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全問正解子ちゃん  作者: 総督琉
十器聖編
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咲き誇る紅の思い、天才VS優等生②

 後日、私はいつものように登校し、小テストを満点で合格し、学園へ入る。

 私は今悩んでいる。苦悩が私を支配している。それでも私は止まることはできなかった。だって私は完璧で在り続けなければいけないのだから。


「文月、おはよう」


 紅が元気よく私へ挨拶をする。


「ねえ文月。また十器聖を倒したんだね。凄いね」


「まあ……そうかな」


「なんか元気ないね。何かあったの?」


「ちょっと寝不足なだけだよ。だから心配しないで」


「うーん。分かった」


 紅は何か疑ってはいたものの、特に何かに気付く様子もなかった。


「そういえば今日さ、水泳大会があるんだよ。文月は参加するの?」


「水泳大会?」


 いやいや、この学園は生徒数が百にも満たない、それに加えこの学園は超がつくほどの超超エリート高校。誰が呑気に水泳大会になど参加するだろうか。

 さすがに誰も参加しないだろう、そう思って私は「参加するのはせいぜい五人くらいだろ」と言ってみた。だが返答は意外なことに、なんとその水泳大会には百人程が毎回参加しているらしい。

 それではこの学園の全生徒が参加しているに等しいじゃないか。まさか強制なのか、とも思ったがそうではないらしい。


 だが明らかにおかしい。

 たかが水泳大会に、百人も集まるはずがない。何か裏取引でも行われているのか、そんな怪しい雰囲気が水泳大会に渦巻いている。


「もしかしてだけど、この学園のシステム、まだ全然知らないでしょ」


「確かにあまり多くは知っていないな」


「水泳大会になんでそんなにも多くの生徒が参加しているかって言うとね、この学園には四つの附属の学園があって、その学園からの参加者が多いからなんだよね」


「四つもか。じゃあその学園から水泳大会の参加者が?」


「そういうこと。まあ附属の学園四校はここ月虹学園のように全教科満点じゃないと入れないっていう厳しい鉄の掟はなくてね、ある程度の点が取れれば入れるレベルの学校だからさ」


「なるほど。それならたまには水泳大会にも参加できるか」


「文月は参加するの?」


「まあ成績なら今のところは維持できるし、たまには息抜きも必要だしさ。紅はどうするつもりなの?」


「文月が参加するなら……行きたいかな」


「じゃあ一緒に参加しよっか」


「うん。ありがとう」


 水泳大会には参加することになった。とはいえ、小学生の頃はあまり授業にはあまり積極的に参加していなかった。泳ぎはあまり得意ではないのだけれど。

 だが大会という以上は、この大会には優劣が、つまるところ順位がつけられるのだろう。


「紅は水泳大会には参加したことあるのか?」


「ううん。水泳大会は初めてかな。他の行事には参加したことあるけど、水泳大会は見たことしかないかな。だからどんなことを大会でするのかは分からないな」


「だが百人も参加するんだろ。時間がかかるんじゃないのか?」


「文月はプール見たことないもんね。今からプール行ってみる?」


「頼む」


 なぜ先ほどの問いでプールへ行くことになるのだろうか?それが私の問いの答えにでもなるのだろうか。

 というかプールは屋外にあるらしく、月虹学園の広大な敷地内を歩かなければいけない。広大な敷地の中には多くの施設が存在しており、その中のひとつにプールもあるらしい。

 この学園のデメリットといえば、敷地が大きすぎて敷地内の施設を覚えることが難しいという点だ。地図でもあれば良いが、生憎そんなものはこの学園には存在しない。

 全く、不条理な話だ。これだけの敷地を有しているのだから、地図のひとつや二つ、用意してくれれば良いのに。


 私の願いは短冊に書いた願いの如く焼却され、空の彼方へと願いが叶えとでもいうように消えていく。

 だが今日は七夕ではない、空へ飛ばされた願いは消えるだけ。手を拝むだけ無駄である。


「着いたよ。ここがプールだよ」


 そう案内された場所には巨大な建物がひとつ、ポツンと建てられていた。中へ入り、私はプールを見た。

 驚くしかない、そんな後傾が目の前には広がっていた。


「紅……ここがプール!」


 私の目前に広がっていたのは、百人が横一列にでも泳げるような巨大なプールがひとつ、そこで玉座に腰かけるが如く存在していた。その存在感たるや、巨人がそこへ横たわってもまだ余る。


 それにそれだけではない。

 他にも幾つかプールはあり、五十メートルプールや極寒プール、サウナや電流プールなど、多彩なプール施設がこの建物の中には存在していた。


「これが月虹学園……。さすがにこれは規格外、なぜこれほどまでに巨大なプールが存在している」


 先ほどの問いの答えがようやく分かった。

 これほどに巨大なプールならば、百人が参加しようと大会が一瞬で終わる。むしろこのスケールに対し、百人という人数は少ないくらいにも思える。


「文月、驚いた?」


「驚かないわけがないだろ。これのどこに驚かない要素があるというんだ」


 驚くべき点は明白だ。

 私立月虹学園、この学園は私の予想の遥か先を行く。

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