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全問正解子ちゃん  作者: 総督琉
十器聖編
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文月を救い出せ、紅たちの恩返し⑤

 十器聖、南愛佳&南炉炉VS蒼青明&蒼青太郎


 そこは森林。広大な森林。

 そこで今、蒼青明は木製の剣と盾を持ち、同じく木製の剣と盾を構える南愛佳と戦闘を繰り広げていた。

 その遠方より、青太郎と炉炉が木陰に隠れ、青太郎は愛佳を、炉炉は青明を狙っていた。


「青明、随分と追い込まれちゃったね」


「まさかここまで距離を詰められるとは」


 愛佳の猛攻に、青明は段々と追い込まれつつあった。


 現在行われている決闘、それは互いに剣と盾を持ち戦うというもの。

 勝敗については、先に遠方にいるスナイパーが敵を射抜けば勝ちというもの。つまり愛佳は、青明の体勢を崩してスナイパーが狙いやすくしている。

 ただ青太郎は射撃の経験が豊富ではない。それ故、難題だ。


「やはり一筋縄ではいかないな。さすがは私たち十器聖にケンカを売るだけはある」


 余裕なのか、愛佳は青明へ果敢に剣を振るい、盾を振り払おうとしている。既に炉炉は何十回も狙撃できるタイミングがあったものの、炉炉は引き金を引かない。


「姉貴、引き金ってこんなに重たいんだな……」


 そう呟き、炉炉はゆっくりと引き金を引いた。そこより放たれた弾丸が青明へ放たれた。それに気づいた青明は咄嗟に盾で弾丸を防いだ。盾にペイント弾が直撃し、赤く染まった。


「今頃か」


(炉炉のやつ、一体何をしているんだ。まさかとは思うが、覚悟ができていないのか)


 炉炉へ視線を向けつつ、青明の攻撃を全て盾で防いでいた。


「青明姉(ねえ)、なんとか隙をつくってくれ。盾さえどけてくれれば良いんだが……」


 粘りを見せる青明だが、既に体力に限界は来ているようだった。そこをまだ体力が有り余っている愛佳が体勢を崩そうと攻めている。


「青明、私は十器聖としての責任を果たす。だからこのまま終わりにしよう」


 愛佳は青明の盾を吹き飛ばした。盾が宙を舞う最中、炉炉は引き金を躊躇いながらも引く。

 ペイント弾は青明の額へと放たれる。盾が舞う中、防ぐものはない。ペイント弾は青明の額へ直撃するーーはずだった。が、そのペイント弾が当たった場所は剣であった。


「剣で!?」


「ここで決着をつける」


 そう叫ぶと、青明は無防備な剣すらも投げ捨てて愛佳の構える盾を力ずくで奪った。


「負けられねえんだよ」


 青明は盾を奪ったが、無防備な体勢となって炉炉にとっては絶好の的だ。炉炉は覚悟を決め、青明へ銃口を向ける。


「これで、」


 炉炉は、引き金を引くのに数秒遅れた。そして放ったペイント弾は、無防備な青明の頭へ直撃するはずだった。

 しかし炉炉が躊躇っていた一秒の間に、宙を舞っていた青明の盾はちょうど青明の真ん前に落ちた。それにペイント弾が直撃。


「何だと!?」


「南愛佳、これで終わりだ」


 剣を盾のようにして構えようとしたが、その寸前に青明は愛佳の剣を吹き飛ばした。


「青太郎」


「さすがは青明姉だ。このチャンス、逃しはしないさ」


 青明は引き金を引く。ペイント弾は愛佳の額へ直撃した。

 愛佳はその場に倒れた。


「青明、君たちは強いな」


「いや。本来なら私たちが負けていた」


 そこへ炉炉がやって来て、愛佳へ頭を下げた。


「姉貴ごめん。文月が姉貴を救ってくれたから、俺は引き金を引けなかった。文月という存在が記憶の中をちらついている。そのせいで引き金を引くのが遅れてしまった」


「良いよ別に。もう終わったことだ」


 そう言うと、愛佳は立ち上がって青明の前に進み、足を止めた。


「私は鍵を持っていない。すまんな」


「そうか。二人じゃなかったか」


「青明、良い勝負だった。またいつか戦おうな」


「はい」



 十器聖、南愛佳&南炉炉VS蒼青明&蒼青太郎

 勝者、蒼青明&蒼青太郎

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