そりゃ負けるよ」


「……どういうこと?」


ユウには分からなかったが、リヒトとリサはその言葉の意味を理解していた。


***


授業を終え、放課後の時間がやってきた。開幕一番、ユウは生徒会へ一直線に向かいシズクを探した。


「シズク先輩、こんにちは」


「ユウか。珍しいな」


「ちょっとお願いがありまして……。時間いいですか?」


「もちろん。君に頼って貰えるのは嬉しいからな」


「では……立ってもらっていいですか?」


ユウは早速本題に入ることにした。


「……それで、私は何をすれば――って、ユウ!?」


立ち上がって次の指示を待つシズクに対して、ユウは遠慮なく抱き着いた。

眼を泳がせて慌てふためくシズクが行き場のない手を動かしていると、ユウは頬ずりしながら呟く。


「やっぱリヒトの時だけ……リサの時も……」


「……ユウ、まさか」


「はい。リサとカナにも抱き着きました」


冷静に考えられるようになったシズクがユウの呟きで仮説が思い立った。やっと体を離して満足げな顔をしていると、上気した顔のシズクが納得していた。


「なるほどな。リヒトだけは違ったという事だろ?」


「そうみたいです。僕も不思議だったんですけどね」


「何が違ったか言葉に表せるのか?」


「はい。えっと、満たされるんです。シズク先輩や友人達の時は嬉しさで一杯になるんですけど、リヒトの時は違ったんです。安心感とか幸福感とかが溢れて、落ち着くのにどこかドキドキしてるっていう感じで……」


ユウが心情を語る姿を眺めるシズクはやや呆れていた。


(……ふむ。こんなにも分かりやすい顔をするのにまだ気づかないのか?)


シズクが呆れかえってた視線を受けて我に返ったユウは何処とも無く言い訳をする。


「あー、僕もリヒトが好きってことは分かったんですよ。今日は確認したくてですね……」


「やっと自覚したか!」


「え、いつから……」


ユウがしどろもどろに弁解すると、シズクは顔を輝かせて晴れ晴れとした声で本音を口にした。あまりにも直球な言葉が胸に刺さったユウは恐る恐る尋ねた。


「初日の勧誘の時からだぞ?君がリヒトを親友以上に距離感が近づいていたが、その感情の正体に気づいていないようだったのでな。私としては我慢できなくなったリヒトに襲われないか心配だったんだ」


「うっ……」


完全に図星を指されたユウは胸を押さえる。彼が告白時に我慢が出来なかったとか言っていたのを思い出し、カッと全身が熱くなる。連想してあの日の全部を思い返してしまった。

真っ赤になって蹲るユウに、嬉しくなったシズクが頭を撫でる。


「ユウがちゃんと自覚するなんて成長したな!」


「成長……してますか?」


「ああ。中学の頃を知る私としては、あのユウがここまで感情豊かになっているのは感慨深い」


「そ、そんなこと……」


「ある!リヒトに感謝するといい。君をそこまで変えたのは彼なんだぞ?」


「はい……。ありがとうございます」


素直に礼を言うと、シズクも満足げに笑みを浮かべた。

昨日よりも長く話し込んでいた為、生徒会の三年生組がやってきた。火照りが収まらず赤い顔のユウと、そんな彼女を撫でているシズク。この状況を見られた二人に待ち受けたのはニヤニヤとした先輩達による一方的な質疑の時間だった。

残りの生徒会メンバーが来るまで絞られ続けた二人は、仕事は行いながらもぐったりとしていた。

安定供給を維持したくて必死にストックを作ってました。

GW中に書き溜めたものがほとんどで、休みが終わると時間が全然取れない…

ずっと毎日投稿し続けている方達、凄くないですか?

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