1 初対面
見切り発車のため、のちに大幅な改変することもありえます。
ご了承ください。
この世界が「ある物語」の世界だと気が付いたのは、私が物心ついてからだった。
生まれた時期が同じで、爵位も申し分ないという理由だけで、婚約者として周知されながら育った。
初めて婚約者と会ったのは5歳の時。実際は赤ん坊の時も顔合わせはあったらしいが、もちろん記憶に残っているはずもなく。婚約者殿は2歳上らしいが、覚えて居たりはしないだろう。だから、これがお互いを認識して話をする初めての機会だった。
対して賢かったわけでもない私は、親からこれからも仲良くしなければならない相手なんだと言われて緊張しつつも気にいられないとという想いを持っていた。それと同時に、とある記憶からもう一つ、「好きになってはいけない」という想いも持っていた。また、これから会う人物が今後苦労するような性格だということもわかっていた。でもこの時はまだその性格に関して何も思う所はなかった。
両親と共に馬車に乗り婚約者殿のもとへと向かった。
「アルベルト国王ロベルト・フォン・アルベルトの第三子、ソータ・フォン・アルベルトです。この度はご来訪頂きありがとうございます」
丁寧な挨拶と共に頭を下げる見目麗しき若君こそ、我が婚約者殿である。
「ラベルト公爵家ベルト・デン・ラベルトが長女、フィレーネ・デン・ラベルトでございます。この度はお招きいただき有難く存じます」
しっかりと目を見つめかえし丁寧にお辞儀をする。
お父様をチラリと伺えば頷きが返って来たので合格点という所だろう。
この時点ではまだ、私は周りから見て、ただの5歳の公爵令嬢でしかなかった。
私自身も、とある記憶について特に悩むこともなく、みんなこんなものなのだろうと他言することもなく過ごしていた。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
次回は「とある記憶」についてお話する予定です。




